6月に赤羽・新宿の両方で開催予定の「ひたすらシリーズ」への協賛品として、マルゼンさんより「APS-3用のフルアジャスタブルトリガー」をいただきました。ありがとうございます。せっかくですのでレビュー記事を掲載したいと思います……が、このトリガーについては2015年のAPSカップ会場で発表された当初から、「ちょっとこれは、精密射撃用の銃に付けるトリガーとしてはいかがなものだろうか」的なことを当ブログでは書いてきたという事情があります。正直言うと、「最初から疑いの目がある」状態です。製品を協賛品としてご提供いただいた以上、基本的には感謝の気持ちを持ってレビューしなきゃならんのですが、元の立ち位置が上記のような状態ですから、もう板挟みもいいところです。今回のエントリー読む方には、そこらへんの筆者の苦悩をすこし慮っていただけると助かります。
私の銃だと、トリガーを正位置(真っ直ぐ)にしている時にはギリギリで大丈夫でしたが、斜めにしていたりトリガーブレード位置を下にしていたりすると危ないかもしれません。その場合はいっそのこと当たっている後ろ側のトリガーガードを外してしまうというのも一つの手です。後ろ側トリガーガードは作動には一切関係のないパーツですし、実際に木製グリップを取り付ける時には使用しないくらいです。
アジャスト機能は凄いなーとは思うのですが、実際にこんなに横に向けたりスイングさせたりした状態で「上手く撃てるのか」と言われると、正直どうかなーとしか思えません。
トリガーを引く角度というのは、おそらく一般シューターの方々が思っているよりもずっとずっと重要です。ほんの少し、角度にして1度とか2度くらい変わっただけで、トリガーを引く直前に銃が思いもよらぬ妙な動きをしてしまって大外しをする原因になったりします。ピストル射手が銃を撃っている時には、「照準は合っているか」に意識の3割、「トリガーはちゃんと引けているか」に6割、残り1割が体重のかかりぐあいだとか腕肩への力の入り具合だとかに注意を向けている、って感じになるかと思います(少なくても今の私はそんな感じです)。
実際、このフルアジャスタブルトリガー、いろいろと角度を変えて写真を撮ってみて、それが終わって真っ直ぐの状態に戻してあらためて構えて空撃ちしてみたのですが、見た目は完全に真っ直ぐに戻っているようにしか見えないのに「なんとなく斜めってる感じ」がどうしても抜けません。心理的なものなのか、本当に肉眼では判断できないレベルの微小な角度が付いているのかまでは分かりませんが……。
「回転させることができる」という機能は、少なくても私には「まず使わないだろうが、あればあったで別に困らない」ではなく、「できれば、ないほうがいい」機能になっていると言わざるをえない、というのが正直な感想になります。使える部分、例えばブレードの上下位置の調整だけを使用し、回転やスイング機能は使わずに活用したいという場合でも、かなり取り扱いは「やっかい」な部類に入ってしまうのではないかと思います。
もし、あったら嬉しいかなと思うアジャスト機能を挙げるとしたら、前後方向へのスイング機能です。「そんな機能があったって、トリガーを引くときにどうせ角度が変わってしまうんだから関係ないじゃん」と思われてしまうかもしれませんが、一番重要になるのはシアが切れる瞬間、2ndステージが終わるところでトリガーにどう圧力をかけるかということで、そこは決まっているわけですから「重要な瞬間のトリガーの角度」も一定です。残念ながらこの「フルアジャスタブルトリガー」は、その方向にだけはほとんど回転しないような構造になっていたのですが。
もっとも、世の中には、特にAPS射手には、いわゆる教科書的に正しいとされる射撃方法とは全く違うやり方で高得点を出している人もいますので、この「フルアジャスタブルトリガー」がうまい具合にフィットする人というのもいるのかもしれません……。あるいは、良いにつけ悪いにつけまずは自分で試してみたいという好奇心・探究心旺盛な方にとっても、興味深いパーツだとは思います。
そういう方は、ぜひ6月4日に赤羽フロンティア、6月17日に新宿MMSで開催される「ひたすらシリーズ」にご参加ください。各1点ずつ、「フルアジャスタブルトリガー」が参加賞品となっています。「ひたすらシリーズ」では順位に関係なく、くじ引きで当たった人から「自分が欲しいアイテムを自分で選んで取っていく」方式なので、誰にでも賞品ゲットの可能性がありますよ!
※他に、先日レビュー記事を掲載した「ワルサーポイントサイト」と「ワルサータクティカルライト」も協賛品としていただいております。ありがとうございます。