どうやったら射撃スポーツを今よりもメジャーにできるんだろう?
これはもう、ライフル射撃だけじゃなくクレー射撃でも、トイガンを使ったシューティングスポーツの世界でも、なんならeシューティングと呼ばれるビデオゲームでの世界でも、どこでも同じ悩みだと思います。
――規制は厳しくなる一方、銃所持者は減る一方、こんなんじゃ普及なんて無理だ。射撃スポーツはもうこの先ゆっくりと衰退していくしかないんだ――
みたいな諦めの声を聞くこともあります。しかしその一方で、意外なところでスポーツ射撃の人気が高まり「始めてみたい」という人が射撃場に押し寄せて超満員になる、なんてことも、稀にですが起こったりします。
射撃とは別のスポーツでも、マイナー度合いが進む一方でもうダメだみたいな雰囲気があったところを、協会トップがやる気を出したのがきっかけで一気に風向きが変わり、国内大会でも有料の観客席が満員になる人気スポーツへと変貌させたなんて事例があったりします。
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(2022年1月18日)#Web担当者Forum— Web担当者Forum編集部【公式】 (@webtanforum) January 10, 2024
なにをどうすればいいのか、なかなか正解は見当たりません。
日本に比べれば銃規制が格段に厳しくないアメリカやカナダなら、さぞかし大勢の人が銃を所持して射撃スポーツを楽しんでいることでしょう――と思いたくなりますが、ことはそう単純ではありません。人気なのは威力の強い連発銃を使ってターゲットをバンバンと撃つ豪快な射撃のほうで、オリンピックなどで行われているような精密射撃系のスポーツ射撃はどちらかというと日陰者で、メジャーなスポーツとは言い難い存在だったりするそうです。
そんなアメリカにおいて、「射撃を盛り上げるために必要なこととはなにか?」と呼びかけるスレッドが、射撃専門BBSであるTargetTalkにありました。投稿されたのは最近ではなくけっこう前、2016年のことです。リオ五輪が始まるちょっと前あたりですね。
日本とはいろいろと事情は違うとは思いますが、「地味だ地味だ言われていまいち盛り上がらないISSF系のスポーツ射撃は、どうやったらメジャースポーツになれるのだろう!?」というテーマについて投稿されたいくつかのアイデアには、銃規制の厳しさレベルに関係なくどの国においても参考になる要素がたくさんあると思います。抜粋して紹介してみたいと思います。
射撃を再び素晴らしいスポーツに!
引用元:TargetTalk「Make Shooting Great Again!」
- 「またトランプ支持のスレッドか!」と思った方へ、違います、誤解です! そうではありません。
(訳注:この投稿、ドナルド・トランプが大統領選挙を戦うにあたってスローガンとした「Make America Great Again」をもじったタイトルになっているんですね)
この投稿は、射撃スポーツの人気を高めるために皆さんにお願いしたい、小さな取り組みについて書かれたものです。そうです、特に若い世代に向けてのものです!
最近の若者はインターネットに多くの時間を費やしています。その大部分をYouTubeが占めていることでしょう。若者だけではありません、こういうネット上のBBSを読んだり書いたりしている年配者の多くにも当てはまります。
しかし、YouTube でスポーツ関連の射撃ビデオを探しても見つかるのはISSFの公式動画ばかりです。それ以外はほとんど見つかりません。1994年のドイツの動画、Bruno Francescoによるイタリア(?)の動画、、ピストルの射撃方法に関する旧ソ連の動画(なんとモノクロです!)が見つかるくらいです。
この状況には、多くの改善の余地があります。たとえば、Steyr LP1に関するビデオは1つもありません。そして、LP10は人気があるにもかかわらず、数本しかありません (1つはフランス語、もう 1つはドイツ語だと思います。Steyrのチューニングビデオは私たちの目的には役立ちません)。
だから私は提言します。この状況を変えましょう。
LP1、他のピストル、射撃、リアサイトの調整、正しい照準、ターゲット、オリンピックピストルに関するあらゆることについての動画を作り、投稿しましょう。Youtube動画だけでなく、Wikipediaの充実も必須です。トップシューターたちのWikiのページは空っぽも同然です。五輪で獲得したメダルについてちょっと書かれてる程度でしかありません。
銃や射撃には興味があっても、競技射撃・スポーツ射撃というものを見たことがなく、そのようなものがあることすら知らない人(特に若い人!)はたくさんいると思います。これは、私自身の経験からも言えます。私は「BBガン」でオリンピックチャンピオンになれるなんて知りませんでした。YouTubeにはスポーツ関連の射撃に関するものはほとんどありません。
訳者注:ここでいう「BBガン」というのは日本発祥のBB弾(直径6mmのプラスチック弾)を撃つエアガンではなく、金属製の小さい弾を撃つ玩具銃(日本では違法)を想定した言葉だと思います。オリンピック競技で使われるエアライフルやエアピストルは、価格や精度こそ桁違いではありますが、空気の力で金属粒を撃つという点ではそういう「BBガン」と基本的に同じ、言ってしまえば「すごいBBガン」であるとみなすことも可能ではあります。あなたはカメラを持っていますか? もし持っていなくても、できることはたくさんあります。
YoutubeにUPされているISSFや他の射撃関連動画にコメントしたり、特定のアスリートがどのピストルを使用しているかを尋ねたり、(なるたけ返信を強要するような書き方をしないように気をつけながら)本当に知りたいと思ってることを尋ねたり、新しいファイナルの形式やその他の主題についてコメントしたりしてください。動画に「いいね!」または「嫌い」を付けてください。あるいは、女性射撃手がどれだけセクシーかと書くだけでも構いません。おい、そこのかわい子ちゃん、俺の部屋に来て俺の銃を見ないか?(いや、実際はそんなコメントは書かないでおくれよ!)
誰かが射撃用のメガネをからかうなら、この男たちは全員50メートル離れたところから銃を何の委託もなしに撃ってリンゴに確実に命中させるんだぞと言って感心させましょう。
「すごいBBガン」でオリンピックチャンピオンになれるという事実で人々を感心させましょう。
私にとってオリンピック射撃はヨガのようなもので、自分自身との対話であり、リラックスして感情をコントロールすることを教えてくれるものです。こういう紹介の仕方で、「面白そうだな、射撃をやってみようかな」と思ってくれる人はいるでしょうか? わかりません、けれどやってみる価値はあるんじゃないかと思います。 銃というと、ハリウッド映画に出てくるような派手なドンパチの印象ばかりだけれど、そういうのとはまるで異なる観点ですから。
特におすすめしたいのはエアピストルです。これは射撃スポーツにとって、「ゲートウェイ・ドラッグ」に相当します。
(訳注:麻薬や覚醒剤などの薬物依存の入り口となりがちなアルコールや有機溶剤などを指す言葉です。あまりいい意味じゃないです――)なんといっても、エアピストルは安価です。もしお金に困ったら売ってお金に変えることもできます。消耗品である弾丸は、超安いです。そして、一度ハマると、もっと強いものを試すことができます。ヘロインのように。
私がお願いしたいのは、もう少し活動的になるために、ほんの少し時間を割いてもらうことです。無理に何かをする必要はありません。「見たい」と思った時だけでいいので、ISSFのビデオを見てください。私がそう思ったのと同じように、あなたもミュンヘンの射撃場がひどく醜いと思うかもしれません――そしたら、そのことをコメントに書いてください。そうすることで、コミュニティのつながりが深まります。もっと会話が生まれます。
それを繰り返していけば、ISSFは他の人の意見を知るということを始めるかもしれません。現状では、明らかに射撃をしている人たちとISSFのつながりが不足しています。
コメントに書き込むのはなんでもいいんです。音楽についてはどうですか、好きですか?嫌いですか? お気に入りの射撃選手はいますか、でしたらWikiページに情報を追加してください。
そして、もう一つ。トランプに投票してください。(ハンドルト)
「射撃スポーツをする権利」を守るために、銃規制への反対を明確に表明していたドナルド・トランプへの支持を表明したのだと思います。一般的に、「民主党=銃規制派」「共和党=銃規制反対派」という傾向があり、アメリカの射撃スポーツ関係者は共和党支持者であることが多いのは確かです。
このスレッドでは、この後に「トランプ支持に賛同するか、しないか」についてもけっこう大勢の人がそれなりの文章量を持って論争を繰り広げました。銃規制が進むことがそのまま射撃スポーツの衰退につながるという考え方そのものに対して、それは正しいのかそうでないのかという議論もありました。それはそれで面白いのですが主題がボケるので、これ以降は政治談義に関する要素はざっくりカットしてお届けします。
- 他にもできることはあると思います。地元のPBS(公共放送サービス)局に行って、地元のクラブなどと射撃スポーツのさまざまな分野に関する番組シリーズを制作できないか尋ねてみることです。
私も地元PBSスタッフと直接会って話し合いを何度かしていますが、まだ確実なことは何も決まっていません。とはいえ、希望は失っていません。これにより、「紙に穴を開けるスポーツについて何も知らない多くの人々」にこのスポーツを知ってもらうことができます。試してみる価値はあります。(シューター/オレゴン州)
- 小さな子供に射撃スポーツを紹介するもう1つの方法は、地元の4Hプログラム(※)を支援することです。4Hクラブには、エアライフルやピストルから小口径銃、トラップ、アーチェリー、マスケット銃まで、射撃スポーツの完全なプログラムがあります。
地元の郡が提供しているプログラムを確認し、支援してください。郡がプログラムを提供していない場合は、開始するために何ができるかを検討してください。4Hは、インストラクターのトレーニング、練習を教えるのに役立つ教材を提供し、毎年ネブラスカ州グランドアイランドで全国大会を開催しています。
ほとんどの場合見過ごされがちな素晴らしいプログラムを提供しています。(ムスタンガル)
- 私は、まず始めるべきことは、ワールドカップや前回のオリンピックなどで最近優勝したアスリートに関するWikipediaを充実させることだと思います。なぜなら、人々が最初に注目するのはそこだからです。例えば、アンドリヤ・ズラティッチ、ユスフ・ディケチ、ジトゥ・ライ、ジン・ジョンオなどのアスリートには、素晴らしいウィキペディアのページがあります。しかし他のアスリートには、ほとんど情報がありません。
次のアスリートのウィキペディアのページを埋めてくれるボランティアが必要です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Viktoria_Chaika
https://en.wikipedia.org/wiki/Kim_Jang-mi
https://en.wikipedia.org/wiki/Tomoyuki_Matsuda
https://en.wikipedia.org/wiki/Antoaneta_Boneva
https://en.wikipedia.org/wiki/C%C3%A9line_Goberville
https://en.wikipedia.org/wiki/Tien_Chia-chen
https://en.wikipedia.org/wiki/Tan_Zongliang
https://en.wikipedia.org/wiki/Wang_Zhiwei
https://en.wikipedia.org/wiki/Daryl_Szarenski
https://en.wikipedia.org/wiki/Chen_Ying_(sport_shooter)
https://en.wikipedia.org/wiki/Pablo_Carrera
https://en.wikipedia.org/wiki/Pang_Wei
https://en.wikipedia.org/wiki/Vladimir_Isakov
https://en.wikipedia.org/wiki/Alexei_Klimov
https://en.wikipedia.org/wiki/Maria_Grozdeva
https://en.wikipedia.org/wiki/Will Brown
https://en.wikipedia.org/wiki/Anna Korakaki
オリンピックが始まる前に情報を追加することは重要です。情報を探している人ががっかりするようなことがあってはいけません。ボランティア1人につき1人だけで十分です。お気に入りのアスリートを選んで、情報を追加してください。(ハンドルト)
「射撃選手のWikiは全然充実していない、この人たちだけは例外だけど」として例に出されてる4人のうち一人、名前に見覚えがありませんか? そう、昨年のパリ五輪で一躍有名になった「無課金おじさん」ことユスフ・ディケチ選手の名前があります。ネットなどでは「全然スポーツ選手っぽくない無名の人がふらりと五輪にあらわれてメダルを取っていった」みたいなこと言う人も多かったですが、2016年の時点で「射撃選手の多くは無名だけれど、この人たちだけは別!」として例に出される「世界の4人」に入るほど有名な選手だったことがわかります。
- オリンピック開始前に選手のWikiを充実されるというのは良いやり方だと思います。ただ、選手だけでは不十分です。銃器メーカーや、射撃スポーツ団体についての内容が現時点では貧弱すぎると思いませんか。
私がWikiに投稿するまで、ブレイカーの項目はありませんでした(少なくともen.wikipediaには見当たりませんでした。英語以外ならあったかもしれません)。大した量ではありません。スタブ程度ですが、いくつかの引用などがあるページができたということです。国内の射撃スポーツを統括する団体についても同じです。私は自分の団体に注目し、関連するものはすべて更新しています。(ヘマーズ/イギリス)
- ソーシャル メディア (スナップチャット、インスタグラム、ツイッターなど) についても留意が必要です。
ついつい、スマホに夢中の「クソガキ」に文句を言いたくなりますが、実のところ彼らはスポーツを多くの視聴者と共有していることを忘れてはいけません。彼らが投稿して共有すればするほど、スポーツの宣伝効果も高まります。ですから、彼らが投稿するのに適した何かを提供してください。
例えば――10.9の写真を撮って投稿してください。射撃場でのスナップ写真や、コーチや射場長がおどけているところの写真(ふざけることが許される安全な状況でのもの限ります)などです。他には、ライフル、ピストル、ショットガンを持った写真を提供してはどうでしょうか。
子どもたちたちは、自分の投稿への友人のコメントや「いいね」の数についていつも気にしていますが、これらはすべてスポーツにとってプラスになります。ですから、彼らがやっていることを披露できるように手伝ってあげましょう。良い「ハッシュ タグ」はどうでしょうか。馬鹿げていると思いますが、これは強力なマーケティング・ギミックです。
なので、もし誰かがスマホをいじっているのを見かけたら、安全で適切な時間に、たまに自撮り写真に写り込んでみてください。たいてい笑顔が保証されます!!(ダスティン・クレイズ/ミネソタ州イーストセントラル)
- 私は、この国でオリンピック射撃の認知度を高めたいという思いに100%賛成です。
このタイプのスポーツ射撃競技について、その存在すら知らない弁護士はたくさんいると思います。この辺りには銃射撃を楽しむ弁護士がかなり多く、子供もいるので、弁護士はこの種の射撃競技を紹介するのに適した聴衆です。地元の高校のJROTCライフルクラブに子供を参加させることほど、次世代に競技射撃について学ばせる良い方法はないのではないでしょうか。
また、私が直面している課題の1つは、銃に熱心に反対している弁護士に、銃譲渡の「基本」を知る必要がある理由を納得させることです。競技全般、特にオリンピック競技は、ニュースメディアに溢れる絶え間ない否定的な報道ではなく、銃器を中立的な形で紹介する良い方法です。(チア)
- 近所にある射撃クラブは、年間450~650ドルという高額な料金を請求しています。ゴルフ場の会員権ほどの料金ではないかもしれませんが、消耗品販売の利益もある上にゴルフ場のような社交施設もありません。そのクラブで主に行われているのは、大型センターファイアピストルとIPSCです。
私は、射撃連盟は月に1回、そこで小口径の銃での射撃イベントや競技会を開催してアピールする努力をすべきです。現状では、小口径の標的(または実際にはどの口径でも)を撃つのは不可能です。なぜなら、「私の銃はあなたの銃より大きい」というマッチョ主義と、周りの「yahoos(野蛮人ども)」がものすごい勢いで45口径の弾を撃ち尽くす中、一発一発に集中することが不可能だからです。
カナダ射撃連盟は、銃器コミュニティでさえあまり目立っていないようです。州のFQTも、私が知る限り、銃器コミュニティ以外では目立っていません。彼らが持っている10メートルのエアガン射撃場は、州全体の競技を促進するのにあまり役立ちません。
銃の所有者と組織の偏狭な偏執的な性質も、射撃の普及にとって妨げになりがちです。このスポーツの良い点を広く社会に伝え、適切な所有と訓練の要件、そして規制に協力してくれる真のリーダーシップが必要です。部外者と常に争うような団体はダメです…。
――というようなことを私は過去に書いたことがあります。書くべきではないことを書いてしまい、するべきではない努力を続けてきたことに気づきました。大口径銃を連射することを楽しむ人がいるなら、それはそれでいいことです。私は彼らを「yahoos(野蛮人)」と呼ぶべきではありませんでした。
射撃初心者としての私から見たときに、射撃を妨げている最大の問題は、コミュニケーション不足と協力不足だと思います。スポーツが、スポーツ内のさまざまな人々の強みを効果的に活用できないのであれば、一般の人々にスポーツを始めるよう促すことにどう取り組むことができるでしょうか?(スラティバートファスト/カナダ、ケベック州、モントリオール)
- >銃の所有者と組織の偏狭な偏執的な性質も、射撃の普及にとって妨げになりがちです。このスポーツの良い点を広く社会に伝え、適切な所有と訓練の要件、そして規制に協力してくれる真のリーダーシップが必要です。部外者と常に争うような団体はダメです…。
射撃スポーツの普及ということを考えるときには、必ずそのことに留意しなければなりません。アメリカでは特にそうです。アメリカでは、ニュースメディアで銃をそのまま暴力という否定的なイメージと同一視する報道が絶えず氾濫しています。銃は政治的なボールとして使われています。アメリカにおいて、「銃を所持し射撃をする人間」という存在は、できる限り多くの銃を所有し、人里離れた場所に住み、政府を憎み、一般的に地域社会にとって危険な存在というのが典型的なパターンとして紹介されます。このステレオタイプは打ち消す必要があります。
一部の銃器団体による過激なアプローチは、銃所有者の評判にメリットよりも多くのデメリットを及ぼしていると私は感じています。スポーツの側面は、この協会によって「汚されていない」数少ない領域の1つです。射撃スポーツは、その性質上、競技者に安全性と慎重な取り扱いを強調するルールを課します。「NRAコンベンショナル2700」やISSF競技では、弾の入っていない銃を間違った方向に向けるだけでも失格になります。一般の人々は、このことについて教育を受ける必要があります。確かに、米国では毎年銃乱射事件が起きていますが、その一方で安全に運営されている競技会が全国で何千回も行われています。
銃規制に「抵抗」するのはもう止めるべき時だと思います (規制に抵抗することが間違っていると言っているわけではありません。時には必要なこともあります。私のような職業の人たちの中には、まさにそれで生計を立てている人もいます。しかし、世間の目から見れば、私たちはやり過ぎです)。その代わりに、銃競技会は安全で立派なスポーツであることを示すべきです。
大砲みたいな大口径銃を撃ちたいですか? シルエット射撃に挑戦してください。ピンの頭を撃ち落とすのがお好みですか? エアライフルがお好きかもしれません。軍事的な「一人称視点のシューティング(FPS)」の興奮がお好みですか? IPSC がぴったりかもしれません。西部劇の再現はどうですか? カウボーイアクションシューティングを試してください。自宅の地下室で手軽に撃てるものをお探しですか? エアピストルかエアライフルを試してください。
道具はあります。関心はあります。しかし、宣伝はありません。これは変えなければなりません! ドイツ語で書かれたオリンピックピストルの本を読んでいるとき、国際的な射撃コミュニティが北米にほとんど注意を払っていないことに驚きました。主要プレーヤーはヨーロッパとアジアでした。私たちは本当に努力して、国際レベルで競争するために必要なものがあることを証明し、他の国々に私たちのアスリートの行動に注意を向けさせる必要があります。
皆さんには、貢献するための独自の方法を見つけるようお願いします。(チア)
- 個人的には、職場に展示物を作って、自分が所属しているクラブを宣伝しようと思います。職場には、射撃について話せる者が2人いますが、ちょっと偏執的なタイプだったりします。趣味で射撃をしていることを、間違った人に知られてはいけません。
でも、一般の人々と話をしなければ、どうやって受け入れられ、成長できるでしょうか。
私が思いついたアイデアは、ゴルフ場のクラブハウスに10mエアピストルとライフル射撃場を設置してもらえないか頼んでみるというものです。多くのクラブハウスには、どこかにスペースがあります。また、ゴルファーの多くは、冬の間何かすることを探しているかもしれません。ポータブルまたは少なくとも移動可能なセットアップがあれば、会議室や宴会場をクラブ射撃場として利用でき、他の活動にも使用できます。
射撃以外のグループから支持され、認知されるようなアイデアが必要です。(スラティバートファスト/カナダ、ケベック州、モントリオール)
- このスポーツの人気が再び高まるように、観客が騒げるようにすべきです。アーチェリーのように。ハウスミュージックを加えると、このスポーツの観客が増えるでしょう。(ジャンゴ)
- 私はジュニアの練習に音楽を取り入れ始めました。時には普通にロックを流し、時にはドクター・デメントのうるさい音楽を流したりします。ISSFは新ルールで、試合中は音楽を流さなければならないと定めました。次世代のアスリートたちが音楽に慣れるように準備するのもいいでしょう。(ブダットン/アメリカ・ニューハンプシャー州)
- 観客として楽しむために精密ピストルの試合に行く人がいるでしょうか? 観ていて退屈なスポーツであることは間違いないでしょう――(チア)
- >精密ピストルの試合は退屈
スキルレベルが幅広く異なる少数のシューターなら、私も同感です。
けれど、ワールドカップやオリンピックともなれば全く別の話になります。
結局のところ、テレビ視聴者にゴルフ(なんていう退屈なスポーツ)を売り込むことができたのだから、射撃でも可能なはずです。(スペンサー/オーストラリア、シドニー)
- >ゴルフを売り込むことができたのだから……
その意見は的を射ています。これはマーケティングやプレゼンテーションの問題であり、他の問題と変わりません。
2014年頃から現れ始めた、かなり冷笑的なタイプの拍手よりも、音楽を流す方が良いと思います。
このスポーツをどう表現するかが、このスポーツの将来を決めるでしょう。
音楽は、射撃スポーツが本質的に地味であるという弱点を解決してくれるわけではありません。それを解決してくれるのは、優れたグラフィック、スクリーン、視覚化、解説です。これは旅であり、物語を創ることです。人類は、木から出てきたときからずっと物語を語ってきました。その点、ISSFの解説のほとんどは残念としかいいようがないものです。(サムイー/ニュージーランド、アオテアロア)
いろんなアイデアが出てきましたね!
「youtubeの射撃動画にコメント書け! いいねを押せ!」なんてお手軽にできることから、「Wikipediaの射撃関連の項目を充実させろ、どんどん書いてけ」なんていうちょっとハードルが高いもの、さらには「ゴルフ場のクラブハウスに射撃場を併設させよう」なんて無茶な話まで。「広いから余裕だろ」と書いてますが、いやいやそんなはずは。というかアメリカやカナダのゴルフ場クラブハウスってもしかして「射撃場くらい余裕で併設できる」くらい広かったりするのが普通だったりするの?
冒頭にリンクを貼った、フェンシングの躍進についての記事、これなんかも「絶対無理だって言われてたマイナースポーツを盛り上げることに成功した事例の一つ」として参考になるものは多いはずです。「メダルさえ取ればなんとかなる」と言われ続けて頑張ってメダルとっても変わらなかった、お金かけて宣伝すればなんとかなることはわかってるがお金なんかない、ならどうすればいいのか? というところから、お金をそれほどかけなくてもできるところからコツコツと積み上げていった、というアプローチが実を結ぶまでの経緯が書かれてます。
共通してるのは、「なにやってもダメだ」って諦めてたら何も変わらない、ってことですね。これはもう絶対の真実っていっていいと思います。
なにか、しましょう。できることから!