実銃射撃 海外の反応シリーズ

この銃、クソ銃!【海外の反応】

投稿日:2018年1月9日 更新日:

MG5 mecc
現在、所持許可申請中のフリーピストル、Matchguns MG5。ウキウキで手にする日を指折り数えている状態なわけですが、極めてショッキングな記事がTargetTalkに掲載されていました。

私が射撃競技ってものに興味を持ったのは――いや正確に言うと「銃を撃ってターゲットに当てるという行為がスポーツとして行われているということ」を初めて知ったのは、1980年代の半ばの月刊Gunに掲載されたヘンメリー製フリーピストルの記事でした。ライターはもちろんTurkさんです。

それまで「ピストル」と言ったらワルサーP38だとかコルトガバメントだとかの軍用拳銃しか知らなかったところに、手の周りをぐるりと覆う奇妙奇天烈な形をしたグリップの先に細いバレルがゾロッと伸びている単発の小口径ピストルは、それはそれは衝撃的で、同時に魅力的な存在に思えました。

そういうわけで、フリーピストルは私にとって射撃競技の原点みたいなものです。ピストル射撃を始めた理由の一つ、それもとても大きな理由の一つに、「いつかはフリーピストルを撃ってみたい」ってものがありましたから、ついに4段をゲットしてフリーピストルの推薦申請を出せる身分になったときは、10代の頃の夢が一つ叶ったようなものですからそりゃもう嬉しいなんてものじゃありませんでした。その直後にオリンピック種目からフリーピストルが消えてしまうというショックな事件が起こりましたが……。

なんやかんやあって現時点でまだ所持はできてはいません。とはいえ現在申請中の所持許可申請は多分問題なく通るでしょうし、今度こそ輸入も問題なく通るでしょうから、今年の半ばごろにはついに念願の装薬拳銃持ちの仲間入りとなるはずです。

所持許可申請を出しているのは、月刊Gunの記事にあったヘンメリーではなく、新興メーカーである「Matchguns」の「MG5」という銃です。新興メーカーといっても創業者は競技用ピストルでは最も高い評価を受けているメーカーの一つであるモリーニ社の創業者でもあるチェザーレ・モリーニ氏。そのモリーニ氏が独立して新しく作ったメーカーがMatchgunsというわけです。オリンピックではまだメダル獲得はされていませんがヨーロッパ選手権などでは何度か優勝もしているとのことで、性能的には問題ないでしょうし、なにより現在フリーピストルでは圧倒的大多数シェアとなっているモリーニCM84Eがいくらなんでも設計が古くなりすぎているということで、これから何十年か付き合っていくことになる銃としては冒険してでも新しい製品を手に入れておきたい、という目論見もあったわけです。

日本で最初、もしかしたらアジアでも最初の所持者かもしれないので、ノウハウもなければ他の所持者にアドバイスを求めることもできず、何が起きても自己責任でなんとかしなきゃならないという茨の道が目の前にありありと見える状態ではありますが、それはまあ仕方のないことです。購入予定なのは電子トリガーのモデルではなくメカニカルトリガーですから、いざとなればちょっとした部品くらいなら自分で作るくらいのことはできるだろうしなんとかなるだろう……という気持ちも、他に所持者が居ない銃を買う決心を後押ししてくれました。なんといってもモリーニさんが作った銃なら性能的には問題ないでしょうし!(2回目)

と思ったら、海外の射撃競技専門掲示板である「TargetTalk」にて、けっこうショッキングな投稿がありました。MG5を購入したものの、まともに撃つことができず、かなり手を入れて解決の道を探したのだが徒労に終わった、という怨嗟の書き込みです。

この日本で、この記事が役に立つのはたぶん私しかいないだろうという、「需要がないにもほどがある」記事になりますが、90%くらいは自分のために簡単にMG5に関する部分を抜粋して翻訳してみたいと思います。

この銃、クソ銃!

引用元:TargetTalk(I hate it!)


  • 私のMG5フリーピストルは、まさに高価な文鎮です。いまだかつてただの一度たりとも、確実に発射することができませんでした。最初は80%以上もの確率で、トリガーを引いてもファイアリングピンがリリースされない状態でした。セッティングをやりなおしたところ、トリガを3回ほどカチカチと引けば50%ほどの確率でファイアリングピンがリリースされるようになりましたが、その打撃力はかなり弱いものです。射撃後に空薬莢を見ると不吉な膨らみが生じています。
    ドライファイアはとても大切な練習ですが、それが良いとされるのはそれが意図的に行われる時だけです。この銃を試合(あるいは練習でも)に使おうとすると、否応なしに大量のドライファイアを行わされます。3発撃つために20回も銃を上げ下ろししないとならないわけですから、かなりのトレーニングになります。
    MG5は、バランスもグリップも、(上記の問題がなければ)トリガープルでさえ素晴らしいものです。ただ、実際に弾を撃つための銃としては使いものにならないというだけです。(アメリカ・ペンシルバニア州マウントジョイ)

 

  • それって、エレクトリック・トリガーのモデルですか?(国籍不明)

 

  • いいえ、メカニカル・トリガーです。(アメリカ・ペンシルバニア州マウントジョイ)

 

  • MG5は、経験豊富な競技銃のユーザー(察するにあなたもそれに該当しそうですね)ならば、比較的簡単に分解して内部パーツにアクセスすることができます。あなたは問題を解決しようとしましたか? あるいは、腕の良いガンスミスにトラブルを見てもらったりしましたか?
    私はMG5を所有して数年になり、数え切れないほど発砲したことがありますが、万全に作動しています。記憶にあるかぎり、ミスファイアを起こしたことは一度としてありません。
    射撃後の空薬莢が膨らんでいるとのことですが、カートリッジは適切に(十分に深く)チャンバーに入っていますか? カートリッジが適切にチャンバーに装填されていないと、銃は発射されないように設計されています。一種の安全装置です。
    ヘッドスペースを測定することをお勧めします。空薬莢に顕著な膨らみが生じているという話から察するに、ヘッドスペースが間違っている可能性があります。ヘッドスペースがタイトすぎるようでしたら、チャンバー(またはチャンバーコーンのみ)をわずかにリーマ加工してもよいでしょう。(国籍不明)

 

  • 私はこれまでに数え切れないほど自分のMG5を分解し、組み立てしてきました。MatchgunsのStefanoはとても親身になって相談に乗ってくれまして、問題点を見つけるために部品交換をするなど、Eメールを通じて何度もやり取りをしましたが、結局はギブアップしてしまいました。
    ヘッドスペースは問題ありません。問題点があるのはおそらく、エクストラクターのノッチが深すぎることにより、ケースサイド/ショルダーがサポートされていないことだと思われます。バレルを後方に動かせばエキストラクターは軸を中心に少し回転して良い位置にタッチするようになりますが、ボルトが閉じなくなってしまいます。
    打撃力がやたらと弱い理由については、チャンバー・ショルダーの加工が深すぎるため、ボルトが完全に閉じていてもカートリッジがチャンバー・ショルダーに接した状態にならないのが理由ではないかと、私は推測しています。ファイアリング・ピンがケースを叩くエネルギーの大半が、プライマーへの打撃ではなく、中途半端にチャンバーに入ったカートリッジを押し込んでショルダーに押し付けることに費やされているのです。何発か撃つごとにチャンバー・ショルダーを清掃してきれいにして、弾を装填するときには親指で力を入れてカートリッジを押し込むようにすれば、打撃力不足の問題はほぼ解決することができます。
    しかし、ファイアリングピンがリリースされない問題や、射撃後のカートリッジに膨らみが生じてしまう問題は解決されません。(アメリカ・ペンシルバニア州マウントジョイ)

 

  • Matchguns社のStefano C.は、MG製の銃のオーナーにとって銃器のトラブルを解決するための、最も役に立つ相談相手です。

    私が思うに、解決のためには2つの選択肢があるのではないでしょうか。

    1.バレルを数分の1インチだけ後退させて、チャンバーを再リーミングして、エキストラクターのスロットを正しい形にミル加工する。

    2.交換用バレルを入手する。おそらくMGが自社で作っているわけではなく下請け業者のミスではないかと思われます。多分、交換用のバレルは格安で入手できるのではないでしょうか?(オールド・ヨーロッパ)

「マジかよ……」ってのが読んでて最初に思ったことです。「私のは全然問題ないよ?」って書いてくれてる人もいるにはいるのですが、ダメだったよって言ってる人の書いてる内容が実に具体的で信用がおけそうな感じだったりするのがまた困りものです。メーカーの人とメールのやり取りをして解決方法を探ったけれども、結果としてダメだったって書いてるところが、また絶望感を煽ります。

この人が自分のMG5のトラブルの解決方法について相談している別のスレッドがありましたので、次回はそれを取り上げてみたいと思います。ざっと読んだのですが、かなり厄介な症状だったようです……。

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