今年は、東京都代表を選ぶ方法は最終予選の一発勝負じゃなく、ここまで行われた数多くの大会の成績を総合的に考慮して決めるということになっている。ここまでの成績もそれほど良いってわけでもないので、最終予選でまかり間違って世界記録レベルの点数でも撃てばともかく、まず代表の望みは無しという状態での参加ではあった。とはいえ、ここしばらく長いトンネルから抜けだしたような感じで良い具合で撃ててたこともあってそれなりに良い点は撃てるつもりで臨んだ。……が、結果は「なんかフツーの点数」って感じ。他の人も(頭ひとつ抜けだした数人を除いて)ほぼ同じ点で見事に横並び。なんか長瀞って全般的に点数が出ないよねえ……。
それはそれとして、せっかくの良い天気だし、そんなに重いものがかかった大会というわけでもないしということで、前々から企んでいた「電車で長瀞射撃場まで」というのを試してみることにした。特に季節限定の安い切符があるわけでもないので、自動車で行った時の「高速料金+ガソリン代」と比べてもトントンといったところで、節約のためじゃなく完全に自分の楽しみのためである。
ものすごい多い。
走っている車両は、なんか昔どこかで乗ったことがありそうなものばかり。形が揃ってるわけじゃなく、来る電車来る電車、全部色や形が違う。ここらへんも鉄道ファンの琴線に触れるところなのだろうか。1車両に20人くらい乗っているとすると、沿線に住んでいるらしき普通のおばさんおじさんは2人くらい、観光で来ていると思われる家族連れが2組か3組(合計で8人)くらい、残りの10人はみんな、でかいカメラや、三脚や、果ては脚立すら装備していて、ギラついた目をしているのだけれど表情は妙に嬉しそうというか薄笑いを浮かべている男性ばかり。ちょっと異様な光景ではあるのだけれど、毎週末にこれだけ乗ってくれるのなら十分以上に売り上げにも貢献しているのだろうし文句も言えないってところだろうか。ひとごとみたいに書いてるけれど、自分自身、世間一般的に見れば同類なんだろうし。
回ってる扇風機がまたレトロだ。良く見ると国鉄(JNR)のマーク入りだ。どれだけ年代物なんだか。
※追記:あとで調べたら、キロ数-運賃の対比だと、さすがに北総鉄道の方がわずかに高かった。
suicaが使えないので、「切符」を買う必要がある。それにしてもアレだな、切符買うのも久しぶりだな! 電車に乗る前に「どこまで行くか」を決めておかないとならないってのも、昔はソレが当たり前だったというのに、今じゃなんか新鮮だ。suicaを使うようになってそんなに長い年月が経ってるわけじゃないのに、人間って新しい環境に対応すると昔のことを忘れるのが早いもんだねえ。
時間が迫ると、周囲が妙に慌ただしくなる。大砲みたいなレンズが付いたカメラを持った人たちが、線路周辺の見晴らしが良い場所とかホームの端とかで陣地を構築して待ち伏せ体制に入った。踏切が下りてしばらくすると、山の向こうになにやら煙が見えてきて……。
もちろん停車するわけじゃなく通り過ぎるだけだが、ものすごいゆっくり(時速でいったら30km/hくらいだろうか?)走っているので写真を撮る余裕はいくらでもある。
そういえば蒸気機関車が走っているところを間近で見るのって初めてだったかもしれない。
その横の道路は、これまでにも何十回も自動車で通ってきた馴染みの道路だ。横を通っている線路を走る電車を見かけることも何度かあった。タイミングが合うと蒸気機関車を追い越すこともあるそうだが、自分は一度も経験がなかった。
もちろん自転車としての実用性は普通の自転車より大幅に劣るが、6kg足らずの軽さとコンパクトさ、折りたたみと展開の早さがそのデメリットを上回る。使い方によっては実に便利な移動道具だ。
もっとも、帰りはずっと下り坂だから早かった。10分かそこらで駅まで着いてしまった。