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ものすごく安心できないホルスター

日本だと、銃を服の下に隠して持ち歩くなんてことは(ごく一部の特殊な職業に就いている人を除いて)まずありえないが、アメリカだと「コンシールド・キャリー」といって、許可を取れば民間の人でもそれができる地域がある。「そんな、危ないじゃん」とか思っちゃうけれど、その制度を導入したところ犯罪発生率が下がる例なんてのがけっこうあったりするらしい。所変われば常識も変わるってことなんだろう。

最近はポリマー製とかで軽くなったとはいえ、それなりに重くてゴツいものを常日頃から身に着けるというのは大変だろう。すぐに取り出せる状態で常に身に着ける必要があるものというと、携帯電話やスマホを連想するけれど、それだって日常の取扱いや持ち運びにはけっこう気を使うものだ。ましてやそれよりずっと大きくて重い銃を持ち運ぶのだから……。そういった理由だろう、銃だけでなく銃を収納して身に着けるためのケースである「ホルスター」も、できるだけ小さくて軽いものが求められるようで、いろんな製品が作られ販売されている。

とはいえ、いくらなんでもこれは行き過ぎだろうと思ったのがこの「Zero Carry」だ(※)。見た目は、クリップが付いた円筒からフックみたいのが生えてるだけ。こんなのでどうやって銃を身体に固定するんだろう?

※公式サイトのFAQを見ると「厳密にはZero Carryはホルスターではない」みたいなことが書いてある。

 

公式サイトにある動画から使用方法を見てみる。まずキャリーする銃の銃口に、フックの先を突っ込む。

そしたらズボンの中に押し込み、クリップをベルトに引っ掛ける。これで完成。

飛んだり跳ねたりしても大丈夫だよーってことをアピールするためにトランポリンで宙返り。

動画はこちらから。

銃口はふさがってるとはいえ樹脂製の棒が突っ込んであるだけなので、もし弾が装填されてる状態でトリガーが引かれれば発砲されてしまう。トリガーを覆うパーツがあるわけではないので危険といえばけっこう危険だ。ベルト部分が完全にトリガーを覆うように装着することで安全を確保するという考え方のようだが、「コック&ロック(簡単に弾がでる状態)での使用は薦められない」みたいなことが公式サイトに書いてあったりする。おっかないなあ。

ただ、どんな形をしたどんな形式の銃でも一つの同じ製品でキャリーできるというのは大きな利点だろう。最近流行りのアンダーレールにライトやレーザーサイトを取り付けたものは、ホルスターの形式によっては使えなくなることが多いが、Zero Carryだったら何の問題もなくキャリーできる。硬いものが銃に当たるわけではないのでキズがついたりする心配もない。

ただ、肌にずっと触れる形になるので汗がついてサビたり汚れたりってことはあるかもしれない。それになにより、丸一日ずっとこれを使って銃をキャリーしていたら、夜になってズボンを脱いだ時、お腹に銃の形の窪みがしっかりと付いてる状態になるんじゃなかろうか。格好良いんだか悪いんだか。

池上ヒロシ

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池上ヒロシ