昨晩、それも夜の8:00ちょっと前なんていういわゆるゴールデンタイムに、TV東京の「すなっぷ」という番組でデジタルピストルが紹介されていた。
やっぱオリンピックが近くなってくると、射撃みたいなマイナースポーツがTVで紹介される機会も増えてくるんだなあと思ったが、番組自体はオリンピックに備えてというわけじゃなく、むしろ2013年に東京で開催される国体(スポーツ祭東京)を盛り上げるため、みたいな趣旨のものらしい。
以前からビームやデジタルに力を入れている目黒区ライフル協会を舞台に、デジタルピストルに取り組む高校生の女の子にスポットを当てる形でピストル射撃を紹介していくというものだった。
以前、日ラが主催している指導者講習で聞いた話の受け売りだけれど、ピストル射撃は10代、それもできれば前半くらいから始めると大成しやすいといわれているそうな。最も影響が大きいのは首の関節の可動範囲。人間の肩はその構造上、真横(正確にはわずかに真横から斜め前)に伸ばした状態が一番安定しやすいのだが、その角度で構えて銃を持つと、普通の人だと顔が銃の方に向かない(首がそこまで回らない)のでサイトを使って正しく照準することができない。だが子供のころから始めていると首の回る範囲が広がり、腕を安定する角度で横に伸ばしたまま、自然な形で照準できるようになる…というものだった。
その講習会では実際に子供のころからピストル射撃をしているヨーロッパ(たしかフィンランドあたりだったと思った)のトップ選手の写真と日本の選手の写真の比較を見せてもらった。ヨーロッパの選手はまるでフクロウみたいに首が真横に向いた上に肩に沈み込んでいて、いかにも安定しそうな雰囲気だったのを覚えている。
ビームピストルが国体の正式種目(副種目じゃなく)になった関係で、それまでは全然ピストル射撃になんか見向きもしてなかった中学や高校のライフル射撃部でもピストル射撃を本格的に始めるようになっている、みたいな話を聞くこともある。ただ、どの程度の規模で行われているのか、どこらへんの学校が強いのか、みたいな話は高校射撃の世界には全然関わりがないんでまるでわからない。葛飾ライフルにはビーム会員(銃を所持せず、デジタルやビーム射撃だけをする会員向けに、会費が安くなる制度)みたいなものがないせいもあって、中高生の会員ってのが皆無だし。奥戸射場にはせっかくビームやデジタルの機材が一式揃ってるのに、アレって活用されてるのかなあ。
余談というか愚痴はさておき、実際にピストル射撃に取り組んでる若い子たちが増えてきたり、こうやってTVで紹介されたりというのはありがたいことだ。本来なら数ある射撃スポーツのなかでも手軽に気軽に楽しめるピストル射撃が、法規制の関係で「一部のトップレベルの人たちだけの特別なスポーツ」みたいな扱いになっちゃってるのは、どう考えても間違っている。なんとかこういうのを追い風にして普及にむけて頑張って、普通にどの中学や高校でも部活動の一つとしてピストル射撃が選べるみたいな状況になってくれればいいなと夢を見たりもする。