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ワインツーリズム2010-04 ~番外編~

投稿日:2011年10月11日 更新日:

街中を巡回するバスに乗って好きなようにあちこちに点在するワイナリーを周り、好きなだけ試飲して好きなだけワインを買えるワインツーリズム。3~4箇所も回るといい加減に酔っ払ってきて、疲れも出てくる。そのせいでメモとか写真とかも途切れがちになってきて、ついでに記憶も薄れがちになってくる。

というわけで甲斐ワイナリー以降の数カ所は駆け足のダイジェストで紹介。

といいながらいきなりワイナリーではなく駅前のソバ屋、しかもそのおしながきの写真から入る。塩山駅でバスの間隔の関係で30分ほど時間が開いたので、駅前にあったごくふつうのソバ屋で昼飯をとることにする。きわめて普通のソバ屋なのだけれど、飲み物のメニューの中に当たり前のようにワインが入っているあたり、この土地ではワインが生活に根ざしているんだなあってことが窺い知れる。

後から書きたしたとかそんな感じじゃなく、当たり前のように「ビール大ビン、中ビン、焼酎、ワイン、コーヒー」と並んでいるところが凄い。世間一般の感覚でいったら「なぜここにいきなりワイン?」となるのだろうけれど、勝沼だとこれが普通なのだろう。


ワイナリーの中には、このワインツーリズムの時でないと普通に訪れるのも難しいような場所(駅から離れているなど)にあるところも多く、中には押し合いへし合いに近いくらいの大繁盛となる場所もある。勝沼醸造はその一つだ。

歴史あるワイナリーの一つであり、それと同時にここ数年で急速に評価を高めているワイナリーの一つでもある勝沼醸造。外から見ると落ち着いた佇まいの古い日本家屋なのだが、中に入れば押し合いへし合いの大繁盛。とてもじゃないが写真を撮れるような余裕はなかった。


有料での試飲を行なっているのだが、その試飲用グラスを受け取るのにも一苦労、グラスを受け取った後に試飲用ワインが並んでいる場所に行くのも一苦労だ。高校の学食でお昼のパンの争奪戦をしたときに近い混雑で、試飲ワインを入れたグラスを頭上に掲げるようにして人ごみの間をすり抜ける必要があるほど。正直、落ちついてワインの味を楽しむなんて余裕はなく、悔いが残ったので、先日、まだワインの収穫が始まっていない落ち着いた時期を狙って再訪問している。

物凄く狭くて急な、「本当にここ登ってもいいの?」と不安になるような階段を登ると、ワイングラスがずらーっと並んだギャラリーみたいなスペースがある。1階の喧騒と比べると、まるで時が止まったかのような静寂に包まれていて、ちょっとした別世界だ。そこかしこに置いてあるものがやたらと高そうなこともあって「落ち着ける場所」とは言いがたかったが…。


ワインツーリズムに参加申し込みをすると、ツーリズムに参加しているワイナリーのリストやその場所が記された地図など、いわゆる「ツアーのしおり」みたいな冊子が送られてくる。参加者はその冊子を参考に、どことどこのワイナリーをどういう順番で回るかということを事前に計画を立てて回るわけだ。

だが、その冊子に載っていないゲリラ的なスポットというのがけっこう多い。多いのはバス停の近くにある休憩所。一定間隔でバスが巡回しているとはいっても、数分おきってわけにも行かないのでタイミングによってはけっこう長い時間をバス停で待つことになるのだが、その近くにあるごく普通の民家が、ガレージとか家の庭とか、歩道のちょっと広くなっている場所とかを使って無料の休憩所みたいなものを提供していたりするのだ。

バス停の近くにある民家が、自宅のガレージを使って提供している無料休憩所。自宅で漬けた漬物とか、自家農園で採れた果物なんかを振舞ってくれる。おみやげ用に柿とか売ってたり、お手伝いのお子様が自作のアクセサリーとか販売してたりすることもある。ツーリズムの参加者が、振舞われているお漬物をツマミにして、さっき買ってきたワインを開けてみんなでプチ飲み会を始めたりしていて、ちょっと面白い空間が出来上がっている。


面白いのは、地図には特に何も書かれてないただの交差点に、突如として机が出されていてワインが無料で飲めてちょっとしたおつまみも自由に食べ放題、みたいなスペースが作られていたこと。そこで振舞われているワインは5リットルだか入る巨大なボトルに入っている。なんでも話を聞くと、そのメンバーの一人が最近結婚をして、結婚式でその巨大ボトルのワインをもらったのだが、あまりにもでかいので「いつ開けよう……」と悩んでいたところ、この催しがあるということを聞いて「ならその日にテキトーな場所にスペースを勝手に作って、道を歩いてる人にごちそうしちゃえ」って話になったのだとか。

ワインツーリズム実行委員会に届出もなにもしていない、まさにゲリライベントである。「笹本さん(ワインツーリズムの立役者)には秘密な」とか言って笑っていた。

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