先日の長瀞(都の普及大会)では、ひさびさに560(AP60)が撃てました。サイト・ピクチャーへのこだわりを今までよりワンランクアップさせるという今年に入ってからの課題実現に加え、60発を通してトリガーを正しく引けてるかどうかのセルフチェックを絶対に欠かさないという目標がそれなりに達成できた結果だと思います。
新型アイリスシャッターのおかげでサイトや標的がボヤケて見えなくなるようなことが無くなったのは、本当に大きな成果です。といってもさすがに今回は後半に入って厳しくなってきましたが……。なにせ前日の土曜日は、早朝に放送されたTVアニメにビームライフル競技がけっこうガチな形で登場して(「続きを読む」以降で詳述)それに関係してTwitterに張り付きっぱなし、夕方は新宿MMSで自分が開催してるエアガンマッチ(ひたすらブルズアイ)、そして次の日曜日はAM4:00起きで長瀞に向かい、凍えるような寒さの中でSBの伏射60発を撃ち、その直後にAP60が開始と、コンディション的にはかなりキツい状況だったのです。実際に第4シリーズでは一度力尽きかけてます。第5シリーズ以降で少しだけですが持ち直した自分を褒めてやりたい。
さて、「土曜朝に放送されている子供向けのTVアニメに、ビームライフル競技がガチな形で登場した」件について。
アニメの題名は「新幹線変形ロボ シンカリオン」。タカラトミーが以前から販売していた、ロボットに変形するプラレール互換サイズの新幹線のオモチャをベースに、JR東日本などが協力してTVアニメとして今年の初めから放送開始されたものです。「子供が、ロボットに変形する新幹線に搭乗して、悪いロボットと戦って街を守る」という、ロボットものアニメとしては大昔から超定番のよくあるパターンのアニメです。
そのシンカリオンで、2人めのロボット操縦者として登場したのが、「ビームライフル競技で世界一を目指す、秋田に住む小学生」だったのです。名前は男鹿アキタ。秋田出身ってことが聞くだけでわかる名前ですね。子供向けアニメですから、わかりやすさがなによりも優先です。
初登場の3話(1/20に放送)では、「俺の専門はビームライフル競技だ」とか言って主人公である新幹線好きの少年(名前は速杉ハヤト)のピンチを救うという展開でした。なんの詳しい説明もなしに唐突に「ビームライフル競技」なんて名前が出てきたんで、おそらく視聴者の大多数は「それって、いったい何?」と仰天したのではないかと思います。ロボットアニメでビームライフルとか言われたら、大多数はガンダムなどに登場する大型兵器を想像するに決まってます。それを小学生が競技としてやってるって何事!?と思うのが、むしろ当たり前の反応でしょう。
今日は全国的に天気が悪いようですね。
『雪をナメるな』
皆さん無理のないよう、特に雪にはお気を付けください…!#シンカリオン #E6 #E6こまち #こまち #アキタ pic.twitter.com/MZr4agaAwm
— 新幹線変形ロボ シンカリオン (@shinkalion) 2018年1月22日
1/27放送の第4話では、実際の競技風景が描写されました。これがまた凄い。ターゲットは王冠マーク付きだし得点表示機のディスプレイも本物そのままだし(小数点表示のない旧型だけど)。競技開始のときなんか、「本射40発、競技時間30分。Match firing…START!」って号令までかかるんですよ! なにコレマジか。
「ビームライフル競技」というスポーツの扱われ方が、また素晴らしい。
このビームライフルやってるアキタくんとは別に、1人めの操縦者として選ばれたハヤトくんは、新幹線が大好きで新幹線の運転士になることが夢という設定です。成り行きで(ロボットに変形する)新幹線に搭乗することになり、「憧れの新幹線を運転できる」という、どこか浮ついた動機で戦いに赴いていたハヤトくんが、「街に住む人々の、夢の実現へと繋がる道を守りたい」というしっかりとした動機を見つけるきっかけになるのが、同年代でありながら「ビームライフルで世界一」という明確な夢を持つアキタくんの存在であり、その夢の実現のため物凄く真剣にビームライフル競技に取り組む姿だった……という筋書きです。
物語において、主人公のモチベーションがしっかりと固まる……格好いい言い方をすると、「子供の憧れ」が「将来への夢」へと進化する転換点となる極めて重要な役割を、ビームライフル競技というスポーツが担ってくれたわけです。射撃競技が、こんなポジティブな取り上げ方をされるなんて、ここ数十年で一度でもあったでしょうか。こんな嬉しいことはありません。
「ビームライフルは日本独自の競技だから、世界一と言われても世界戦なんか存在しないよ」なんてツッコミは、こうなるともうヤボってもんです。
祝フォロワー12000人&アキタ登場記念に、アイコンを変えてみました!
これからもシンカリオンをよろしくお願いします☆#シンカリオン #E6 #E6こまち #こまち #アキタ pic.twitter.com/M9Mujv4Crh— 新幹線変形ロボ シンカリオン (@shinkalion) 2018年1月21日
あくまでアニメのメインは新幹線変形ロボのバトルなわけですから、ビームライフルの競技風景が写るのは、たぶんコレっきりでしょう。あるとしても、せいぜいあと1回か2回くらいじゃないかと思います。けれど、たった1回(前フリを含めると2回)とはいえ、全国放送されている土曜朝のTVアニメでこれだけビームライフル競技が描写されたというのは凄いことです。1/27土曜日の放送を見て、「世の中には、こんなスポーツが存在しているんだ」ってことを始めて知った子供や大人は、日本中に何十万人ってレベルでいるんじゃないかと思います。その中のほんの一部でも、少しだけでもいいので射撃競技に興味を示してくれたら、それはこれまでにない射撃競技普及への追い風になることでしょう。
なによりこのシンカリオン、アニメとしての出来が抜群に良いのです。ここまで読んで、「たかが子供向けのロボットアニメに、そんな繊細な心理描写なんかあるもんなのか?」って思われる方は多いんじゃないかと思います。それがガチにあるんです。子供同士の互いへの評価や関係が実に丁寧に描写されます。それだけでなく、大人がきちんと大人として子供に向き合う様子や、彼らが自らの職務を万全に果たすことで組織を高度に機能させようと必死で働いている様子が妥協せずに描かれています。「たかが子供向けのロボットアニメ」に対して、ここまで丁寧に人間ドラマとしての描き込みがされているというのは、正直驚きです。
あと、放送中にかなりビックリしたことがもうひとつあります。
作中で、アキタくんが出場した「ビームライフルの決勝戦」の舞台として、とある体育館の外観が画面に大写しになるのですが、それが紛れもなく、私がホーム射場としている葛飾区奥戸総合スポーツセンター体育館なのです! もちろん、全部で6射座しかないエアライフル射場がビームとはいえ全国大会の決勝戦に使用されるなんてことは現実にはありえない話で、射場内部の描写はまるで違うのですが、それでも外観がそっくりそのまんまというのは、これはもう、奥戸射場は「シンカリオンの聖地一覧」に加えていただける資格があるんじゃないでしょうか!
エアタンクの充填ついでに写真撮ってきました。できるだけ作中の構図に近づけて、ついでに時刻表示も入れてみました。
普段は所持許可が必要なエアライフル用の射撃場ですが、火曜と金曜だけ所持許可不要で誰でも撃てる「ビームの日」になります。利用料は2時間半で400円です。見学だけというのも基本的に歓迎ですので、聖地巡礼の際にはぜひ射場までおこしください。