先日、富山県の南砺市というところにある福光射撃場にて、東日本ライフル射撃競技選手権が開催された。申込み時期が「ねんがんのAP所持許可更新」がかなった嬉しい嬉しい時期だったということや、福光射撃場には今まで行ったことがなかったということもあって、ちょっと遠い場所ではあるのだけれどエントリーをしてみた。
結果としてはあまり良いものではなく、「俺は……539点を撃つためにこんなところまで来たんじゃない……」と落ち込みそうになってしまうものだったけれど、まあそれはそれとしてスッパリ忘れて、どんな射場だったのかってことのレポートをしてみたいと思う。いざ自分でエントリーをしてみた後、さてどんな射場なんだろうって思って検索してみたのはいいけれど、どこのブログにもWebサイトにもまともな情報が上がってなくて往生したもので。
「最寄り駅」は、城端線(じょうはなせん)の福光というところになる。とはいえ駅からはものすごい遠いのでとてもじゃないが徒歩で行くなんてのは不可能だ。ここらへんは観光地としてそれなりに栄えているところらしく、近隣の駅ではレンタサイクルを置いてあるところも多いが、それを使ったって「さすがに勘弁してくれ」といいたくなる距離になる。
(※車で走ってて気付いたのだけれど、そこらじゅうの道に「自転車禁止」の看板が立っている。特に自動車専用道路というわけでもないのに自転車を禁止する権限がいったいどの組織にあるのか知らないけれど、少なくてもこの近辺では自転車でそれなりの遠距離を移動するという行為はあまり歓迎されていないらしい)
というわけで、遠方から参加する者としてはとり得る手段は、自前の自動車で富山まで行って近くの駐車場付きのホテルに泊まるか、駅近くのホテルに泊まって当日の朝にレンタカーを借りて現地に向かうかの二択となる。前述のとおり城端線近辺は観光地としてそれなりに栄えているようで、駅近くのホテルには困らないのがありがたい。福光に近い「砺波」という駅の、ほとんど駅前にホテルがあり、さらにそこから歩いてすぐの場所に格安レンタカー店(ガソリンスタンドが副業でやってるようなところ)があったのでそこに決めて、富山までの交通手段は電車を使うことにした。
砺波から福光射撃場まで、ナビだと1時間ほどと表示されたのだが道は実に空いていたため、30分少々で到着した。「県道10号線」と名前が付いている比較的大きな通りから、「射撃場はこちら」の大きな看板に従って細い山道(といってもちゃんと舗装はされている)に入り、左右に全く建物がない鬱蒼とした山の中を走り続け、ちょっと不安になってきたあたりで開けた場所に出るとそこが射撃場である。
福光射撃場は総合射撃場で、クレーや大口径ライフルの射撃場も併設されている。場所がちょっと離れているのでエアライフル&小口径ライフルの射撃場とは駐車場も別になる。間違えてクレー&大口径ライフル射撃場の駐車場に止めてしまうと射撃場まで延々と歩くことになってしまうのだが、あからさまに客層が違うのでまず間違えることはない。オレンジベストや帽子をかぶった人が車の中からむき出しの銃を持ったまま出てくるような駐車場には、言っちゃ悪いが怖くて長居したくないもんね……。
小口径ライフル用の50m射撃場と、エアライフル用の10m射撃場が二つ並んでいる。入って右のほうが50m、左が10m射撃場だ。50m射撃場は、特に変わったところがあるわけでもないごく一般的な作り。電子標的ではなく、手元のスイッチで標的を電動で操作するタイプの標的だ。見た目はちょっと朝霞射撃場に似ているかな? 朝霞よりはるかに綺麗だけれど。
奇妙だったのは10m射撃場だ。窓や入り口らしきドアがいくつもあるのだけれど、どれも分厚いカーテンに遮られていて中を見ることができない。本当にこのドアから入って良いのかどうか、ちょっと怖くなるレベルだ。「どこから入ればいいんだろう」と、ガンケースを持って周囲をうろついていたところ、ジュニア種目に参加するのだろう、高校生らしき一団がこのドアを開けカーテンの隙間を通って中に入っていったので、「あ、ここから入って良いのか」と自分も足を踏み入れてみることにする。
10m射場の中はこんな感じ。せっかくお外はお日様が照る良い天気なのに、窓はすべてピッチリと締め切り遮光カーテンで覆い、中は人工の光だけで競技をしている。千葉射撃場とか山梨の八代射撃場とか、「半屋外」みたいな射場もけっこう好きな身からすると、ちょっともったいない気がする……。暗いところだと瞳孔が開いちゃうせいか、的がどうしてもぼやけがちになっちゃうんだよねえ。
的はそれなりに明るく照らされているのだけれど、なんとなく射座によって明るさが違うような、違わないような……。的のバックにある木製の壁の色が均一じゃなくて少しまだらになっている関係でそう見えるのだろうか。
こちらも電子標的ではなく、紙の標的を使う。エントリー時に標的を渡されなかったので「アレ?」と思ったのだけれど、射座に入ってみれば射座番号から標的番号まで全部印字された標的がきちんと用意されていた。これはありがたい。というか他のところでもやってくれればいいのに。
結果は、最初に書いたとおりあんまり良いもんじゃなかったので、なんだか「城端線に乗り鉄しに行っただけ」みたいなことになってしまった。自分、鉄じゃないのに。
最後に城端線のラッピング車両の写真。富山は藤子不二雄Aさんの出身地という関係で、「忍者ハットリくん」や「笑ゥせぇるすまん」関連のグッズや展示物を良く見かけた。道の駅でも富山限定のハットリくんドロップ缶なんてものが売ってたので、ピンポイントシューティングの参加賞にするつもりで買ってきた。他にもご当地グッズがいくつかあるので、お楽しみに。