<前の記事:最強サバゲ銃を作る・第4回>
電動ハンドガンならではの超小型で超精密なメカボックスを(わざわざ新しくT3のトルクスドライバーまで買って)開けて、スプリングとシリンダーを交換しベアリングを組み込んだのに、パワーは気持ちUPしただけ、命中精度も変わったんだか変わってないんだか分からないという結果になった、というのが前回まで。
あまり芳しくない結果になったのはある意味当然のことで、(最初から書いてたとおり)シリンダーをスリット無しのフルシリンダーに交換したのは、ハンドガンとしては反則レベルにまで長いロングバレルを組み込むことを前提にしていたから。バレルがノーマルの短いままでは、スプリングの力もフルシリンダーによって得られたエア吐出も十分に活かされていないはずだ。
というわけで、今回はバレルの交換。
バレルを外すところまでは、第1回の
ここらへんや
ここらへんで既に解説しているので省略。今回は外したバレルの交換手順からスタートだ。まず、ホップ調節ダイヤルを外す。
プラスのネジを1本外すだけでOK。
ホップ調節ダイヤルを外した所。チャンバーブロックの前方でバレルを上から挟み込んでいるUの字型のクリップ(写真で赤色に塗ったところ)が、チャンバーブロックと噛み合っている。
小さいマイナスドライバーなどを使って噛み合いを外すのだけれど、爪をこじって押し上げるようなことをするとあっという間に折れて飛んで行ってしまう。絶対に爪を引き上げる方向には力を加えないように、チャンバーブロックと爪の間に差し込んだマイナスドライバーを回しながら、チャンバーブロックを後方に抜き取る。
無事に抜き取れたところ。実はこの作業、バレルを銃本体から外さないでネジ留めしたままの状態でも行うことができる(その場合はバレルを前方に抜き取る形になる)。
バレルを上から挟んでいるUの字型のクリップを外す。
チャンバーパッキンを外す。これにてバレルの分解は完了だ。
新しいバレルにチャンバーパッキンを取り付ける。上下位置の目安になるように、チャンバーパッキンの外周には一箇所だけ「スジ」が着いている。そのスジ(青矢印で示したところ)をバレルの溝(赤矢印で示したところ)に合わせて取り付けるだけで、上下を間違えずに誰でも正しい位置にパッキンを取り付けられるという寸法だ。
チャンバーブロックの組み立ての際には、ホップ調整レバーの突起が、ホップ調整ダイヤル裏側にある溝にちゃんとハマるように取り付けるように注意しよう。組み立てた後、ホップ調整ダイヤルを回せば調整レバーが少しずつ上下するようになっていればOK。
ロングバレルを取り付けたところ。ノーマルだと入っている、インナーバレルの周囲を覆うカバーについては、取り付けようと思えば取り付けられるが、なくても取り立てて性能には影響がないので、とりあえずは無しの状態で組み立ててある。
それでは実射テストの結果。さすがにシリンダー&ピストンの性能をフルに発揮できるロングバレルだけあって劇的なパワーアップを果たしている。もちろん法規制値よりは全然下、それどころか業界自主規制値にも及ばないパワーではあるけれど、サバイバルゲームでメインに使われているフルサイズ電動ガンの多くとほぼ同等である。最新の次世代電動ガンの多くは、「業界自主規制値なにそれ」レベルのハイパワーなものが多いのだが、古めのスタンダード電動ならばだいたいこのくらいのパワーに落ち着いているものが多い。これなら、少なくてもパワーの点で他ゲーマーより明確に見劣りするということはないはずだ。
集弾性能のテスト。概ね、「良くなっている」といってもウソじゃないレベルの結果になった。
実は、スプリング交換後のグルーピングテストを行ったのは、最初にバッテリーをリポ仕様にしただけのノーマルのテストを行ったのとは別の日、4月だというのに大雪が降るコンディションだった。別口のレポート記事で撮影のためにSPFフィールドを利用させてもらった時についでにグルーピングテストも行ったのだけれど、サバゲなんかとんでもない、極寒の冬山装備を整えていなければ凍え死んでたんじゃないかってレベルの物凄い天気だったのだ。
そんなコンディションでも、全く問題なくフルオートでハンドガンをバリバリ撃てるってのは、まるで夢のような話だ。ガスガンだったら多分どれだけマガジンを温めても1マガジン分、いやそれどころか数発を撃てるかどうか。
とはいえ、雨やらみぞれやら雪やらがじゃんじゃか降り続いている状態でのグルーピングテストだっただけに、やっぱり少しくらいは影響が出ているのかもしれない。
さて、次回はマズルから飛び出してしまったインナーバレルを、何とかみっともなくないように隠す方法を考えてみる。