あまり手をかけずに済んだここまでと違って、ここからはいよいよメカボックスの中身に手を付けていく。電動ハンドガンのメカボックスは、それこそ時計のように細かいネジや歯車が精密に組み合わさっており、分解するのにはなかなか勇気が必要だったりするのだけれど、出たばかりのころに一度手を付けた限りではフルサイズ電動ガンに比べるとシステマチックな部品構成をしていて、職人芸的なワザを必要とされるような箇所はなかったように記憶している……。
購入したのはけっこう前なので今とは仕様が異なっているかもしれないが、電動ハンドガンのメカボックス用パーツを出している数少ないパーツメーカーであるライラクス製品で揃えることにした。
余談だが、ライラクス製の電動ハンドガン用パーツは「電動フィクスドシリーズ用」と書かれている。綴りが「FIXED」なのでそのまま読んでしまったのだろうけれど、実際には最後の「D」は濁らないのでカタカナ表記としては「フィクスト」あるいは「フィックスト」のほうが正解に近い(goo辞書に音声発音あり)。厳しい雑誌だったら校正で直される。ただし、今回は製品名はパッケージ表記に従って「フィクスド」と書く。
電動フィクスド&コンパクトマシンガンパワースプリング(1,000円)
わざわざ書くまでもないが、パワーアップを目的としたパーツだ。世の中に数多く出回る、効果があるのかないのかわからないエアガン用パーツの中では、スプリングは求めた効果が確実に出る数少ないパーツである。正直、費用対効果ならバレルだのノズルだの買うよりずっと確実に性能UPする。もっとも、法規制がある今はそれほど強いスプリングは販売されていないが……。
マルイ 電動フィクスド&コンパクトマシンガンベアリング軸受け(3,400円)
歯車の軸とメカボックスケースとの間に生じる摩擦を軽減するためのパーツ。強いスプリングを入れたことによるメカボックスへの負担を軽減することが目的だ。価格は高いが効果は確実。特に電動ハンドガンの場合、フルサイズ電動ガンよりも歯車の数が一枚多いので、ソレに伴い軸の数も1本多くなり、軸受けの数に至っては2つも増える。軸受け部分でのパワーロスを抑えるのが目的のパーツだけに、効果UPも大いに期待できるというものだ。
マルイ 電動フィクスドフルシリンダーG18C用(1,600円)
ノーマルではスリット入りのシリンダーになっているところを、スリット無しのシリンダーにすることでエア容量をUPし、さらにテフロンコーティングにより摩擦を低減するというもの。ノーマルでこのパーツだけ交換してもエアが余るだけで大した効果もないが、バレルを長いものに交換することで電動ハンドガンとしての水準以上のパワーを引き出すことができるようになる。
マルイ 電動グロック18C&M93Rハンドガンバレル/ロング 168mm(3,500円)
その「長いバレル」というのがこれ。シリンダー容量UPによる吐出エア量のUPに見合うだけのバレル長さを確保するのが目的である。ライラクスから出ている電動ハンドガン用バレルで最も長いこの製品は、M93Rに組み込むとコンペンセイター先端ギリギリのところまでインナーバレル先端が届くような長さになっている。当然、USPに組み込むとインナーバレル先端がマズルから飛び出してしまい、不格好になる。まあ、それはそれで後でどうにかしよう。
グリップパネルを外す。このパネル、実は両面テープで貼り付けてあるだけなのだが、かなり頑丈なテープなので強引に引っ張るだけじゃ外せない。実はマガジンを入れる穴を使って、裏側から押して剥がすことができるようになっている。
トリガーの動きをメカボックスに伝え、フル/セミの撃ち分けなどを行っているのがメカボックス上部にネジ留めされている黒いプラスチック製のパーツ、「スイッチアッシー」だ。メカボックスの分解は、まずこのスイッチアッシーの取り外しから行う。

























