射撃のコツ 海外の反応シリーズ

【海外の反応】センター照準でも大丈夫と誰か言ってください

投稿日:

ピストルの精密射撃は六時照準が基本です

これは、各種教本にもそう書いてありますしコーチもそう言いますし、実際に競技やってる人のほとんどはそうやって狙ってますので、「まあまあ、正しいやり方」といって構わないと思います。前後サイトを、上辺を横一直線になるように揃え、フロントサイトの左右とリアサイトの隙間を同じ幅にした上で、フロントサイトをターゲットの黒丸の下に、少し隙間を開けて持ってくるという狙い方です。

ただ、この「少し隙間を開けて」の部分については、けっこう個人差があります。フロントサイトをほぼ黒丸に引っ付けるくらいに近づける人、白い線が見える程度に離す人、もっと大きな隙間を開ける人、黒丸一個分くらい大きな隙間を開けてサイトを下に持ってくる人と、千差万別です。

私は……「白一線」くらいの隙間を開けたいと思っているのだけれど、なんか狙っているとフロントサイトがどんどん黒丸に食い込んでいって、黒丸の半径1/5くらい食い込んだあたりで撃発が起きるみたいなことがしょっちゅうで、これは悪いクセだと自覚しているので直したいと以前から思っているのだけれどなかなか治らない、そんな感じです。

海外射撃専門掲示板であるTargetTalkにて、どのくらいの隙間が適切なのかという話題でちょっと盛り上がってるトピックがあったので、紹介したいと思います。同じ六時照準でも隙間の開け具合で呼び方が変わるのですが、適切な日本語訳がないので、この記事については英語そのままで行きます。

左は問題ないと思いますが、中央と右の違いが重要です。フロントサイトを黒丸に張り付かせるのが6 o'clock照準、フロントサイト左右とリアサイトの隙間と同じくらいの幅を、フロントサイト上と黒丸の間に設定するのがsub6照準です。取り敢えず、この記事ではこの定義で行きますので、まずこの呼び方を頭に入れておいてください。

「10m射撃でセンター照準をし続ける」ことを私に納得させてください

TargetTalk:Can anyone convince me to keep using center hold for 10m?


  • 540点台から抜け出せずに苦しむ状況が長いこと続いています。
    私は、センター照準で撃っています。その方が実用的だからです。ターゲットのサイズや色に関係なく撃てます。
    けれど、心の底ではsub6照準のほうが正確に撃てるということを知っています。そこそこに長い射撃歴では何度かsub6照準に移行しようとしたことがあり、最長では3ヶ月ほど続けていたことがありました。センター照準よりも自分に合っていることも分かっています。
    しかし、うまく撃てなくなると、必ずセンター照準に戻りたくなります。そのほうがずっと安心できるからです。
    どなたか、センター照準でうまく撃ててる人はいませんか? センター照準でも、より高いレベルの射撃をすることが可能だと、誰か私に納得させてください。(シーマスター)
  • センター照準で撃つことはおすすめできません。私はそれが良いとは思っていないからです。
    十分にトレーニングを積めば、極端な話ターゲットペーパーの左下隅に照準を合わせて撃っても高いスコアを撃つことは可能だと思います。しかし私は聞きたい。なぜ、物事をより難しくするのか? コーチの言う事や教本に書いてあることに敢えて逆らおうとすることによって苦労することはたくさんあります。
    少なくても1970年代初頭から、sub6照準は精密なターゲット射撃に推奨される「最良の」アプローチでした。それ以前は、伝統的に6 o'clock照準が標的射撃に適した照準方法だと考えられていました(今でもそう教えてるところはあります)。
    MITの大学チームは、1970年にsub6照準を使用するように教えていました。予算も人材もはるかに少ないにもかかわらず、彼らは頻繁に6 o'clock照準を使用して射撃しているサービスアカデミーを打ち負かしていました。コーチは、彼らの成功の多くはsub6照準に大きな理由があると信じていました。(Gホワイト/アメリカ・マサチューセッツ)
  • ドットサイトを乗せたピストルで撃つときだけはセンター照準を使用ますが、それ以外の場合はsub6照準ですね。(タンゴハンマーリ/アメリカ・アイダホ州東部)
  • これから私が話すことは質問の主題とはあまり関係ないかもしれません。
    私は以前、「照準がどのくらいクリアーかつピントがあった状態になっているか」ということと、「自分自身の据銃能力」を比べた時に、どちらがどの程度大きな影響を与えるものになるのかを数学的に解析してみたことがあります。結論から言えば、腕の揺れを気にするよりも、トリガーを引くまで前後サイトを揃えて完全に保つことのほうが、ざっと3倍ほど重要です。
    センター照準の明らかな問題は、ターゲットの黒地に黒いサイトが重なってしまうため、ヒトの視力がモノをはっきりと見て位置合わせをする能力を阻害してしまうことです。
    また、フロントサイトをどの位置に持っていくかに気を取られてしまうため、前後サイトの位置合わせから注意を逸してしまいます。ターゲットを裏返しにして白紙で撃ってみれば、そのことを証明できます。あなたはおそらく、黒丸に黒サイトを重ねて撃っていたときよりも良好なグルーピングを見ることができるでしょう。そして、あなたの脳がどこに保持するかを簡単に理解することができることに気付くでしょう。(ジェットパワードチキン)
  • 「変化すること」そのものを目的として現状を変えようとするのは、愚か者のすることです。私はセンター照準で最も一貫したスコア、最高の平均、そして個人的なベストを撃ちました。
    最悪のショットを排除するために、すでに行っていることを改善する方法に取り組むだけです。7を撃ってしまったときはどんな状況でしたか? それらのうちの2つまたは3つを9に変換すれば、スコアは容易に550に届きます。センター照準、6 o'clock照準、sub6照準のどれでも、それを行うことができます。(ウィリアム/アメリカ・ニューハンプシャー州)
  • センター照準のもう1つの問題は、視力です。歳を取って視力が衰えてくると、若い頃よりもコントラストが低いという問題が発生する可能性があります。私は自分の目の低コントラストに対処できなくなったため、スポーツ/センターファイアの速射(普通はセンター照準をする種目です)で6 o'clock照準で撃つようになりました。黒の真ん中でやろうとせずに、明るい背景に照準を合わせるのに苦労しています。
    サイトピクチャーを作る際に最大限の対称性を維持するために、フロントサイトの左右にある隙間の広さを、黒丸とフロントサイトの隙間の広さとほぼ同じに保つ必要があります。
    人間の脳は「対称性」が大好きです。照準器とターゲットを3つの別々の可動部分として考えるのではなく、脳と筋肉をトレーニングして、上記の対称的なイメージを実現しようとすることができます。(Gホワイト/アメリカ・マサチューセッツ)
  • 私が射撃を始めたころ、sub6のエリア照準で撃つように教えられ、それを10年間続けました。一部の射場でエアを撃つ際に問題があったので、センター照準に切り替え、その後すべてのピストル射撃においてセンター照準をするようになり、2年以上それを続けました。スコアが悪くなるというようなことはありませんでした。
    明るい場所ではセンター照準でもなんの問題もなく撃つことができましたが、暗い場所では不利になることもありました。私はエアピストルに5.5mmのフロントサイトを使用しており、フロントサイト左右の隙間は広めにとっています。
    エアピストルにおいてセンター照準をすることの欠点は、フロントサイトの向こう側を動き回る毛皮のような黒い塊に気が散らされてしまうことでした。それは、目のピントをフロントサイトから引き離してしまいます。据銃が非常に安定していれば問題ありませんが、不安定な場合は大きな混乱要因になります。
    sub6、センター照準、どちらの方法でも快適に撃つことができます。18か月前にsub6のエリア照準に戻ったところ、スコアにほとんど変化がなく、より一貫性があることがわかりました。
    ※エリア照準……ターゲットの中心にある点ではなく、中心周辺の比較的広いエリアを狙うことを目的とする照準方法のこと
    フロントサイトを合わせるのに最適な領域は黒丸の下だと思いますが、一部の人にとってはサイトを「弾を当てたい場所」ではない場所に向けるという考え方を許容しづらいものがあります。私は3~6ヶ月ほどsub6照準を試したところで、以前と同じようにセンター照準に戻しました。
    どちらの照準方法でも、しっかりした技術があれば高スコアはでます。私は両方の照準方法で570点台まで記録しています。(KH250)
  • 少しブランクがありましたが再開して4ヶ月ほどです。以前は540平均くらいは撃ててたのですが、そのレベルに戻るのに約4週間かかり、その後伸び悩んでいます。自分の射撃を改めて見つめ返しているのですが、確実に言えるのはスコアを決める95%の要素は「トリガーをどれだけきれいに引けるか」次第だってこと、そしてそれはセンター照準ではできないということです。その瞬間、いともたやすく視線が揺れたりピントが外れたりします。黒地に黒を重ねようとするのは、それをますます悪化させます。私は今、まさにその認識を持って550点台にいます。(ウンガン)
  • どうにもセンター照準ではうまく撃てないので、再びsub6照準にしました。
    ですが、やはりsub6照準にも満足できいません。
    皆さんのやり取りを見た後に改めて確認してみたのですが、私のsub6照準は、「やり過ぎ」sub6照準だったっぽいです。フロントサイトと黒丸の間には、フロントサイトの高さと同等あるいはそれ以上に大きな隙間が開いています。時々は良い感じなのですが、時には非常に悪い。
    6 o'clock照準も試してみました。フロントサイトは黒丸の下部には触れず、フロントサイトの上縁と黒丸との間に常に薄いスペースがある状態です。この照準にしてからは射撃がより正確になりました。(シーマスター)
  • その照準方法は、「ライン・オブ・ホワイト」と呼ばれるものです。それは6 o'clock照準と同様にいくつもの問題点があります。そのうち最大のものは、その照準が目指そうとする(合わせようとする)ものは、誰もにとって十分に安定しているとは言い難いものだということです。
    sub6照準は「エリア照準」とも呼ばれます。据銃にサイズ(ぐらつき)があることを受け入れ、その状態で「ただ、撃つ」というものです。。
    あなたが最初にやろうとしていたsub6照準は、いささか低すぎた(サイトと黒丸が離れすぎていた)ようです。フロントサイトの左右にある隙間よりも遥かに大きな隙間をサイトと黒丸の間の作っていたということでしたら、あなたのこれまでの投稿の内容が腑に落ちるものになります。(Gホワイト/アメリカ・マサチューセッツ)
  • 私は、ずいぶん長いことセンター照準で撃ってきました。フロントサイトを明るいオレンジ色に塗ると、それは屋外射場ではいい感じに照準できたものです。スコアも悪くありませんでした。しかし、MLAIC(Muzzle Loaders Associations International Committee=米前装銃射撃連盟)が主催する大会に参加するようになると、ルールでフロントサイトに黒か白以外のペイントをすることが禁じられていたため、6 o'clock照準に変更せざるをえませんでした。それなりに良いスコアが撃てましたので、その後、別の銃を使うようになったときにsub6照準を試みました。
    私は今でも、センター照準に設定された銃(私の元のフリントロック式とパーカッションピストル)ではセンター照準で撃ちますが、基本的にはsub6照準が好みです。(マイクM)
  • 私は決してエリートシューターではないので、sub6照準の使用に簡単な個人的な詳細を追加することしかできません。私は、目のピントを合わせようとするのはフロントサイト上辺と黒丸の間にある隙間ではなく、フロントサイトの中心にするのが良いと思います。そうすることにより、私の視点はリラックスした状態で固定され、上下や左右にジャンプするようなことがなくなります。また、左右と上部の白い隙間の対称性を判断する能力が向上したように感じます。
    というか今まで全く試したことがないのでもっと話を聞いてみたいことがあります。「ターゲットペーパーの左下隅に照準を合わせて撃つ」ってどういうことですか?(オウル/アメリカ・メイン州オウルズヘッド)
  • >「ターゲットペーパーの左下隅に照準を合わせて撃つ」ってどういうことですか?
    それはジョークで書いてるだけだと思いますよwww(ブライアン・ガーリング/イギリス・スタッフォードシャー)
  • 私は生徒たちに、sub6照準が良い、さらに隙間を大きくあけるほど良いと判断してもらいました。最終的には、彼らはターゲットペーパーの下辺にサイトをあわせることになります。このやり方の利点の1つは、スポーツピストルの精密射と速射で照準を変更する必要がないことです。(Gホワイト/アメリカ・マサチューセッツ)
  • ターゲット(の四角)の下辺に合わせるやり方は、私が現在スポーツピストルに使用しているものと同じです。私は精度のためにsub6照準を使用し、スピードのためにセンター照準を使用していましたが、それは役に立ちませんでした。決して少なくない射手が、同じようにターゲットの下辺を照準位置として使用しています。
    実際に、私は10m射撃でも照準位置を低めに設定しています。ぼんやりした黒丸から可能な限りサイトを離します。視野から黒丸を可能な限り遠ざけるためです。そうすれば、黒丸を完全に忘れて、潜在意識の解放に集中し、空白の白い壁にドライファイアするかのように照準画像を見つめ続けることができます。ターゲットをまったく見ないようにして、視界の調整に完全に集中してください。潜在意識に対処させてください。それを実現しようと考えないでください。そうしないと、あっという間に何もかもがダメになってしまいます。(サードホイール/イギリス)
  • 実際のところ、サイトを合わせる位置を低くすることの唯一の問題は、ピストルの傾斜がある場合、横方向の誤差が狙いを定めるほど大きくなることです。射手が毎回同じようにピストルを垂直面に保つことができれば、問題はないはずであり、非常に低く狙うことの他の利点を享受することができます。(デッドリーディック/オーストラリア)

あきらかに基本とは違ったやり方、つまりセンター照準で撃ちたいという相談が書き込まれましたので、「それはダメです、基本通り六時照準で撃ちましょう」というアドバイスの嵐になるかと思いきや、意外にも「それで当たってるならそれでもOKじゃね?」って書き込みがけっこう多かった、そんなトピックになりました。

基本通り、基本通りってのを至上命題みたいにして必死で貫き通そうとするというのは日本人的な感覚で、アメリカ人やイギリス人(中にはオーストラリア人)なんかは意外に「それで当たってるんなら基本を大きく外れててもあんまり気にしない」って人が多いのかもしれません。

-射撃のコツ, 海外の反応シリーズ

Copyright© あきゅらぼ Accu-Labo , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.