前回、ピストル新ルールについて、時間の使い方が変更されたということを書きましたが、「靴のルールもえらく厳しくなって、これまでの靴はほとんどNGになっちゃってるよ?」とのコメントをいただきました。
実はピストル用の靴をこのあいだ買ったばっかりで、まだ1~2回くらいしか使ってない状態でして、これがこのまま使えなくなっちゃうとなると「ほぼ新品」のけっこう高い靴がそのまま無駄遣いになってしまうという悲しい事態になってしまいます。とにかく正確な情報をということで、ISSFのサイトにアップされているルールを改めて読みなおしてみました。
ちなみに左上にあるISSFのロゴをクリックすると、その新ルールが表示されます。英語に抵抗がないかたは直接そちらをどうぞ。ただし、けっこうサイズが大きいPDFですので注意。
ピストル射撃の規定について、該当の箇所を抜粋して日本語訳するとこんな感じです。
旧ルール(2009年版)
8.4.5.2 靴について
●くるぶしを覆わない、「ローサイド」の靴のみ使用できる。
新ルール(2013年版)
8.5.6 靴について
●くるぶしを覆わない、「ローサイド」の靴のみ使用できる。靴底は「足全体の前方部分」が「柔軟」でなければならない。
●脱着式のインナーソールをインサートすることができるが、インサートするものは全て「足全体の前方部分」が「柔軟」でなければならない。
●ISSF公式の試験器具を使って、靴底の「柔軟さ」を計測する。
●靴底が柔軟であることを示すために、選手は「フィールドでプレイしている間」は、かかとからつま先にかけて普通に歩かなければならない。違反するとペナルティ。
●計測方法:ISSF指定の計測器具を使い、15 N m(ニュートンメートル)のトルクをかけた時に22.5度以上曲がらなければならない。
ちなみに、「ISSF指定の計測器具」ってのはルールブックにある画像だとこんな感じです(画像クリックで拡大)。靴のつまさき部分をガッチリと固定した上で、靴底全体を持ち上げるようにしてハンドルで15N mのトルクをかけて、角度表示が22.5度以上になればOK、というもののようです。
計測器具以上に注目すべきところとしては、「試合会場でペンギンみたいにひょこひょこ歩いてたらペナルティ」ってやつですね。まあ身体的傷害や怪我や筋肉痛とかでそういう歩き方になっちゃうのは別なんでしょうが、そういう歩き方しかできないような靴はNGだってことです。
こりゃ、間違いなく私の手元にある、「買ったばかりのピストル射撃専用靴」は、使用NGですね…。どうしよう。売るか!? 買ってくれる人はいるのか!?
銀座銃砲店のコラムから画像を引用。「新ルール対応」として販売される靴ってのは、こんな感じで「靴底にノコゴリで溝を刻んだ」形になってるとか。けっこう豪快というかやっつけというか。旧ルール用の靴もこんな感じで溝を入れれば、なんとか新ルール対応に改造はできるんじゃないでしょうか。