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ワインツーリズム2012~その5・矢作洋酒

投稿日:2012年11月22日 更新日:

古い倉みたいな、けっこう洒落た店構えのワイナリーです。壁に枝で何か模様がつけてあるなあと思いながら写真を撮ったのですが、あとになって見返してみると、これアルファベットで「YAHAGI」って書いてあるんですね。

門をくぐって中に入ると、大きな机の回りに長椅子と座布団があり、ツーリズム参加者が大勢、肩を寄せ合うようにしておつまみを食べながらワインを飲んでいました。「おー、ようこそおいでなすった、さどうぞどうぞ奥まで」といった具合に中に案内され、ゆず味噌を添えられたこんにゃくの田楽が差し出されます。え、何、ここ居酒屋? 突き出しのお代はいくらでしょう? いえいえ、これはみんなワインツーリズム参加者へのサービスです。
無料試飲ということで机に出ているのは、「甲斐國一宮」というラベルの赤と白のワイン、そして「武道酒」というラベルの白ワインです。「甲斐國一宮」は、無添加だ環境を守るんだと理屈ばっかりが表に出ていて、実際に飲んでみるとフツーの甘いジュース系のワインでした。正直これが目当てだとするとガッカリレベルです。ツーリズムに参加するような人だと似たような感想なのでしょう、ほとんど飲まれることなくずーっとテーブルの上に残っていました。

しかし、「武道酒」のほうは当たりです。「甲州の辛口ワイン」という、同じ種類のワインを作るワイナリーはここ勝沼にはいったい何十件あるのか数を数えるのも怖いくらいの激戦区ワインなのですが、この「武道酒」は味も香りもしっかりしていて飲みごたえのある極上ワインといっていいでしょう。

「甲斐國一宮」の方は、硬派っぽい見た目とは裏腹にジュース系の甘い、いわゆるお土産ワインです。「武道酒」はキリッとした辛口の甲州ワインで、おすすめ。ラベルのデザインは正直、ちょっとどうだろうかと思えるものですが。
難点があるとしたら、名前とラベルのデザインじゃないでしょうか。何でも、社長が少林寺をやっていて体育会系で、だから辛口の芯が通ったワインを作ったからにはそれらしい名前を付けたいとのことで、この名前になったのだとか。ただ、ボトルの見た目がもう完全に日本酒にしか見えないというのは…。

テーブルには出ていませんが、頼むと試飲させてくれる「サーパス」というワインもありました。カベルネ・ソーヴィニヨンとマスカットベイリーAのブレンドで、味が濃くシッカリとタンニンが効いた本格ワインです。輸入果汁は使っておらず、キッチリと国産のブドウだけで作っているのだとのこと。……そのかわり、ちょっと値段も高くなってしまっていますが。青いスリムなボトルの「碧の蔵」は、サーパスと中身は同じとのこと。ボトルを小さくして量を減らして、オシャレな贈答用ワインとしての需要を狙ったものとのことです。


矢作洋酒
http://www.yahagi-wine.co.jp/
所在地: 山梨県笛吹市一宮町上矢作606
TEL:0553-47-5911

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