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アメリカ向けに生まれ変わったロシア製の銃

投稿日:2022年3月6日 更新日:

前回に引き続き、IZH-46Mについての話題です。

ロシア製の銃が購入できなくなった北米において、それでも人気があるIZH-46M。現在、IZH-46Mを購入しようとして検索すると現れるAV-46Mという製品は、IZH-46Mとどういう関係がある、どういう位置づけの製品なのか? ということについて、アメリカ・オハイオ州にある空気銃を中心としたアウトドアスポーツ&ホビー専門サイトである「ピラミッドエア」で詳しく解説しているところがあったので、今回はそこを参考にした記事となります。

AV-46Mシングルストローク・空気圧式の競技用エアピストル

引用元:Pyramydair.com "The AV-46M Single Stroke Pneumatic Match Air Pistol"
著者:トム・ゲイロード(BB Pelletier)

パート1・アウトライン

AV-46Mは、IZH-46Mがアメリカのマーケット向けに生まれ変わった競技用エアピストルです。

これは、私たちのようなエアガン好きの多くが、何年もの間「こういうのが欲しいんだよぉ!」って叫び続けてきたピストルです。この銃はIZH-46Mピストルですが、IZHから輸入したものでありません。Air Venturiはこの「AV 46-Mターゲットエアピストル」の製造と購入について、ロシアの非軍事バレルメーカーであるAlfa Precisionと交渉し、実現しました。つまり、アメリカに輸入することは合法です。現在販売中です!

Alfa Precisionのことを知っているエアガンシューターはそれほど多くないかもしれません。このメーカーはハンマー鍛造の銃器とエアガン用バレルの製造について、驚くべきレベルの精度を示しています。

Air Venturiはエアガンシューターの間ではよく知られているブランドです。何年にもわたって、私は彼らのエアガンや高圧エアコンプレッサーなどをテストしてきました。メーカーのサポートを受けられるというのは良いニュースです。サポートとはこの場合、部品、サービス、情報を意味します。そして今、みなさんの心に浮かんだ質問にお答えしましょう――この銃は、中古なのにべらぼうに高価になってしまっているIZH-46Mと同じくらい良いものなのでしょうか? やらなければならないテストはたくさんありますが、これまでの数時間試して見た範囲では、「はい、そのとおりです」と言わざるを得ません。

AV-46Mは、シングルストロークの空気圧式10m競技用ピストルです。ピストルをチャージするには、長いアンダーレバーを前方に止まらなくなるところまで引き、その後レバーを少し強く引くことでコッキングを行います。コッキングを行うとブリーチ後部が真上にフリップアップし、競技射撃用のワッドカッター弾が非常に簡単に装填できるような形になります。ブリーチを閉じて発射します。1回のポンピングで、エアピストル用の軽量弾で約480fpsの初速に適しているはずです。

※訳注:AP用軽量弾は0.5gくらい。480fpsは146m/sくらい。ジュールにすると5Jちょっとです。競技用エアピストルとしてはごく普通の威力ですね。
ポンプレバーはググーッと前方まで展開してピストルをコッキングします。レバーを戻すことでポンプストロークの支点は常に同じ場所(最適な位置)に固定されます。
レバーをコッキングするとブリーチ後部がこのように立ち上がり、弾が装填できるようになります。

ポンピングできるのは1回だけです。2回目のポンプストロークを試みると、最初のストロークからのすべての空気が失われます。それがシングルストローク空気圧と呼ばれる理由です。

弾を発射せずにトリガーを引くことをドライファイアと呼びます。すべての本格的な10m競技用ピストルはドライファイア機能を備えている必要があります。46Mでは、ブリーチを前方に引いてロックを解除し、メカニズムがコックされるまでブリーチブロックをまっすぐ引き上げることでドライファイアを行うことができます。ブロックをブリーチカバーの下の閉じた位置に戻すと、ドライファイアの準備が整います。競技シューターは、通常実際に弾を発射する5倍の数のショットを毎日ドライファイアで発射します。

46Mポンプ機構の主な特徴の1つが、支点がスライド式になっているためポンプストロークに必要な労力が軽減されていることです。軽い力でポンプできるのに500fpsに近い初速が出ます。マニュアルには480fpsと記載されていますが――読者の皆さんは私がこの銃を実際にテストしたことを知ってるはずです。また、私はある「シークレット」を知っています。それは初速をちょっとだけブーストするものです。

BBエアガン大好きな皆さん!私もBBエアガンは大好きですが、同時に私は10mピストル射撃の競技シューターでもあります。そのため私は競技用ピストルについてもスペシャルな感謝を持っています。この新型46Mは、多くの人が「これこそが市場で最高のターゲットピストルだ」ということを知ってる銃をテストする機会を私に与えてくれました。

まだまだ書きたいことがあります。そもそも、アルファプレシジョンは何をしている会社なのでしょうか? そうです、彼らはバレルを作ります。私が知る限り、彼らが製造するバレルは極めて高精度だと高い評価を受けています。そして、AV-46Mのバレルは、そのアルファプレシジョン製なのです。

それだけではありません。多くの競技シューターががIZH 46と46Mに対して持っていた不満点を覚えていらっしゃいますか? そうです、グリップです! IZHのグリップはとても細くて小さく、いいようによっては「当たり障りのない」ものでした。ただ撃つだけなら問題ありませんでしたが、FWBやワルサーの10mピストルと同レベルのものとはお世辞にも言えないものでした。ところで皆さん、このピストルのグリップについて何か特別なことに気づきましたか? そうです、これは無垢の木から作られたものではありません! 実際、このグリップはフィンランド製とのことです。

IZHで競技射撃をしようとすると、グリップをパテでモリモリにする必要に迫られたものでした。このおしゃれな新しいラミネートグリップには、少しばかり必要のない箇所を削り取る必要はあるかもしれませんが、それでも見た目は「パテ盛りだらけのおぞましいシロモノ」にはならずに済むはずです。

そして最後にトリガーについてです。IZH 46 / 46Mのトリガーは決して悪いものではありませんでしたが、完璧にはほど遠いものでした。10m競技シューターであれば、セカンドステージでクリープ(シアが外れる途中のズルズル感)を感じることができました。これまでのところ、私が調べているAV-46Mピストルのトリガーは完璧です。ノー・クリープ!

ピストルが私の家に到着したとき、セカンドステージは310gでブレーク(シアが切れること)しました。それは素晴らしいトリガーですが、試合にそのまま使うことはできません。ルールで、トリガーは500g以上でブレークすることと定められているからです。調整して、524gでブレークするようにしました。

AV-46Mのサイト調整のクリックはポジティブで、戻り止めがあり完全に調整可能です。ターゲットピストルが備えているべきサイトそのものです。しかし、それだけではありません。リアサイトブレードには幅の異なる2つのノッチがあり、ブレードを上下にひっくり返すことでノッチ幅を好みに合わせて選択できます。さらに幅の異なる別の2つのノッチがある2番目のリアサイトブレードが付属しているため、合計で4種類のノッチ幅が選べることになります。

※訳注:これはアイデアだなあ……。追加コストほとんどなしで「ノッチ幅が調整可能なリアサイト」が実現できてしまうわけで。APS-3のLEモデルにも応用できるのでは?

フロントサイトも、幅の異なる3つの交換可能なブレードが付属します。これらは、腕の長さ、視力、およびブレードとノッチのフィットに対する個人的な好みを最適化するために、後部のノッチに一致させる必要があります。

AV-46Mのリアサイトは、世界クラスの10m競技用ピストルに求められるすべてを提供します。
もともと銃に取り付けられているものの他に、これだけの交換用サイトブレードが付属します。

AV-46Mの重量は1,181グラムです。それは最近の一般的な10m競技用ピストルと比べると重い部類に入ります。今日のほとんどの世界クラスの競技用ピストルは1kgを少し切るくらいの重さです。このピストルの重量は、数十年前のFWB65/80/90と同じくらいになります。もちろん、現代のピストルにはすべてのシューターを満足させるために、ウエイトをオプションとして追加できるようになっています。私はずっと重いピストルで競技してきましたのでこの重さはたいして気になりませんが、購入する際にはそのことを前もって知っておく必要があります。これはおそらくジュニアシューターの初めてのピストルとして適した製品ではないでしょう。

特に銃口周りは重く作られています。これは、手の震えを安定させるたに多くの競技シューターが好む特性です。

取扱説明書はアメリカ人が書いたものなので読みやすいです。サイトの調整方法は調整ノブにやり方が刻印されていますから、混乱することはないでしょう。ただし、マニュアルには各トリガー調整ネジの機能が記載されているものの、調整の具体的な方法についての記載がありません。

ここまで読んでくれた方には、もうタイヤキッカー(冷やかしだけで買わない人)はいないでしょう。このピストルは、もはや安くはありません。1990年代半ばにはIZH-46は300ドル未満で販売されていましたが、ピストルがアメリカに輸入できなくなったために約500ドルまで価格が高騰していました。中古のIZH-46Mは今日500ドル以上で販売されています。それにフィンランドのグリップと特別なバレルが付いて、価格がほぼ600ドルであるというのは、妥当な価格といえるでしょう。他の本格的な10m競技用ピストルと比較すればまだまだ大幅に安いというのは重要な点です。

パート2・実射

(何種類かの弾を使っての初速テストの結果を掲載した後に)

さて、これらすべてのテストは、誰もがするのと同じような撃ち方で行われました。それとは別の特別な方法で初速をアップさせることが可能です。パート1でちょろっとそのことについて言及しましたが、「あるシークレットとはなにか」という質問がたくさん来たことに驚きました。私はこのブログでこの小さなトリックについて何十回も書いてきましたし、2010年にはアメリカのエアガンのテレビ番組で実演してみせたことすらあります。

シングルストロークのポンプ式空気銃で初速を上げるには、レバーをポンプするときに、「ちょっとだけ複数回のポンプ」を行ってからポンプストロークを完了します。この「部分ポンプ」は、ピストンのカップを拡張してから緩めることで、より柔軟にする効果があります。最終的にポンピングを完了する時にはカップは可能な限り密閉され、初速は限界まで高くなります。テレビで実演したときには、この方法で標準のIZH46を425から約460fpsにブーストしました。

※訳注:これ、APS-3でも「これやると初速がちょっとUPする」ってことに経験で気づいて、実行してる人ってそれなりに多いんじゃないかと……。

平均501fpsだったR10ピストルペレットの平均は、部分ポンプを行うことで523fpsになりました。最低は517、最高は531だったので、14fpsの差です。このテクニックを20fpsブーストと呼びましょう。これの利点は何でしょうか? ピストルが新しく、完全に機能しているときにはこんなことやる必要はありません。しかし銃が古くなり、ポンプカップが固くなっている場合、このトリックによって古いピストルでも再び新品のように撃てるようになる可能性があります。

自宅にある体重計を使って計測したところ、ポンプレバーを閉じるのに必要な力は22ポンド(10kg)でした。ポンプレバーを楽に閉じるコツは、レバーを「馬」にしないことです。急がず、スムーズに閉じることです。

※訳注:試しにAPS-3のレバーを閉じるのに必要な力を(同様に風呂場の体重計を使って)計測してみたところ、だいたい3~4kgってところでした。

パート1では、テスト用にお借りしたピストルのトリガープルがたった310gしかなかったので調整して524gにしました。試合に参加するためにはルールに定められた最小500gという条件を満たさなければならないからです。今日のテストで改めてトリガープルを計測してみましたが、セカンドステージが526gでブレークしました。先日に調整したときと全く同じままです。これは、このトリガーが(IZH-46Mに比べて)改良されているということの証拠であるだけでなく、AV-46Mトリガーの調整機能が完全であることも示しています。IZHのトリガーをここまでうまく調整できたことなんかありませんでしたから。

このピストルのテスト結果は、宣伝でうたわれているもの以上にずっと良いものになりました。なによりトリガーが素晴らしいです、そしてこれが私の望み通りに私の所有物になるならば、私はこの銃の美しいターゲットグリップを私の手に合うように彫刻するでしょう。

改造プランとしては、より好みのサイトピクチャーを得るためにリアサイトブレードを交換することです。そして、それを行うであろう未来の自分のためにここにメモしておきますが、リアサイトブレードのネジは左ネジ(逆ネジ)になっています。IZHのサイトと同じですね。サイトブレードを交換しようとするときに間違えて正ネジ方向に回そうとしてネジ頭を潰さないように!


 

販売サイトにあるレビューということで、「あまり悪いことは、あからさまには書かないようにする」くらいのバイアスはあるもんだと思って読むべきでしょうが、その点を割り引いて読んでもなかなかに高評価ですね。「重いのでジュニア向けの入門銃としては向いてないこと」が明らかな欠点として挙げられていますが、そのくらいなもんです。

わざわざ数字は引用しませんでしたが、「パート2」では各種ペレットを使ったときの初速および銃口エネルギー、「パート3」ではグルーピングテストが行われています。結果を見ると「完全なワンホール」には程遠い結果でしてグルーピングテストとしては「大丈夫かコレ?」って思ってしまうものでしたが、なんでも置き撃ちで銃を両手または片手で持って射撃したものということで、万力固定のバレルテストではないのだそうです。だったらこんなものかなあ。

パート2(主に弾速テスト)
パート3(主にグルーピングテスト)

この銃はまいどおなじみの射撃専門BBS、「Target Talk」でも何度も話題になっています。次回はそちらのほうでは、この「新しいIZH-46M」がどういう評価を得ているのかも覗いてみたいと思います。

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