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実はニューモデルぞくぞくのデザートイーグル

「44マグナム・モデル」と「50AE・モデル」と「10インチ・モデル」、だいたいこれくらいがガスブロの世界での「デザートイーグルのバリエーション」で、あとはせいぜい表面が銀色か黒かの違いがあるくらいだ。けれど、実はマグナムリサーチ社(デザートイーグルの販売元)は、かなり以前からデザートイーグルに関しては積極的なバリエーション展開をかけてきている。

そもそもが「44マグナム・モデル」として知られている、銃身が細身でスラリとしている(横ミゾがない)タイプと、「50AE・モデル」として知られるマッチョな銃身の上がギザギザのアクセサリーレールになっているタイプ、これも元々はバリエーション展開の一環だ。前者は「マークVII」といって、西暦2000年ごろまで販売されていたいわば旧モデル。357マグナム、44マグナム、41マグナムに対応していた。そして後者が「マークXIX」と呼ばれる最新モデルで、357マグナムや44マグナムに加えて50AEなどのさらにハイパワーな弾に対応した強化型という違いがある。
 

マークVIIのデザートイーグル(口径は.357)。真横からだとわかりづらいが銃身部分がほっそりとしている。銃身の上部に横向きのミゾがないか、あっても2本だけなのが外観上の特徴。357マグナム、44マグナム、41マグナムの3種類の口径バリエーションがある。資料によって差があるが、だいたい2000年ごろまでは製品ラインナップに入っていたようだが、現在はカタログにも掲載されていない「旧型」になる(Photo Wikimedia Commons)。
マークXIXのデザートイーグル(口径は.44)。銃身が太くなり、その上部には見慣れたアクセサリー・レールのギザギザが追加されている。マークVIIが対応していた口径に加えて、440Corbon、50AEといったさらにハイパワーな弾にも対応した。銃身長やコンペンセイターの有無、表面仕上げが異なる多種多様のバリエーションが大量に存在する(写真はマグナムリサーチのWebサイトより引用)。

比較的最近に発表された、デザートイーグルの「新バリエーション」をいくつか紹介してみる。

※以下、画像は全てマグナムリサーチのWebサイトより引用

 

デザートイーグルL5
「L」というのは、ライトウエイト(軽量)という意味。フレームをアルミ製とすることで、「従来品より2ポンド(約900g)も軽量化した」とのこと。軽くなれば銃は持ちやすくなるが、撃った時の反動は大きくなる。おそらく反動に対応するためだろう、L6/L5には「1.フィンガーチャンネルが付いたホーグ製のラバーグリップが最初から付属」「2.発射ガスの一部を使って反動を相殺するマズルブレーキを搭載」という工夫が施されている。写真のL5(5インチ)の他、L6(6インチ)もある。
デザートイーグル・タングステン
鉛よりも遥かに重く、金とほぼ同じ比重を持つタングステンは、コスト度外視で作られる兵器の弾体などに使われることがある。その超高価な金属の名前が付いているこの銃、まさかどこかにタングステンが埋め込まれていて重量アップで反動軽減とかそういう贅沢仕様なのか……と思ったがさすがにそんなことはなく、「タングステングレー色のセラコート」が表面処理として施されているというだけ。まあ、よくある話だ。
デザートイーグル・WMD
まるでウエスタンアームズの「オールドフィニッシュモデル」かと思わされる表面処理は、セラコートの「ディストレスド・マット・ホワイト・フィニッシュ」というもの。ディストレスド(distressed)という単語を辞書で引くと「苦しんでいる、悩んでいる、困っている」みたいな意味しかヒットしないけれど、面白いことにGoogle画像検索にかけてみると、古くて傷んだ引っかき傷とか割れ目だらけの表面テクスチャが大量にヒットする。デザイン業界とかでそういう用法があるのかもしれない。

WMDの、引っかき傷だらけ(っぽい)表面仕上げにはどんな意味があるのだろうか? もちろん耐久性には定評のあるセラコートなのでそれなりの利点はあるのだけれど、この「ガシガシとこすった痕」みたいなのが付いた表面仕上げには、見た目の迫力以外には特に何の意味もないようだ。公式サイトには、「不死の獣や悪魔ですら恐れをなすであろう」とか、本気なんだか冗談なんだか紙一重なことが書いてあったりするのだが……。
 

池上ヒロシ

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池上ヒロシ