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【ガンマメ】カラーフィルターの選び方

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「あきゅらぼ通販」では、市販の透明カラーアクリル板から切り出したカラーフィルターのセットを販売しています。

カナダにあるスポーツ射撃用品専門ショップのサイトに、いろいろな射撃用品の効果や使い方について解説するコラムが掲載されていました。中でもチャンピオン製グラスフレーム(射撃用メガネ)についての解説コーナーは、「なんでそんな高いのか?」「ライフルとピストルを両方やってる場合、一つのメガネで大丈夫か?」「Olympic ChampionとWorld Championはどう違うのか?新製品として発売されたSuperOlympicの特徴は?」みたいな、かなり突っ込んだ内容について詳しく解説されている、相当に有用なコーナーになっていました。

その中に、「カラーフィルターは使ったほうが良いのか? 使うとしたら何色が良いのか?」という質問への回答がありました。「あきゅらぼ通販」でもカラーフィルターセットなんてものを販売していますので――もっともこちらで販売している10色セットはちゃんとしたレンズメーカーによるものではなく「ただのアクリル板」であり、どんな色がどういう効果をもたらすのか、自分で試してみるためのお試しセットですが――自分に合った色を探し出すための手助けになるかと思い、簡単に翻訳してみます。

カラーフィルターの是非、および色の選び方

引用元:Should I use coloured filters and how should I choose which one to use?


カラーフィルターを使うべきかそうでないか、使うとしたらどの色を選ぶべきか。これはあらゆる分野における射手の間で、常に議論の対象となる問題です。「そんなものは射撃には百害あって一利なしだ、絶対に使うな」と厳命するコーチですら一部には存在します。その一方で、特定の色を強く推奨する人もいます。

結局のところこれは、「いろんな色のレンズが持つ物理的特性がもたらす効果」と、「個人の好み」を、うまい具合にバランスを取るにはどうしたら良いのかという問題です。一般的な話をすれば、カラーフィルターが目に過度のストレスを与えることなく、同時に照準能力を向上させてくれるのなら、それを使うことは正解だということになります。

色によってもたらされる効果は異なります。一般的に言われている色と効果の関係は、下記のようなものになります。

イエローやオレンジ(濃さはライト~ミディアム程度)

紫外線を吸収し、標的黒点の輪郭をクリアにします。ほぼ全ての射手に受け入れられる色です。

ダークブラウンまたはグレー(濃さはライト~ミディアム程度)

全てのスペクトルを吸収します。直射日光に照らされたターゲットのグレアを軽減します。黄色の成分が紫外線を防いでくれます。

緑色がかったニュートラルグレー

紫外線除去能力は通常のグレーのフィルターよりも劣ります。しかし一部の射手にとっては緑色成分は目に優しく感じます。

濃いイエローやオレンジおよび黄緑色

コントラストを強調します。晴れ時々曇の日などのはっきりしないが明るい環境や、早朝や午後遅くなどに適しています。

黄緑色(濃さはミディアム~濃いめ)

明るすぎる時に使用します。過度の明るさを取り除いてくれます。

偏光フィルター

2枚の偏光フィルターを重ねて互いに回転させることで、レンズを透過する光の量を微調整することができます。

カラーフィルターの適切な使用は、標的の見え方以外にもいろいろな要因に関連します(時には解決の手助けにもなります)。

年齢:

年配の射手は、ターゲットとフロントサイトの両方に目の焦点を合わせ続けるために、より多くの努力を必要とする傾向があります。

目のコンディション:

近視であるとか遠視であるとか、あるいは乱視であるといったことについてです。

心理的なもの:

「私は、このほうがいい感じです」というものです。

チャンピオン製のカラーフィルターは、コーティングされた高品質のガラスで作られています。ガラスは歪みが少なく傷がつきにくいため、プラスチックよりも適しています。フィルターはスプリング式のクリップオンレンズホルダーを使って射撃用メガネに取り付けることができます。フィルターの装着は射撃用メガネを着用したまま、数秒で可能です。

チャンピオン製のカラーフィルターは、3つのサイズ(42mm、32mm、25mm)と6色(イエロー、ブラウン、グレー、オレンジ、パープル、偏光)があります。偏光フィルターは2枚の回転プラスチックフィルムでできており、クリップではなくフレームトップキャリアの3つの穴の1つに取り付けられています。 装着している間、レンズリングの1つを回転させて、必要な密度を実現できます。

独自のカスタムフィルター(たとえば、特別なサングラスレンズメーカー製のフィルター)が必要な場合、チャンピオンはレンズなしのクリップオンレンズホルダーを提供します。 したがって、このレンズホルダーを地元の眼鏡店に持ち込み、サングラスメーカーのレンズから切り取ってクリップオンに合わせてもらうように依頼できます。


記事中には、「violetを吸収する」というフレーズが何度も出てきましたが、おそらくこのvioletというのはultra violet(UV)、つまり紫外線のことだろうなと勝手に判断し、翻訳ではそちらに変換してあります。

ざっと読んでみた限りでは、カラーフィルターというのは基本的には屋外射場での射撃を想定しているものらしいな……ということがわかります。ターゲットを直射日光が照らしていたり、上空を雲が流れていて曇と晴れが交互に入れ替わったり、だんだん日が落ちて光線の具合が変わってきたりという環境下で、安定した射撃をするためにどれだけ「いつもどおり」にターゲットが見えるようにするか、そのためのグッズという性格が強いもののようです。

世の中にはまだ屋外(半屋外含む)の空気銃射場は数多くありますが、大事な大会が行われるのはだいたい屋内射場のみになってきています。となると、エアライフル/エアピストルがメインの人は、カラーフィルターを購入する必要性はそれほど高くないということになるのかもしれません。ただ、装薬銃射場は屋外がメインですから、天候の変化に対応するために何色ものカラーフィルターを使い分ける技術というのは、スコア向上および維持のためには必須となる技術になるのかもしれません。

また、記事内では一切触れられていませんでしたが、最近の屋内射場に特有のLED照明のギラつきに対応するためのフィルターというのは、屋内射場がメインとなるエアライフル/エアピストル、さらにはAPSなどのエアガン射撃の世界でも、今後ますます必要性が高まってくる分野なんじゃないかと思います。世界的にも評価が高い日本のサングラス用レンズメーカーである「TALEX」から、まさに「オフィスなどのギラギラしたLED照明でも目が疲れないようにするためのカラーレンズ」を開発し販売しています。「あきゅらぼ通販」では、そのレンズを使った射撃メガネに取り付け可能なカラーフィルターを販売しています。

パープルブラウンの2色があります。アクリル板を切っただけのカラーフィルターお試しセットと異なり、元のレンズがものすごい高いのでお値段もそれなりになってしまいますが、「最近の屋内射場の照明は、なんか目が疲れる……」とお悩みの方は、ぜひ試してみて下さい。


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