購入したエアガンを改造することそのものは、多くのエアガン・ファンが行っている。その多くは外面をちょっと格好良くしたり、良く当たるようにしたり、パワーをちょっとだけ強くしたりといったもので、法に触れるような行為ではない。
だが、これをやったら問答無用で法に触れる、という改造がある。炭酸ガス(CO2)の圧力を直接使い、金属の弾を発射するようにしてしまうことである。業界団体の製品はCO2のような高圧ガスが直接注入されると主要部品が壊れるように作られており、そういった改造をするくらいなら最初から作る方がまだ楽、といった「改造対策」がされている。デジコン製品も、もちろんそのままの状態でCO2ガス仕様になど出来ないのだが、町工場レベルで作ることのできるいくつかの小さな部品を交換することで、そういった改造が可能になってしまう。結果として、CO2仕様に改造された製品や、その改造部品や改造方法のノウハウ、炭酸ガスボンベや金属弾などがネットを通じて販売されることになってしまった。
そういった「違法改造銃」の威力は、一般に市販されているエアガンと比べるとどの程度なのかを、図に描くとこのようになる。
自主規制値どころか、無改造状態でのデジコン製品を遙かに超えた大きなものだということが分かる。日本の法律では「実銃」と見なされている競技用の空気銃ですら凌駕する、文字通り「誰がどう見ても実銃」という領域に足を踏み入れたものだった。図を見れば、市販の「パワーが高め」のエアガンなど相手にもならない威力だということがわかるだろう。
こういった「違法改造銃」と、市販のエアガンを同列に比べることがいかに愚かなことか、これだけでも分かりそうなものだが、さらにこの違法改造銃と、通常「銃」と呼ばれているもの、例えば軍隊が使うライフルであるとか、警官が腰に下げている拳銃であるとか、そういったものはどの程度の威力を持っているものなのか、違法改造銃とは、それらの「銃」と比べてどの程度の威力なのかを見てみると……。
こんな具合になる。
(つづく)
2011年9月追記
このエントリーを書いたのも随分と昔のことになった。その後、エアガンについては銃刀法にて威力の上限が定められ、その威力を超えるものは違法なものであり、超えないものは合法なものだと明確に区別されるようになった。それを受けて書いたのが下記エントリーだ。