前回と前々回のエントリで紹介した、ステイヤーとバウの新型エアピストルには、「傾きを調節できるフロント&リアサイト」がついていました(※正確にはバウのフロントサイトは独自機能としてではなく、コンペンセイターごと回転させることで対応)。それについて、海外の射撃掲示板「Target Talk」では、何人かが「激しい応酬」といっていいレベルの激論を繰り広げていましたので紹介したいと思います。
前々回(ステイヤーevo10の記事)と重複する部分もありますがご容赦ください。
引用元:TargetTalk (http://targettalk.org/viewtopic.php?f=4&t=51678)
- ステイヤーのEvo10/10Eは、LP10/10Eを置き換えるものになるのでしょうか?(オーストラリア)
- それは、顧客が新製品の改良点が買い換えるに値するものだと考えるかどうかによりますね。気になる改良点というと下記のようになります。
1.弾込めがやりやすいデザインになった
2.トリガーガードが広くなった
3.フロントとリアサイトを傾けることができるようになった
4.リアサイトの深さの調整が改善された
5.スチール部品がブラッククロームメッキされた
6.バレルシュラウドが新しくなった
7.新世代グリップ
正直、私は自分のLP10に満足しているんで、いまのところ買い換える気はありません。(コスタリカ)→「3」は正直どうなんだろう、サイトを回転させるよりもグリップを傾ければ済む話では? グリップを傾けるのなら、サイトと銃身は縦に垂直に並んだままだけど、サイトだけ回転させちゃうと銃身軸が横に変位してしまうのでは……もっとも10mの距離では誤差の範囲じゃないかとは思うけれど。
ステイヤーは、だからこそこれまではより手間のかかるグリップの角度調整メカニズムを選択していたのでは?(不明)→傾斜調整サイトのアイデアは、私にとっては「我が意を得たり」な感じです。グリップの傾斜調整は手間がかかるし正確さにも欠けますから。(不明)
→evo10も従来同様、グリップの傾斜(角度調整)は可能です。(ドイツ)
→そのとおり! そもそもそんな機能を使わずともヤスリやパテを使えばいいだけの話。ウダウダ言う前にまずできることからやれって話ですな。(アメリカ)
- 極端な話、銃を90度に傾けて撃ってみれば着弾位置はかなり変わることがわかると思います。傾き調節ができるサイトというのは「銃の傾きを毎回同じにする」という点では助けにはなるかもしれませんけれど、そもそもの問題として「銃を傾けて撃つ」というのは、それをしたいからやるのではなく、(射撃姿勢の関係で)それをせざるを得ないから、そうなってしまうものです。ということは、サイトの傾き調節機能は、射撃姿勢に潜むなにか別の問題を覆い隠してしまう可能性があります。
正直、よっぽど特殊なケースでもないかぎり、傾き調節可能なグリップと、傾き調節可能なサイトが利点となることはないんじゃないでしょうか。DREMELとパテのほうがよっぽど有効です。(ドイツ)
- ステイヤーevoのサイトを傾斜させると、銃身の真上からは外れてしまいます。ファインベルクバウはコンペンセイターごと回転させることができますが。(ニュージーランド)
→私がLP10EにLP2のコンペンセイターを付けて使っているのは、まさにそれが理由だったりします。(不明)
→なんという素晴らしい先見の明!(イギリス)
- なんで、射撃用ピストルに傾斜調整式サイトなんか必要だと思うんだろう。全く理解できない。ましてやメーカーが「ユーザーはそれを必要としている」と判断するなんて信じられない。(イギリス)
→傾斜式フリーピストルでハイスコア撃った人ですね。エアピストルでも傾斜式サイトが流行する時代がくるのでしょうか。(コスタリカ)
「グリップ全体を傾斜させる」方式だと、あまりやりすぎると基準箱の中に入らなくなる(実際、ステイヤーLP10でもやりすぎで銃検でひっかかる人が時々いる)という問題があります。サイトだけ傾けるならその心配はありません。傾斜調整式サイトの登場の背景にはそういった事情もあるんじゃないかと思うんですが……。海外だと基準箱使っての銃器検査ってあんまりやらないのかなあ?