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試合直前に練習【海外の反応】

投稿日:2017年4月5日 更新日:

普段ぜんぜん練習してないのに、大会直前になっていきなり丸一日ぶっ通しで練習して「よし、たくさん練習したぞ」とか言って本番に臨む……なんてのが良くないやり方だってのは言われずともみんなわかってると思います。普段からの積み重ねがなにより大事です。

なら、本番直前はどのくらい練習したら良いのでしょうか? 前日は練習を休むほうが良い? それとも普段どおりに練習したほうが良い?

「ある程度撃って、少し疲れてきたあたりが一番良い点が出る」というのは射撃をやってる人だと「あるある」な話だと思いますが、ということは、試合前もある程度撃っておいて少し疲れた状態で本番突入という形にすれば良いスコアが出たりするんでしょうか?

ここらへん、なかなか正解が出ない難しい部分だったりします。それにたとえ「正解」があったとしても、大会によっては試射エリアなどが十分に設けられておらず、ほとんど試射できない状態でいきなり本番に入ることになったりするものもありますから、いつもその「正解」どおりの手順を踏めるとは限りません。

そういったことについての話題が、海外射撃専門BBS「TargetTalk」で盛り上がっていましたので一部を抜粋して紹介してみたいと思います。

試合前の試射による影響について

引用元:Impact of holding exercises in the match(TargetTalk)


  • こんにちは、みなさん。
    私の練習方法ですが、まず最初に40~45分の据銃練習(25秒構えて30秒休むというのを5回行い、その後1分休憩、その繰り返し)を行います。その後、空撃ち練習と実射練習を始めます。据銃練習してから空撃ち/実射練習を始めるまでは5~10分程度しか間が空きませんので、私は練習では銃を持つ手が非常に安定し、良い射撃ができます。
    しかし試合における競技進行手順はそれとは違います。大会主催者が据銃練習用の場所を設けてくれている場合でも、据銃練習を終えてから実際に撃ち始めるまでは30~45分もの長い待ち時間があります。
    試合の開催場所が遠距離の場合はさらに問題は悪化します。主催者は、据銃練習をしたり空撃ち練習をしたりする準備時間として約15分を与えてくれますが、そんな短い時間では手が安定してくれません。そのため最初のシリーズはさんざんな結果となってしまい、後半でなんとか盛り返すというのがいつものパターンになっています。
    長い間、私はそういう結果が出るのはマッチプレッシャーが理由だと思っていましたが、ふと思いついて練習時間にも大会と同じスケジュールで撃ってみると似た感じのスコア(つまり、ひどい結果)になることに気づきました。
    こういう進行スケジュールの大会に参加した際に、手を安定させるために何かできることはありますか? もっと据銃練習に時間をかけたほうが良いのでしょうか? マッチシーズンが来月から始まることもあって、いまちょっと切羽詰まっています。(ハンドル名:フォースの覚醒…国籍不明)

 

    • トイレの個室を使ったら?(スコッツデールアリゾナ州)

 

    • 私の経験から言わせていただくと、試合直前に筋肉を疲れさせるような活動をすることは逆効果です。大事な試合の数日前からは、強度が高いトレーニングは中止することをお薦めします。
      あなたが、据銃練習によって得られる利益だと思っているものは、ウォーミングアップとストレッチによるものであって、据銃練習そのものによる影響はわずかなのではないかと私は思います。
      一例ですが、私の腕の筋肉には筋痙攣クセがありますが、射撃前に十分に前腕上部の筋肉を伸ばすことによって試合中の痙攣を防止できます。具体的な方法は、銃を持つ方の腕を真っ直ぐ前に伸ばしてからその腕に下向きの力を加えるというものです。ピストルの重さを使うこともできますが、もう片方の腕や射座にある机の縁を使うこともできます。
      以前、ピストルシューティングのためのストレッチングエクササイズ方法をどこかで読んだことがあります。それほど変わったことをしているわけではなく、かなり一般的なものでした。多分、誰かがリンクを貼ってくれるんじゃないかと思います。(マサチューセッツ州)

 

      • それはあるかもしれません。まずストレッチで筋肉を温めてみてから撃ってみます。(フォースの覚醒)

 

    • 私も、あなたと同じ悩みを持っています。ウォームアップはあまり助けになりません。1時間射撃を行ったあとのシリーズスコアは非常に良くなる、これは何百回もの例で一貫して確認できたことです。今年の1月には2回の練習において、その日の最後のシリーズを99で終了しました。練習開始時には90を少し上回る程度ですが、約1時間後にはシリーズ95超を撃てるようになります。競技ではそれほど時間がないので、せいぜい370ちょっと……あるいは、それにちょっと足りないくらいで競技終了となってしまいますが。マッチプレッシャーとは全く関係がありません。試合の最後のシリーズで一番良く撃てるのは、練習でもちょうどそこが一番良く撃てるあたりだからというだけの話です。
      練習を開始してすぐにうまく撃てたという経験はこれまでに一度もありません。
      思うのですが、血糖値は何らかの関係があるんじゃないかと思います。筋肉が疲労するのと引き換えに活性化する「何か」があるような気がするのですが、よく分かりません……。とりあえず言えることは(最初に書いたとおり)、練習の最後の方になるとやたらと良い点がでるというのは一度や二度じゃないってことだけです。
      正直なところ、他のスポーツで競技者がウォーミングアップに何時間も費やすというのは私にはどうにも理解ができません。(ドイツ)

 

    • >まず最初に40~45分の据銃練習(25秒構えて30秒休むというのを5回行い、その後1分休憩、その繰り返し)を行います。その後、空撃ち練習と実射練習を始めます。
      据銃練習と、空撃ち&実射練習は別の日にやったほうがいいかもしれません。
      その練習方法は、「実射練習の前には、長い据銃練習&空撃ち練習が必要である」と自らの意識に植え付ける結果になっている可能性があります。
      別の新しい方法として、ある日は空撃ち練習だけを行い、別の日には少しの空撃ち練習と実射練習をする、というのはどうでしょうか。ときには、銃を手にしてすぐに空撃ち練習なしで実射練習を行い、いったん射座を離れてから戻りまた撃つという練習方法も試してみて下さい。ライフルシューターの間で行われている「UP/DOWNS」という練習方法です。
      >ウォームアップはあまり助けになりません。1時間撃ったあとは良いスコアになります
      それは多分、精神的な問題です。一度低い点数を撃ってしまうと、心配事がなくなり「ただ撃つこと」に集中できるようになります。(ホワイトサルファースプリングス・MT・USA)

 

  • 射撃は「メンタル・ゲーム」だといわれています。
    あなたは「メンタル」ですか?(スコッツデールアリゾナ州)

 

    • 100%、フィジカルなものですね。シリーズで悪い点を撃ったからといって、特にトレーニングでは感情的に1ビットたりとも影響していません。
      銃を標的方向に向けたとき、銃をホールドできてるエリア(SCATTが表示するラインみたいなもの)を感じることができますので、撃った弾がどこに着弾するのかは撃つ前からすでに分かっています。トレーニングの終盤では常に10リングの内側にあるか全く動かない状態ですが、最初の50~60分は10リングよりはるかに大きく、悪い日には7くらいまで広がってしまいます。
      だから、あなたが問題を解決できたのならば、それは私にとっても素晴らしいことです(笑)。思うに私は血糖値とか、ATPとか乳酸だとかなんとか、そんなのが関係してるんじゃないかと思うのですが……(わからん!)。(ドイツ)

 

  • 大抵の大会では、据銃練習するための専用スペースが設けられています(主催者はその義務があります)。銃ではなく別の持ち物でも筋肉を覚ますことができます。私は個人的には、ストレッチは行うべきではないと考えています。試合中には行わないような動作を試合前にあえて行うべきだとは思えません。
    試合中に疲労するというのは大した問題ではないと思います。私の個人的な意見ですが、それだけ練習をしていれば1時間45分を撃ち切ることはそれほど難しい仕事じゃないと思います。
    ただ、試合のために長距離遠征しなきゃならない場合は……もしマジでやるなら大会の2日前には現地着しておくべきなのでしょうね。(アオテアロア/ニュージーランド)

 

  • フォース(力)があなたと共にはないことを、あなたに教えているのではないかと思います。「射撃はメンタル・ゲームである」という意見に私は同意します。興味深い記事があります。
    射撃は90%がメンタルである(NRAシューティング)
    (コスタリカ)

 

brain訳者注:このNRAシューティングの記事、ざっと読んでみたのですがマッチプレッシャーをどう扱うかということについて非常に有用な記事に見えます。よくあるメンタルトレーニング本にありがちな「一人、または数人の経験豊かな競技者による経験談」にとどまらず、数多くの例を元にした統計学的な研究や脳科学の分野からの知識などを総動員して、「射撃におけるメンタルとはなにか」ということを解き明かそうとしている記事ですね。軍隊、それもトップエリートが集まる特殊部隊での兵士の訓練過程において恐怖をどう克服するかという研究からのフィードバックもあるようです。いつか簡単にでもいいので翻訳して紹介してみたいと思います。

 

  • 劇的に改善できる特効薬めいた方法がなくても、とにかく私は練習を続ける必要があります。マスター・ヨーダも「もしも修行をやめて、ダースベイダーのように手っ取り早い簡単な道を選んだら、悪の使いになる」と言っています。(フォースの覚醒)

 


スターウォーズネタが連発されててちょいと面食らいますが、これについては特に注釈無しでも通じますよね?

「長距離遠征の場合は、本番2日前には現地到着するくらいで行け」ってのはなかなか。つい先日、藤枝であった大会で、自分の射群が夕方スタートだったんで「昼に出ればOKだろう、余裕を見て朝に出ておくか」とか思ってのんびりしてたら(3連休の初日だったこともあって)大渋滞に巻き込まれて、試合開始直前ギリギリになって到着してしまったために、というかそれ以前の問題として6時間超の運転直後でヘロヘロになってたせいで残念な結果になってしまったという経験をしたばかりだったんで胸に響きましたよ!


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