国際試合の写真や映像を見ていても、本当に千差万別で法則性もなく何が正解なのかわからず、悩ましいのが肩の上下位置だ。肩を上げ気味(いかり肩っぽい感じ)で撃ってる人と、ストンと下げた感じで撃ってる人と両方がいる。全体の傾向として女性は肩を上げ、男性は下げて撃つ人が多いように見えるが、それほど明確な差になっているわけじゃなく下げ気味で撃つ女性も上げ気味で撃つ男性も多い。
これはもうどちらが正解だとか主流だとかいうのではなく、野球のピッチャーのオーバースローとサイドスローのように「流儀の違い」みたいなものだと考えるほうがいいだろう。
肩を上げる、下げる。それぞれにどういう利点と欠点があるのか? というか実のところ、撃ってる側としては「肩を上げている/下げている」という意識は特に無いんじゃないかと思う。自分にとって自然なフォームを追求していった結果、そういう形になっているだけで、意識的に力を入れていたりするわけじゃないんじゃなかろうか。
おまけ…腕の骨格が特殊な人の場合
腕関節の形によって肩の位置が変わるのではないかとも思って調べてみた。肘関節をいっぱいに伸ばしたときに、真っ直ぐではなく反対側に少し曲がった形でロックされる、いわゆる「猿腕」と呼ばれる形の腕を持ってる人が特に女性には多いという。女性に肩を上げ気味にして撃つ人が多いのは、もしかして猿腕気味になってる人が多いからなんじゃないだろいうかと思ったのだが、実際には見て分かるくらいの極端な猿腕でも両方の撃ち方をしている人が見つかったので、この説は間違いだということが判明した…。
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