10月は、8日~10日と世間一般的には三連休が続いたことになっているのですが、1ヶ月の中でよりにもよってこの時期ってのは私の職種だと仕事が佳境に入る時期で、あまり休めないのが実情……。そんな時期に、9、10と2日続けて「鉄砲の試合」を入れてしまったことは、我ながら無茶だなとは思いましたが、しかし試合の方からその時期にまとまって開催されてしまったのだから仕方がありません。
9日は、実銃ではなくエアガン、早い話が「オモチャの鉄砲」の試合です。ここ数日、やけに事件が頻発しているエアガン、これが実のところは法律的には微妙な地位にある商品であって、「実銃射撃競技をやっている人間は手を出すべきではない」と主張する人もいるくらいのものだ、ってことは、ブログを始める前にWebサイトでのコラム(http://homepage2.nifty.com/shippo-/diary/2001-05-14.html)に書いたことがありました。また、トイガンを初めとした銃を「誤った使い方」をしてしまう人間や、そういう人間が起こした事件に反応して銃そのものを嫌悪してしまう人に対して主張できる拠り所となるのは、銃を「正しい、あるいは害のない」使い方をして楽しんでいる人が大勢いること、またそういう場があることをアピールすることしかなく、だからこそ、トイガンでの競技射撃に類する分野を避けるのではなく協力出来る範囲で協力していくことが、ひいては実銃射撃競技をやっている人間にとってもプラスになるのではないか、ってことも同コラムに書いたことです。
まあ、そういうややこしい話は脇にどけておきましょう。9日のトイガン・シューティングの試合については仕事で書いてる方でリポートを書くのでここではあまり触れることができません。撮ってきた写真も使えないし。というわけで、次の日、広島で行われたピストルの試合。名目としては「秋季ピストル射撃競技広島大会」ってことになります。この大会、位置づけ的には妙なことになってて、昔は同時期に開催される広島でのピストル競技大会は「全日本ピストル」とか呼ばれていて、年間の試合のなかでも非常に重要な位置づけにある試合だったはずなんですが、今では単なる広島で開催される日ラ主催大会の1つ、的な位置づけにまで地位が落ちてしまった(?)みたいです。大会の雰囲気的にも、全日本の時は銃検も全員厳密に行っており、服装規定についてもチェックが厳しかったのですが(まあ、ルールブックに違反ともなんとも書いてない部分を「それは違反だから改めろ」と言われるなんて不思議現象もありましたが)、今回は銃検もなし、参加者チェックもなし、許可証の確認もなし(っておい、いいのか!?)の、のーんびりした大会となっていました。
実はこの大会、昨年も申し込んでいたのですが、超大型の台風により射場までの道路が寸断され、開催が不可能になったということで参加出来なくなったというアクシデントがありました。そのおかげで「年2回(2年に4回)」というAP所持に必要な試合参加回数の規定を満たすことが出来なくなり、しかし「それは天災によるものだから仕方がない」ということで温情処置で許可更新(正確には新規許可の推薦ですが)を出して貰う、なんてドタバタに繋がったりもしたので、忘れられない出来事です。その時の道路の修復は今だに完全には終わっていないようで、会場に向かうときも試合が終わったあと(後に理由は書きますが)呉に向かうときも、片側相互通行になっている箇所に頻繁に出くわすことになりました。工事中の看板は立っているのですが道路工事などしている気配もありません。なんといっても、あれだけの数の道路崩壊箇所を全て直すのには当分かかりそうです……。
さて、試合の話。今回のスケジュールは前述したとおり強行軍となっていまして、当日、その日最初に飛ぶ飛行機に乗って広島に向かい、空港でレンタカーを借りて射場へ急行、試合が終わったあとちょっと行きたいところに行って(後述)、その日最後の飛行機に乗って東京へ戻る、というものです。実際にやってみて思ったのですが、このやりかたは見た目ほどにはハードではありませんでした。前日以前に現地入りして宿泊するのは時間的には余裕がありますが「いつもと違う環境」に長い時間さらされるために体調の維持という点では難しいものがあります。一方、日帰り遠征だと普段の生活パターンそのままに試合に出られるという利点があります。この先、万が一VPを取ったりNTに名を連ねるようなことになったりして海外試合に出るようなことになれば泊まりがけの遠征に慣れておくことも必要になるでしょうが、とりあえず今のところは日帰りできる範囲では日帰りしておいた方が、体力的にも経済的にも楽ということがわかりました。
前にもどこかで書いたことがありますが、広島の電子標的は私と相性が良いようです。普段よりかなり良い点が出ます。「10点が普通」というとさすがに言い過ぎな気がしますが、そう言いたくなるくらいの感じです。今回も、今シーズン最高の点数(といってもこれで3回目の試合ですが)が出ました。しかしそこはさすがに「全日本ピストル」って名前が過去にはついていたことがある大会だけあって、結果は14位。ファイナルには残れませんでした。とはいえ、同点シリーズ差で2人に負けてますんで、「あと1点」があれば12位。さらに「あと2点」があれば10位だった……とか、結果表を見てるとこの「あと、1点、2点」って気持ちになっちゃうのは何年競技射撃やってても同じですねえ。陸上競技をやってるひとも、「あとコンマ1秒、2秒」って気持ちは何年たっても思うって話を聞きます。とはいえ、上の方の人は同じ日の午前中にFPの試合をやってて、今日2回目の試合だったりするわけで、その時点でハンデがついてるようなもんですから、あまり調子こいて吠えるのもみっともないことは自覚してますが。(それに、成績表を見ると実は「ファイナルに残る/残れない」の間には深い溝があるのです……)
以前は、そのまま居残ってファイナルの観戦もしてたんですが、今回は「せっかく自腹を切って広島まで来たんだから、『あれ』を見に行かねば!」という目標がもう1つありました。「あれ」とはなにか? これです。
呉にオープンした「大和ミュージアム」です。広島空港は市街地から相当離れた場所にあり、また試合が行われた「つつがライフル射撃場」も相当辺鄙な場所にあります。射撃場から空港まで、呉に寄ろうがまっすぐ行こうがそんなに変わりません。となれば、行かねば損!ってことで行って来たわけです。
写真は、話題となった1/10大和。でかいです。感動です。1/700のウォーターラインだとことごとく省略されてる部分まで精密に作り込まれています。いやーもう、閉館直前まで写真を撮りまくって(三脚使わなければ撮影は自由)、展示物を見て、上映してる映像を観てました。たんのーたんのー。そうこうしてるうちに、「やばい、飛行機の最終便に遅れる!」ってな時間になってしまい、あわてて空港まで車を走らせ、着いた空港では「東京行き最終便が満席となってますので、明日の便に振り替えをしていただける方を募集してます(謝礼2万円、ホテル付き)」というアナウンスに心がグラグラと揺れながらも「帰ったらすぐに溜まってた仕事があるんだ、ダメだ、帰らなきゃダメだ」と自分に言い聞かせ……。
そういえば、全日本ピストルだった時代の広島大会は「全日本選抜」に参加する資格を得るための試合っていう側面もあったのですが、今はどうなんでしょうか? たとえそうだったとしても、今回は運良くそこそこの成績……だったとは思うんで大丈夫だと思うんですが。
さて、家に帰ったらポストに東京都選手権への申し込み用紙が届いていました。スケジュール的にも問題なく参加できますんで、申し込みをするつもりです。それまで更新が滞る……なんてことはないとは思いますが、ではまたの更新まで、さよーならー。