命中精度だけなら、6mPPCという弾を使うライフルがダントツ。
「ベンチレスト」という競技射撃の世界がある。頑丈な机の上に、銃を置くための専用の台を設置し、高い倍率のスコープを使って慎重に狙いを付けてトリガーをそっと引く。使う銃も、ただひたすら「同じ場所に弾を送り込む」ことだけを目指してカスタムされたものだ。その性能は、100mで5発撃って、もっとも離れた弾着の中心どうしの距離を計測してもせいぜい数ミリメートルしかない。パッと見では一発の弾が当たったようにしか見えない。300mで撃っても、ターゲットに開いた穴を10円硬貨で全部隠せてしまうほどだ。
軍用のスナイパーライフルのほうが性能が高いはずだ……と思っている人がけっこう多いようだが、残念ながら、それは間違いだ。軍用のライフルに求められる性能は、せいぜい数百m離れたところにある人間大のターゲットに当たればOKというもの。スナイパーライフルであっても極端に高い精度が要求されるわけではない。精度だけを比べるのならば、ルールの範囲内とはいえコストも手間もかけて極限の精度を追求する競技射撃の世界は、実用ツールでしかない軍用銃と比べればはるかに高い次元にある。
「ガンマメ~銃の豆知識~」では、銃のメカニズムや歴史などについて、難しい言葉を使わずわかりやすく、けれどいいかげんなことは書かずにできるだけ詳しく書いていきたいと思っています。毎週火曜日、週に一回のペースを目標に新しい記事を投稿できればと思っていますので末永くよろしくです。