東京マルイの新製品・エアガン編【第56回 静岡ホビーショー】

毎年この時期に静岡ツインメッセで開催される、日本最大の模型展示会「静岡ホビーショー」に行ってきました。

模型の街、静岡で開催される巨大展示会「静岡ホビーショー」。エアガン業界からは東京マルイとクラウンの2社のみの参加な上に、最近は東京マルイも「本邦初公開情報」はホビーショーではなく秋葉原で開催する自社イベントでの発表を重視していたりする傾向があり、エアガン最新情報だけが目的だと少しガッカリ目な結果になりかねませんが……。それでも最大規模のイベントである以上、東京マルイもそれなりに力を入れてくれていますし、他にはバンダイ、タミヤ模型、ハセガワといった模型界のそうそうたるメンバーに加えて数多くのメーカーが集まりここぞとばかりに「初公開情報」を発表したりするので目が離せません。

当ブログは銃ブログですので、基本、銃に関連したグッズを中心にいろいろと紹介していきたいと思いますが、管理人の趣味によって少々別系統の情報も交じる可能性があります。まずは真面目(?)に、東京マルイの新製品からエアガン関連に限って紹介していきます。
 

東京マルイのブースです。巨大なスクリーンに新製品のプロモビデオを流し、その前では「デカ広報」さんが立ちっぱなしで新製品のアピール。手前には新製品とその解説をするスタッフがずらりと並び、数多くの製品を空撃ちできるサンプルが並んだ山が林立しています。スクリーン背後には無料でBB弾を実射できるシューティング体験レンジもあります。


既に自社イベントで発表済みですが、AA-12をベースにしたオリジナルモデルであるSGR-12。3本の銃身から一度に3発の弾を発射する「ショットガン」であると同時に、フルオート射撃をする電動ガンでもあります。単位時間当たりに発射する弾数は既存のどの電動ガンをも軽く凌駕する圧倒的な火力を誇ります。

フルオートショットガンという異色の存在であるAA-12は、その問答無用の「物騒さ」と圧倒的なスペックが話題を呼び、トイガン化される前から「世界の銃ランキング」的な本とか、銃がたくさん登場するゲーム内などで大きな人気を得ていました。話題の新製品を製品化するということでは、ここしばらくは中韓に遅れをとりがちだった東京マルイが、まさかの電動ガンとしての製品化をしたというニュースは、けっこうな驚きでした。3本バレルで3発同時発射、それをフルオートで連続して撃ち続けるというムチャなメカニズムを実現したという「賞賛の驚き」だけでなく、「なんでまた、あんなクソ格好悪い銃を……?」という「戸惑いの驚き」も合わせてのダブルの驚きでした。
 

2015年のホビーショーで発表された時のAA-12。「合板を銃っぽい形に切り抜いただけ」とも評される不格好にもほどがあるスタイルと、先進性や独創性にあふれる内部メカニズム、そして圧倒的な発射弾数は、いろんな意味で驚きでした。



そんじょそこらの「ハイサイクル」が裸足で逃げ出す勢いの発射弾数はけっこうガチで恐れられ、一部フィールドでは使用禁止にされるほどの「ムチャな製品」だったAA-12ですが、やっぱりこの格好悪さは耐え難かったのか、「格好良くなった新製品」が発売されました。いちおう公式コメントとしては「拡張性がこのままではどうしても足りないので、レールやマウントを追加した新製品を企画しました」というニュアンスのものが発表されていまして、そのAA-12の「拡張性増量モデル」として登場したのがSGR-12というわけです。
 

銃身をほぼすっぽりと覆う鋭角を意識したデザインのハンドガードなど、実際に最近はこういう見た目重視カスタムパーツって多いよね、どこが元ネタなんだろうと思ってたのですが、これは東京マルイの完全オリジナルデザインとのこと。


ハンドガードの上下の一部とレシーバー上面には20mmレールがあり、さらにハンドガード上下の開いたスペースと側面に開いている細長い穴(スロット)には小型のレール(付属する)を取り付けることができます。この取り付け部分の規格にはMAGPULの「M-LOK」というものが使用されていまして、なんとちゃんとライセンスも取っているとのことで本体に刻印まであります。


これが付属するショートレール。長中短の3つが付属します。見た目は完全に金属っぽいんですが、実はプラ製だったりします。


レシーバー上面あるいは下面の開いた部分に付属のレールを取り付けることで、レールを銃身部分から後端までひとつながり(に近い形)にアレンジすることも可能なのだとか。


なおレシーバーは、大きめのトルクスネジで固定されています。「六角ボルトは最近少し時代遅れなイメージがありますし、プラスネジなんか使ったら一気に安っぽくなりますし、マイナスは昭和なイメージですから」というのが理由とのこと。ただし、分解用のトルクスドライバーが付属したりはしないのだとか。基本的にはユーザーには分解してほしくない場所、と考えておいたほうが良さそうです。


付属するショートレールはプラ製ですが、本体のレール(およびハンドガード&レシーバー部分)は金属製です。それもレールをレシーバーにネジ留めしてるとかそういうのじゃなく、写真にある「レシーバー&アッパーハンドガード」と「ロアハンドガード」の2つの部品、それぞれが一体構造になってます。これ、頑丈さは相当なものになるんじゃないでしょうか……。


レシーバー上部には、マグプル「M-LOK」のロゴマークが入っています。


グリップは「M4系」とのこと。この中にモーターが入っているわけで、おそらく他のM4系電動ガン用グリップとの互換性もあるのではないかと思います。


なにげに新製品なのがスペアマガジンです。ショットシェルのお尻部分がシースルーになって見えていますが、もちろんこれはダミー。撃ち続けるとどんどんこれがせり上がって減っていく……なんてことはありません(もしそんなことがあったら、どんな超技術を使ってるんだろうって話ですが)。装弾数は96発、近日新発売で価格は未定とのこと。


既に発売されているAA-12用のドラムマガジン(装弾数3000発)も使用可能です。


SGR-12のバリエーションとして発売になる「トゥールハンマー」。ゲーム「バイオハザード」にも登場するとのことです。SGR-12に比べ、銃身長が少し長いのが大きな違いです。
 

ただでさえ鋭角で物騒なイメージがあるハンドガードが、長くなって物騒なイメージがさらに強調されました。こちらにもSGR-12と同様にM-LOK規格のショートレールが3つ付属します。


レシーバーの刻印などはSGR-12とは少し変えてあります。


実は付属するマガジンもちょっとだけ違います。SGR-12ではショットシェルが赤色でしたが、こちらは緑色になっています。


傍らにはゲーム内のキャラなのか、ちょっと友達にはなれそうにない雰囲気のおじさんが佇んでいました。



その他の、「細々とした新製品」を紹介していきましょう。まずはガスブローバックの色変えモデル。P226E2とデトニクスのステンレスモデルです。
 

「ステンレスモデル」といってもメッキではなく、もちろん素材がステンレスになっているわけでもありません。塗装によりステンレスの風合いを再現したものになっています。ツルツルピカピカではなく少しマット地になっているあたりは、実銃の「ステンレスモデル」の雰囲気を良く再現していると思います。


こちらはデトニクスです。以前、「エンヴァイロ・ハードクローム」という名前で、ピカピカのシルバーメッキ仕上げのものが発売されたことがあります。アレはもう作らないのかついでに聞いてみたところ、「とても無理」というニュアンスの回答をいただきました。


(写真は今回発表の塗装によるモデル)
エンヴァイロ・ハードクロームはメッキ仕上げなので、まずメッキをすることを前提に通常ではありえないレベルの非常に丁寧な表面仕上げが要求される。さらにそれをメッキ行程を通したところで、けっこうな率のメッキ不良品が発生してしまい、それはもうどうしようもないので、事前にかけた手間ごと全部損失になってしまう……とのこと。


(写真は今回発表の塗装によるモデル)
よって、エンヴァイロ・ハードクロームは、「とてもじゃないけれどコストがかかりすぎて商品として売るのは難しいという判断になった」ということのようです。実際に販売された数もそれほど多くないという話も聞きます。もし、現時点で新品傷なしのエンヴァイロ・ハードクロームのデトニクスをお持ちの方、大事にとっておいたほうがいいですよ!


……といっても、今回の塗装によるステンレスモデルの出来が悪いってわけでもありません。最初に書いたとおり、実銃の「ステンレスモデル」って、ピカピカじゃなくてこんな感じだったりします。デトニクスといえばシルバー、という方は気軽に手に入って気軽に撃てるモデルが発売されるわけですから、嬉しいニュースには違いありません。


ガスブローバックM4の新製品です。「スタンダードでシンプル」な形のM4A1ですね。
 

ハンドガード内のヒートシンクがリアルに再現されています、というのが売りとのこと。


これは既に発売中の製品ですが、HK45のタクティカルモデル。グリップがタンカラーになっていて、サイレンサーが付属するモデルですね。


ロングマガジンが発売されるとのことです。



例によってモックアップがほとんどですが、ガスブローバックの新製品「予定」のラインナップです。
 

ようやく色がついたUSP。


グロックのコンパクトモデルであるG19。


「海兵隊仕様のガバメント」であるM45A1。


キンバーのV10ウルトラコンパクト。「キンバー」という名前は、なぜかトイガンの世界ではほとんど使われることがありません。元のメーカーがトイガン業界との付き合いを嫌っているからだとかいろんな噂は聞きますが……。



今回のショットショーでは珍しく……というのは言い過ぎかもしれませんが……10才以上用のエアガンに動きがありました。まずはエアコッキングのパイソン6インチ、ブラックとシルバーの2種類が発売になります。
 

元の銃はダブルアクション(トリガーを引くと、連動してハンマーが起きてシリンダーが回って次の弾が発射されるタイプ)のリボルバーですが、マルイのエアコッキングリボルバーはシングルアクション(事前にハンマーを起こしておいてから、トリガーを引くと弾が発射されるタイプ)です。エアコッキングという構造上、力を入れてハンマーを起こす必要があるのでこれは仕方がないことでしょう。


そのかわりというかなんというか、見た目のスタイルはけっこうちゃんとしたものです。実銃通りにシリンダーを側方にスイングアウトして、そこにBB弾を詰めたカートリッジを1発ずつ装填し、またシリンダーをもとに戻して発射準備完了という手順もリアルなものです。


パイソン用の357マグナムカートリッジも発売されます。



エアーコッキングのハンドガンにも、久々に新製品が追加になります。既存製品の色変えではありますが。
 

デザートイーグルのステンレスタイプ。


個人的には、マルイのエアコキハンドガンの中では最高傑作じゃないかと思っているP228にもステンレスタイプが追加されます。


逆に銀色モデルしかなかったオートマグ3にブラック(スタンダード)タイプが追加になります。


M92Fのスライドシルバー。


同じくM92Fのフレームシルバー。


大柄で狙いやすいサイトを持ち、リアサイトは実は上下方向の調節が可能だったりするなど、「競技用ピストル」としては実はけっこう実力派であるセンチメーターマスターにもブラックモデルが追加。



昨今、需要が高まっている「10才以上用エアガンでのサバイバルゲーム」でのニーズに応えた、0.12gの生分解BB弾。
 

見た目は透明ですがUVカットのパッケージに入っているので、保管する際は袋に入れたままにしておいてくれとの注意書きがパッケージにあります。価格は800発入りで300円です。


次回は、東京マルイ・エアガン以外の新製品についてお送りします。

池上ヒロシ

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池上ヒロシ

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