競技用エアピストルのシェアは、ステイヤーがまず圧倒的で、つづいてモリーニやワルサーが少しといった感じです。エアライフルの世界では圧倒的トップシェアを誇るファインベルクバウですが、エアピストルの世界ではいまいち人気がありません。数年前に満を持して発売された新製品「P44」は、結果から言うとメタメタな評判で、さっぱり売れなかったようです。
ファインベルクバウ P8X
そんなファインベルクバウが、起死回生を狙って発表したのが「P8X」です。とにかく目を引くのはそのスタイル。かっこいいというか未来的というか、いやもうオブラートとっぱらって正直に書くと「ナニコレ?」って感じのデザインですね。射場でコレ持ってたら、相当に注目浴びることになるんじゃないでしょうか。
公式動画も、まるでSF映画の番宣みたいな手の込んだものになっています。
特長をざっと書き出してみましょう(画像は全て上記の公式動画より引用)。
アブソーバー(反動軽減装置)や空撃ちモードの搭載など、これまでのファインベルクバウ製品の特長だった要素はそのまま継承されているようです。とくにアブソーバーについては、いわばファインベルクバウが先駆者のようなものですから自信が伺えます。
では次のページから、海外掲示板(Target Talk)でのこの銃についての評判を見てみましょう。
海外掲示板でのファインベルクバウP8Xについての評判
引用元:TargetTalk (http://targettalk.org/viewtopic.php?f=4&t=51678)
- ステイヤーとファインベルクバウの、新型エアピストルについて、なにか新しい情報はありませんか?(オーストラリア)
- ファインベルクバウには失望させられました。P8Xには反動軽減装置と、グリップを外さずに角度調整ができる新機構が搭載されています。素晴らしいアイデアなのですが、いくつもの調整用の穴がグリップの「重要な部分」に開いているため、グリップカスタムに物凄く大きな制限がかかるのは致命的です。
ファインベルクバウは、シューターの意見を聞くよりもファッション誌を読むことに熱心なようです。モリーニCM162のリアサイトをそのまま縮小したようにしか見えないリアサイトが付いているあたり、きっとファッションデザイナーにでも意見を聞いたんでしょう。
「なんでこんなことをしたんですか?」と聞いたところ、「小さいリアサイトが最近のトレンドなので」とのことでした。162の唯一の欠点が、小さくて垂直なリアサイトだということを、この人達は知らないのでしょうか!
ついでながら。ファインベルクバウP8Xのバレルシュラウドの「芸術品」っぷりは、ステイヤーevo10Eをはるかに凌ぎます。(ドイツ)
- 私はP8Xの試作品(部品の一部は3Dプリントされたもの)を昨年夏に試射させてもらったことがあります。非常に良いピストルです。P44の単なるフェイスリフトではありません。(不明)
- どこらへんが良かったですか? 私は、あのリアサイトには本当にガッカリしました。(ドイツ)
- 良かったところ:
反動が少ないところ。ステイヤーよりも良い感じです。
試作品での印象ですが、バランスが良かったです。
ファインベルクバウならではの品質と仕上がりの良さ。
トリガーはOK。
見た目がセクシー。
気に入らなかったところ:
リアサイトの傾き調節機能。
グリップの角度調整のために、グリップのあちこちに空いてる小さい穴。
空撃ちモードのON/OFFを切り替える大きなスイッチ。(不明)
- ファインベルクバウの素晴らしいメカニカルトリガーは、どうやらそのまま継承してくれたみたいですね。P44の反動軽減装置はステイヤーのそれよりも優れていましたし、新製品はもっと良くなっているはず……。
しかし私は水平でないサイトは我慢なりません。銃が傾くのならグリップを修正すればいいじゃないですか。(ドイツ)
- P44はやたらと背が高くて閉口しましたから、P8Xの背の低さは魅力的ですね。ステイヤーと同じように、銃身とサイトが手の上に収まる感じです。(不明)
- ちょっと陰謀論めいてますが……。「P8X」って、なんでそういう名前なんでしょう。「P44の2倍」ってことなら「P88」になるはずですが……。もしかしたら、「88」ってネオナチを連想させるってことで使用禁止になってるとか?(ドイツ)
ドイツ人の失望と怒りが凄まじいですね。