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【ガンマメ】最も性能の良いライフルとは?

投稿日:2015年3月17日 更新日:

命中精度だけなら、6mPPCという弾を使うライフルがダントツ。

「ベンチレスト」という競技射撃の世界がある。頑丈な机の上に、銃を置くための専用の台を設置し、高い倍率のスコープを使って慎重に狙いを付けてトリガーをそっと引く。使う銃も、ただひたすら「同じ場所に弾を送り込む」ことだけを目指してカスタムされたものだ。その性能は、100mで5発撃って、もっとも離れた弾着の中心どうしの距離を計測してもせいぜい数ミリメートルしかない。パッと見では一発の弾が当たったようにしか見えない。300mで撃っても、ターゲットに開いた穴を10円硬貨で全部隠せてしまうほどだ。

 

Malabar_Headland_-_Sporting_Shooters_(SSAA)_Bench_Rest_Rangeベンチレストの競技風景。コンクリで作られた備え付けの机の上に、重くて頑丈な「レスト」を備え付け、その上に載せた銃を使って遠距離にあるターゲットに規定弾数を規定時間内に撃ち込み、その弾痕が「どれだけ小さいエリア」にまとまっているかで競うスポーツだ。Photo:Paul Clarence
800px-BCM_Europearms_BARREL_BLOCKベンチレスト競技に使われるライフルの一例。極太の銃身、幅広のストックが外見上の特徴。これに高倍率のスコープを装着して使用する。ごついライフルレストは、銃を載せたまま極めて高精度に上下左右に微調整できるようになっている。

軍用のスナイパーライフルのほうが性能が高いはずだ……と思っている人がけっこう多いようだが、残念ながら、それは間違いだ。軍用のライフルに求められる性能は、せいぜい数百m離れたところにある人間大のターゲットに当たればOKというもの。スナイパーライフルであっても極端に高い精度が要求されるわけではない。精度だけを比べるのならば、ルールの範囲内とはいえコストも手間もかけて極限の精度を追求する競技射撃の世界は、実用ツールでしかない軍用銃と比べればはるかに高い次元にある。

 


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