国内の大会でも60年代生まれ・70年代生まれ・80年代生まれが3人並んでファイナルを撃つなんてことがしょっちゅう起きるくらいには、射撃ってのは競技者の年齢幅が広いスポーツです。
参考:平成23年度全日本ライフル射撃選手権大会
特に最近は、低年齢層の育成に力を入れてきた成果が出てきたのか普通に高校生とか大学生くらいの子達が全国大会や選手権なんかで上位に入ってくるのが「当たり前」な感じになってきています。昨年のことですが、ジュニア大会で中学生がエアピストルで560点撃ってたりして驚かされたりもしました。
その一方で、「年寄り」側はどうかというと……。自衛隊や警察に籍を置いた状態で強化選手としてトップレベルで戦ってきた選手が、「引退」してしまうと銃を手放して完全に射撃の世界から遠ざかってしまうことが多いのは残念ですが、代表選手としての特別な地位を退いて銃砲所持になんの特例もなくなってからも、自主的に銃を所持して射撃競技の世界に関わり続けてくれている人も少なくありません。
かくして全国大会の射座は、10代~60代まで、普通のスポーツだったら同じ土俵で順位を競うなんてことは考えられない幅広い年齢層の人たちが競い合うことができる場となっているわけです。
射撃に年齢制限ってあるの?
- オリンピックの射撃競技に、年齢別の部門とか、年齢制限みたいなものはありますか? オリンピックだけじゃなく、一般的な射撃競技とかパラリンピックも含めて。(テキサス州)
- いいえ、年齢に関しては完全にオープンです。実際に70歳を超えてもなお世界最高レベルで勝負してきた射手もいるほどです。(アオテアロア/ニュージーランド)
- キム・ロードが初めてのオリンピックメダルを獲得したのは、わずか17歳の時でした。(国籍不明)
- コンスタンティン・ルカシチクが1992バルセロナ・オリンピックにおいてフリーピストルの金メダルを取った時、彼はわずか16歳でした。(アルゼンチン、サンタフェ)
- 「射撃競技における年齢層」について話をするのなら、1992バルセロナ・オリンピックのフリーピストル競技は、確かに良い例になりますね。メダリストに限っても、16~58歳という年齢幅の広さです。(進めと止まれの交差点)
Shooting at the 1992 Summer Olympics ? Men's 50 metre pistol
- これこそが、私が射撃競技が大好きな理由の1つです。射撃は真の意味での「生涯スポーツ」です。70歳の競技者が、自分の3分の1の年齢の競技者と競り合って、勝つことができる数少ないスポーツの1つなのです。(アメリカ)
という具合に、普通のスポーツならとっくの昔に「引退」しててしかるべき年齢になっても、現役の選手として10代・20代と競い合うことが普通にできる(許されてる)というのが「射撃競技の面白さ」の一つだ、というお話でした。
ただ、いくら長いといっても70歳になると流石に限界が近くなってくるというのは、このトピック見てても思い知らされます。自分の年齢を振り返って見るに、あと20年ちょいくらいしか残された猶予がないわけですね。そう考えると「残り少ない『現役』やってられる時間を大切に生きねば」って気になってきます。