人間の肩の関節というのはかなり複雑な構造をしている。前方からは喉元から肩に向かって伸びる「鎖骨」によって、背面からは肋骨の後ろ側を大きく覆う形になっている「肩甲骨」によって、肩関節の軸が支えられている。このうち、「身体に固定された軸」になっているのは鎖骨が喉元と接合されている部分のみ。肩甲骨はその鎖骨に一点でくっついているだけで、基本的に自由に動く。腕を動かすと鎖骨・肩甲骨も連動し、肩関節の位置自体が前後上下へと移動する。
自然な形で直立し、腕を横に伸ばしてみよう。よほど意識して力を入れたりしない限り、腕は少し斜め前に向くはずだ。
この角度が、腕を横に伸ばしたときに最も安定する角度だと言われている。だからピストルを撃つ時も腕はこの角度を保つのが理想ということになるのだが、現実にはなかなかそう上手くは行かない。その理由は、顔を真横に向けるのが難しいからである。
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