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ノーベルアームズ・VSR-10用マウント(ピカティニー仕様)

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メーカー純正を含め、パーツメーカーからも何種類か発売されていた東京マルイ製VSR-10用のマウントレールに、スコープメーカーであるノーベルアームズ製のものが加わる。これまでのものとは何が違うのか?

「ボルトアクション型のエアーコッキングライフル」という、そこそこ大きなカテゴリーの中では、ここ十数年間で他機種を大きく引き離す大ベストセラーになっているVSR-10。その使用目的は(統計を取れば「特に目的のないお座敷シューティング」が多数になるのだろうけれど)基本的には「サバイバルゲームにおける、スナイパーライフル」というのがメインになると思われる。

サバイバルゲームでスナイパーをやるなら、スコープが必要だ。銃にスコープを取り付けるには、銃とスコープの他に「銃に対応したマウントレール」と「銃のマウントレールと、スコープの両方に対応したマウントリング」の2つが必要になる。マウントレールとマウントリングの間の規格は、少なくても現在ではほぼ1種類、「ピカティニーレール」とか「20mmレール」と呼ばれているものに統一されているといっていいだろう。

だがここで、ちょっとした罠が待ち構えている。VSR-10用として東京マルイから発売されている純正のマウントレール(Gスペックには最初から付属する)は、ピカティニーレールの規格からは少し外れた独自のサイズになっているのだ。

外れている、といってもそれほど大きな違いではない。実際、市販されている「20mmレール用マウントリング」の多くはVSR-10用マウントレールにそのまま問題なく取り付けることができる。

しかしマウントリング側が、より強固にガタなく取り付けるためにピカティニーレールにしっかりと沿った規格で作られていたりすると、VSR-10用の純正マウントには取り付けられなくなる。レール間の幅や深さが、規格で定められた数値よりもかなり小さめになっていることが理由だ。

参考(当サイトの他記事へのリンク):ノーベルアームズ・新型マウントリング

PDI(X-Fire)やライラクスといったパーツメーカーからも、VSR-10用のマウントベースは発売されている。こちらはしっかりとしたピカティニー規格で作られているので上記のような問題はないが、ときおり入荷未定になって手に入りづらくなるのと、価格が4000円近くと、純正より少しだけ高くなってしまうのが難点だった。

「しっかりしたピカティニー規格に沿ったマウントリングを作ったのだから、同じくしっかりとしたピカティニー規格のマウントベースも作ろう」ということで、ノーベルアームズからVSR-10用のピカティニー規格マウントベースが発売になった。価格は2,200円と、「純正ではないカスタムパーツ」という位置づけの製品としてはずいぶんとお求めやすい価格になっているのが嬉しい。
 

vsr-10-mount-03VSR-10用マウントベース
(ピカティニー仕様)
・メーカー:ノーベルアームズ
・全長:137mm
・重量:33g
・価格:¥2,200(税別)


ノーベルアームズ公式ブログ「“VSR-10 Mount Base Picatinny仕様”新入荷のご案内」

vsr-10-mount-02上が東京マルイ純正のVSR-10用マウントベース、下が新発売となったノーベルアームズ製マウントベース。ギザギザの太さが全然違うのが見て分かる違いだが、それだけでなく溝の幅や深さなども計測してみるとミリ単位で異なる。もちろん、ノーベルアームズ製のほうがピカティニー規格に近い。


vsr-10-mount-05材質はアルミ削り出しとのこと。マルイ純正マウントはおそらく亜鉛ダイキャスト製だから、それだけでも高品質感がある。裏側を見ると、マルイ純正は肉抜きされた箱状をしているのに対し、ノーベルアームズ製は無垢構造になっているという違いがある。


vsr-10-mount-08マルイ純正がなぜ独自規格のレールになっているのか、その理由はネジの取り付け部分にある。レールをレシーバーに取り付けるネジが、レールの溝部分に来ないようにするために、こういった広い間隔のレールにする必要があったのだ。ノーベルアームズ製ではネジ穴が溝の奥に沈み込んで、ネジ頭が飛び出さないようになっている。


vsr-10-mount-10そのため、ノーベルアームズ製マウントベースのレシーバーへの取り付けネジは、東京マルイ純正のものよりもかなり短いものになっている。このサイズのネジを探すのにずいぶんと苦労したのだとか。アウターバレルの固定を兼ねている一番前(銃口側)のネジだけが他よりも短いので取り付け時には間違えないように注意すること。


vsr-10-mount-09溝の深さを比べてみると、0.5mm以上もの差があるのがわかる。ちなみに後で調べて気づいたのだが、ピカティニー規格ではここの部分は「4.17mm (許容誤差 -0.25mm)」と定められているので、実はノーベルアームズのものも0.5mmほど深さが足りない…。計測方法が甘かったか?


ボルトアクション型のエアーコッキングライフルの中でも、東京マルイのVSR-10は実に息の長いモデルになっている。もっとも最初の型である「プロスナイパー」と「リアルショック」が発売されたのは2003年、もう14年も前のことだ。その後、Gスペックやプロハンター、限定品の色違いモデルなど、数多くのバリエーションが発売されてきた。さらには「新次元ガンサウンド」なんていうちょっとしたキワモノも含めるとちょっとした数になる。

「ボルトアクション・エアーコッキングライフル」の後継機種としては、L96やM40が発売されている。VSR-10が「具体的にモデルとした実銃が存在しない架空モデル」という位置づけだったのに対し、L96やM40は実銃の形状やギミック、そして質感を可能な限り再現しようとした意欲作で、実際にかなり出来は良かったのだが、それでもなおVSR-10は「最も良く売れているボルトアクション・エアーコッキングライフル」としての地位を譲る様子はないという。

この形式のエアガンの宿命である、実銃に比べて前方すぎる給弾位置。実銃の再現をすることを諦めてその宿命をそのまま受け入れ、かなり前方に位置するマガジン位置などは、エアガンにリアルさを求める風潮とは逆行するものだが、それゆえに無駄に複雑になることなくシンプルな内部構造となっている点が、逆に大きなメリットになっていると思われる。

トラブルの原因になる可能性があるギミックが少ないことに加えて、分解や組み立てが簡単なためカスタムもしやすい。発売されてから年月が経っていることも合わせて各社から多種多様のカスタムパーツが発売されており、またネットで読むことができるノウハウも蓄積されていて「これからスナイパーを始める人」にとってのハードルが低いことも人気の理由の一端なのではないだろうか。

それでは皆さん、よいサバゲライフを!

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