トリガーについても、書いていたらやたらと長くなってしまったので前後編に分けることにした。後編では練習方法について。
第2回で説明したように、トリガーを引く最終工程は「自動化」によって、無意識のうちに行えるようになる必要がある。トリガーの自動化といっても、セミオートだとかフルオートだとかそういう意味ではない。念のため。
もっとも、誰もが最初から二足歩行出来るわけがないのと同じように、誰もが最初からトリガーを自動化できるわけがない。練習の積み重ねがそれを成し遂げるのだ。
では、どうやって練習したらよいのだろうか? これも歩く練習と同じ。まずは集中してトリガーをキレイに引く練習をすることだ。照準することはまずアタマから追い出して、トリガーだけに集中し、真っ直ぐ後ろにキレイに引く、ただそれだけを練習する。
「白紙撃ち」という練習方法がある。何も印刷されていない白いターゲット、あるいは普通のターゲットを裏返したものでも構わないので、その紙に向かって銃を向けてトリガーを引いて弾を発射するという練習方法だ。オリンピックのトップレベルの選手でも、練習の時はまず最初に白紙撃ちを10発行ってから始めるのが普通だと聞いたことがある。「照準すること」から意識を遠ざけ、トリガーだけに集中して繰り返し撃つことで、「正しいトリガーの引き方」を無意識のうちに出来るように頭の中に回路を作り上げるわけだ。