1/12の可動関節人形がブーム?【第56回 静岡ホビーショー】

入り口に鎮座する全長3mの巨大アンドロメダ。案の定というか「さらば/2」に相当する「続編」が作られたヤマト、新メカの中でも最も格好良い、というか日本アニメ史上最も格好良い宇宙船との呼び声も高いアンドロメダが看板を勤めています。

ホビーショーで一番広いブース面積を誇るのはまずタミヤ、そしてその次がバンダイです。ラジコンやミニ四駆、スケール物のプラモデルでほとんどを占めるタミヤに対し、バンダイはキャラクター物がメイン。まずガンダム、ヤマト、ドラゴンボールや妖怪ウォッチ、スターウォーズなどの模型が所狭しと並んでいます。
 

当然、アンドロメダのプラモデルも発売されてるんだなーと思ったら、電飾ギミックてんこもりの物凄い高い製品しかないんですね。そういうのは超合金魂で間に合ってるんじゃないかなーと思うんですが……。普通の値段の1/1000のって出ないの?


ドレッドノート(主力戦艦)が新製品としてアンドロメダの隣に展示されてました。これもLEDによる電飾てんこもりモデルなんだそうで……。最近の流れってそういうのがメインなんでしょうか。


ところで、会場全体を見渡してみて思ったことですが、妙に「1/12の可動関節人形、およびそれに関係したグッズ」が目立つような印象を受けます。もともとマックスファクトリーのfigmaとかトミーテックのリトルアーモリーなど、ずいぶんと長いことその分野に力を入れていたメーカーはあったのですが、ここにきて大手メーカーもその分野に本腰を入れてきたように思えます。
 

財団B(バンダイのこと。超巨大資本による怒涛の商品展開や営業攻勢を揶揄する呼び方でもあります)が技術の粋を結集して作るS.H.Figuartsのドラゴンボールシリーズ。会場新発表のものとしてはこの「黒髪の悟空」になります。


顔が印刷ではなく、目・瞳・眉毛などが全部パーツわけされているというところが、物凄い技術だと感心はするのですが、なぜにここまでやらなければならないのだろうと若干不気味に思えてきます……。


1/12可動関節人形の大きな流れが、女の子に武装を取り付けていろいろとバリエーション展開するというタイプのものです。放映中のアニメがカルト的な人気を集めて現時点で乗りに乗ってるのがコトブキヤのFA:G(フレームアームズ・ガール)ですがホビーショーには未出店です。
 

「財団B」がその台頭するコトブキヤを叩き潰すため(?)に脅威の技術力で市場に送り込んできたのがコレです。ガンダムビルドファイターズトライの登場人物2人をガンダムっぽい武装を取り付けてプラモデル化してあります。


武装(?)は取り外し可能というところが妙なフェチシズムを感じさせます……。


太ましい身体を忠実に再現するところがバンダイのスゴサですね、他メーカーだとどんなキャラも体型は一緒なのが普通ですから。しかしどうせ武装で隠れるというのに、この臀部の造形の気合の入り方といったら。


1/12サイズ人形用に、実在重火器をプラモデルとして発売するという、他メーカーはあんまり真似しない分野で独走を続けるトミーテックのリトルアーモリー。今回は無稼働実銃のMG42を中心に新製品がずらりと展示されていました。
 

ミニミ軽機関銃、製品名は「M249タイプ」。あれ、こんなメジャーな銃がいままでラインナップされてなかったのかと思ったら、もっと大きなM240が2タイプ製品化されていて、こちらのタイプが初登場ということのようです。8月発売予定。


これは「製品化決定」としか書かれていないMP5。特殊部隊系の装備をさせるなら基本だろうと思いきや、ちょっと旧式になりつつあることもあってMP7とかクリスベクターのほうが先行していたんですね。(いちおうSD6は製品化されていました)


こちらも製品化決定しただけで発売時期は未定のG36。


無可動実銃がMG42だったから、「ついに現用銃だけじゃなく二次戦モノにも展開するのだろうか?」と思ったのですが、そんなことはなく、MG42の現代改修版(といっても口径を7.62mmNATO弾仕様にしたくらい)であるMG3が製品化されるというオチだったようです。6月発売予定。


展示台の上に米粒のようにばらまかれているのが、グロック17や18C、それとマガジンやバヨネットや着脱式のストックなどです。ハンドガンはSIGの9mmやコルトの45が製品化されていますが、意外にもグロックがまだだったんですね。6月発売予定。
大物がコレ、ブローニングM2重機関銃です。発売時期や価格などについては発表されておらず、とりあえずの「お披露目」ということのようですが、見る限りではかなり作り込んでますよコレ。

原型は一次戦まで遡るくせに、21世紀となった現代でも普通に現役のまま第一線で使われているブローニングM2。パーツを付け替えれば、ヘリから固定翼機、非装甲車両から装甲車両、さらにはイージス艦を初めとする大型小型問わず数多くの艦艇まで、ありとあらゆる「乗り物」とマッチする恐るべき機関銃です。


特徴的なグリップと「ハの字」型のトリガー、側面のハンドルなど、動かせば今にも弾を装填して射撃をはじめそうなくらいに細かくリアルに作り込んであります。女の子の人形になにをさせるつもりなんだろうこのひとたちは。


かと思いきや、こんなホノボノしたアイテムも。オレンジ色や青色のM4A1に、ポンプやタンクを追加して「水鉄砲」の形に仕立てるというアイテムです。


真面目なスケールモデルがメインっていうイメージがあるハセガワからも、1/12人形向けの様々なアイテムが発売されているんですね。今回、新製品として展示されていたのがこの「公園のベンチとゴミ箱」です。使い所が限定されるような、そうでもないような……。


  

既に発売済のものとしては、工事中看板、跳び箱、ファミレスの机と椅子、理科実験室の机と椅子、学校の机と椅子、部室の机と椅子、会社の机と椅子といったラインナップ。やっぱ学校モノが多いですね……。

今回のホビーショーのリポートはこれにて終わりです。全部を網羅するわけじゃなく、エアガン関連以外はほんの一部の偏ったジャンルのみの紹介となりましたがどうかご勘弁を。

池上ヒロシ

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