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ロブ・リーサムに聞く射撃のコツ【海外の反応】

投稿日:2019年2月14日 更新日:

ロブ・リーサム。アメリカのシューティングスポーツ界において、「レジェンド」と呼ばれる人物です。画像はTHUNDER RANCHの広告写真

普段、このブログで扱っているのは「ISSF系」と呼ばれる射撃スポーツがメインです。精密射撃系とも呼ばれますね。比較的長めの制限時間で、1発ずつ丁寧にターゲットを撃っていき、合計の点数(どれだけ中心に近い場所にたくさんの弾を当てることができたか)で競うというものです。

これとは別に、ずっと動きがあってハデなシューティングスポーツがあります。セミオートのピストルを両手で持って、複数のターゲットを素早く撃ち、正確さだけでなくタイムをも競うというものです。IPSCを頂点として、スティールチャレンジやビアンキカップなど大小さまざまな大会があります。スピードシューティングなんて呼ばれ方をしています。月刊GunやArmsマガジン、コンバットマガジンといった銃器専門雑誌で紹介されることも多く、そういった雑誌の読者の間でよく知られている実銃を使ったシューティングスポーツというと、ISSF系よりもむしろこちらのほうが多勢になるかもしれません。

そのスピードシューティングの世界で、レジェンドと呼ばれるのがロブ・リーサムです。数えきれないほどの大会での優勝実績(Wikipediaによると、USPSAナショナル24回優勝、IPSCでは7回の世界チャンピオン)に加え、その人格の素晴らしさを表す数々のエピソードから、多くのシューターに慕われている人物です。スピードシューティング界に深く関わっている銃器ライターのヒカルさんやトモ長谷川さんが、彼のことを話すときの表情を見たことがあるでしょうか。憧れの人物について話す少年の顔そのままです。目がキラキラしています。

スプリングフィールドアーモリーに所属しキャプテンとして射撃チームを引っ張る一方で、メーカー主催のビギナー向け銃器取扱セミナーみたいなものにも積極的に顔を出し、より正確で安全な銃の取扱い方法について直々にレクチャーしてくれることも多いのだとか。

今回は、スプリングフィールドアーモリーの公式サイト内にある、ロブ・リーサムによる初心者向け講座の一部を紹介したいと思います。ISSF系射撃とは異なる部分も多いのですが、根本的なところは意外と似ていて、いつも聞いている(心がけている)ことと全く同じことを言っている部分もあったりするのが面白いですよ。

ロブ・リーサムに聞く射撃のコツ

引用元:SPRINGFIELD ARMORY : WITH PRO SHOOTER ROB LEATHAM


トリガープルのテクニック

「トリガーを引く」ということは、オペレーターが銃器に装填された弾を排出するために行う動作です。概念は非常にシンプルですが、ほとんどのシューターに問題を引き起こします。それは経験豊富なシューターであっても例外ではありません。

まず最初に、基本となる点を挙げましょう。

  • 適切なグリップで銃をしっかりとホールドします。
  • ターゲット上にサイトを並べます(サイトアラインメント)。
  • トリガー・フィンガーの指先にある膨らみの頂点(指紋の渦の中心点)をトリガーに載せます。
  • トリガーを後方に向けて、スムースに圧力を加え始めてください。トリガー・フィンガー以外の全てが動かないように、あるいは動くとしても可能な限り最小限になるようにしてください。
  • トリガーに十分な圧力を加えることにより、銃のストライカー(あるいはファイアリングピンやハンマー)が動き、銃は発射プロセスを開始し、弾が発射されます。それはしばしば、「シューターが気づかない」ところで起こります。

いくつもの出来事が銃の中で発生し、発砲に至ります。あなたがコントロールできるのは、トリガーを引くことです。もし正しくそれを行えば、あなたの手やサイトピクチャーは動かないまま、ピストルはあなたが意図した場所へと正確に弾丸を発射します。

しかし、銃を発射する瞬間の前またはその瞬間に「ジャーク」や「フリンチ」を起こすと、弾着は意図したところ以外のどこかにできることでしょう。

私の経験では、良いトリガープルは、良い射撃をするための最も重要な側面でこそないものの、その一つであることは確かです。

本気で射撃に取り組んでいるシューターは、極めてたくさんの時間をトリガープルの習得に費やしています。トップレベルのシューターともなれば、銃をびくとも動かさないままにトリガーを引くことが可能です。

初心者はトリガーに加える力を突然増やすような引き方をしてしまいがちです。そのため、照準を外した状態で弾を撃ってしまい、目標を外すことになるのです。

「狙いを付けて、トリガーをゆっくりとスクイーズ(絞る)ようにしなさい」という古い格言があります。これは初めて射撃をする初心者にとっては完璧といっていい指標になります。

シューティングスタンス

「どのように立つか」ということは、体調や環境によって大きく左右されます。しかし、シューティングスタンスを作り上げる際に重要になるキーポイントというものは数点だけです。

人間が最も快適だと感じるのは、両足に同じように体重がかかり、母子球よりもカカトの方に体重がかかっている状態です。その状態で筋肉が体重を保持するときには、関節は完全に伸びるかロックした状態になっています。そのため、直立状態に保つために必要な筋肉が最低限となるのです。しかし、これはハンドガンを制御し迅速に射撃するためには、決して最適な位置ではありません。

腕の位置:
可能であれば、腕を完全に伸ばす必要があります。しかし必ずしもロックアウトする必要はありません。肩はリラックスしていなければなりません。耳の横に肩が来るようなポジションは誤りです。

脚と足の位置:
前後について…ストロングハンド側の脚は、もう片方の脚から、12~18インチほど後方に位置します。この幅は、それぞれのシューターのバランス、体重、体力レベルによって異なります。
左右について…通常、両足を置く位置の幅はヒップ部分の幅と同じにすると快適で安定します。

膝については、曲げる人、伸ばしてロックした状態にする人などさまざまですが、私は通常は少し曲げます。

ボディの位置:
胴体は、ウエスト部分を前方へわずかに屈曲することで、少しだけ前傾させます。ウエスト、ヒップ、または肩の部分を後方に曲げてはいけません。 肩は常に腰の前方にあるべきです。

バランス:
銃の反動に対処するため、体重は若干前方にバイアスしていることが必要です。理想的なポジションは、発砲の反動によって発生する後ろ向きの力に対してアクティブに対抗できる形になるものです。それを実現することにより、銃を適切に制御し、反動による銃口の上昇から素早くターゲットに戻すことができます。銃を意識的に押して戻すようなことは決してしないでください。バランスを崩す原因になります。もしそういう状態になるようでしたら、身体の前後バランスをより前方に移動する必要があります。

グリップ:
銃をしっかりと握ってください。あなたが思っているよりも強くです。これは私の経験上、初心者シューターが陥りがちな問題です。グリップについては、別の記事で詳細に説明されています。

サイトアラインメント

サイト(照準器)とは、銃器をアライニングしたりエイミングしたりするのを助けるためのデバイスであり、通常はフロントとリアの2つのコンポーネントで構成され、それらを整列させることによって照準を行うものです。

極めて単純に言えば、サイトとは、銃が指し示している場所を示すものだと言えます。銃で何かを狙うときには、我々はそれを使用します。

サイトは、スライド前方にある小さな突起(フロントサイト)と、スライド後部にあるノッチ付きのブレード(リアサイト)で構成されています。様々な種類のサイトがありますが、スプリングフィールドアーモリー製ピストルのアイアンサイトは全てが「ポスト・アンド・ノッチ」なので、それを前提にして話を進めます。

サイトには何種類かの大きさ・形・色のものがあります。いくつかは完全な黒色で、それ以外は集光ファイバーチューブが埋め込まれていたり、塗装されたドットを備えていたりします。暗闇の中で輝くインサートもあります。ほとんどのシューターは、すぐに特定の一種類のサイトをお気に入りと定め、銃の購入の際にはそのサイトが付いていることを前提にして選ぶようになります。

サイトを合わせる:
サイトとターゲットを適切に重ね合わせることで、射撃したときに弾丸が飛んでいく方向または正確なロケーションおよびポジションが分かるようになります。多くのシューターは、これを「サイトピクチャー」と呼んでいます。

では、どのようにしてパーフェクトなサイトピクチャーを作り出せば良いのでしょうか?

  • 適切に銃を握り、腕の長さでそれを保持します。
  • リアサイトのノッチにフロントサイトポストを視覚的に揃えます。
  • リアとフロントのサイトの上辺は同じ高さにあるべきです。
  • フロントサイトの側面とリアサイトのノッチの内側にある垂直エッジとの間の光のギャップは、左右ともに等しくなければなりません。
  • フロントとリアサイトを整列させたら、弾丸を命中させたいターゲットの上にサイトを置きます。これでいつでも射撃をする準備ができました!

サイトをアジャストする:
私たちが使用する銃のサイトは、適切に合わせて撃った場合にはフロントサイトの頂部に弾が当たるように調整されています。多くのピストルには、着弾位置を変更するための調整が可能なサイトが備えられています。


スピードシューティングの代表格であるIPSCでは、少なくても上位に入ろうとするのならば、ある程度以上のパワーがある銃を使用することが必須となります。パワーが強く、反動もキツいハンドガンを目にも留まらぬスピードで連射するわけなので、一発ずつ丁寧に撃つISSF系射撃とは異なる「反動への対処」という技術が必要になります。

反動を抑え込もうとして銃を前方に押し付ける動きをしながらトリガーを引く「フリンチング」という癖は、スピードシューティングでは特に厄介な悪癖となります。トリガーを引くと同時に銃を無意識に下方へと押し下げてしまうので、意識では前に向かって弾を撃っているのに弾が当たるのはターゲットよりはるか下方、下手すると地面に砂埃を立てるだけという結果になってしまうのです。

射撃姿勢を作る際に、上半身を前傾にして体重を前方に傾けることで、反動を姿勢でそのままダイレクトに受け止め、その後は自然に元の位置に戻るという撃ち方が「推奨される姿勢」として挙げられています。跳ね上がった銃を意識的に元の位置に戻そうとするのではなく、自然に元の位置に戻るようにするという意味ですね。

簡単に言ってくれますが、これって実のところ、相当に難しい技術です。ガツンと激しい反動がくることがわかってるんですから、それに対処しようとタイミングを合わせて前のめりになっちゃうのは、そりゃもう人間の本能として当然の動きです。それに逆らい、くることがわかってる反動のことなど何も知らないように、全くなんの反応もせずにダイレクトにそのまま受け止めろって言ってるんですから。本能の一つを殺せ、生物としてありえない動きをしろって言われてるようなもんです。

その「とてつもなく難しい技術」を習得するのに有効な手段が、反動がない、あるいはほぼゼロに等しい銃を使って徹底的に練習し、「反動に対処しない撃ち方」を骨の髄まで染み込ませることなのだそうです。具体的には、日本製のガスブローバックを使っての練習です。これが極めて有効であるという話は、複数のルートから聞くことができましたのでおそらく事実だと思います。

よく、「エアガン(玩具銃)での練習は、実銃を撃つときに役に立ちますか?」という質問に対し、「反動に対処する練習ができないので無意味です」って回答する人を見かけますが、ここまで書いてきたことを考えるとこの回答は全くの的外れなものであるということになってしまいます。エアガンでの練習は非常に有効である、なぜなら、それは反動に対処しないで撃つ練習ができるからということになるからです。反動に対応しようとする身体の動きなんてのもは、銃を撃つ上で邪魔になることはあっても有効なものではなく、間違っても身に着けなければならない必須技術なんかじゃないってことなんでしょうね。

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