射撃場の照明の具合や、標的のタイプなどによって「サイトの見え方」は大きく変わってきます。若い頃は、少しくらいの違いだったら自分自身の眼が自動的に補正してくれて何の問題もなく「いつもどおり」に撃てるのですが、40歳を過ぎて眼球が持つ調節機能が衰えてくると、途端に標的が霞んだり、サイトが二重に見えたり半透明になってしまったりといった問題に悩まされることになります。
それを解決する方法はいくつかありますが、その一つがカラーフィルターを使うことです。カラーフィルターの役割というのも大きくわけて2種類あって、一つは標的からの光を和らげてグレア(まぶしさによってものが良く見えなくなること)を軽減させること、もう一つは特定の色を遮ったり通したりすることでコントラストを上げることです。
どんな色、どのくらいの濃さのフィルターが、どういうタイプの射場に合っているのか? こればっかりは試してみないとわかりません。いろんな色、いろんな濃さのフィルターを組み合わせて実際に銃を構えて照準して撃って試してみて、良い具合に標的やサイトが見える組み合わせを見つける必要があります。
元々は自分用として、様々な色・濃さのフィルターを試せる「カラーフィルターセット」を作りました。せっかくだから(材料も大量に余るし)同じく標的の見えづらさで困っているピストルシューターの皆さんにもお分けしようと思い、「あきゅらぼ通販」にて取扱いを始めたのは今年の夏頃の話です。皆さんの意見を取り入れつつ、普通のメガネに簡単にセットできるクリップと組み合わせたり、色の組み合わせを「濃さ重視」「色合い重視」の2種類用意したりとバージョンアップを積み重ね、好評をいただいております。
先日、電子標的のある射場での大会に出場した際、標的のグレアがいつも以上に厳しくてフィルターを使ってもサイトが霞んでしまうという症状に悩まされました。いろいろ試した結果、フィルターを強引に2枚重ねにすると良い具合に標的もサイトもスッキリと見えるようになることを発見したのは、もう第3シリーズも終わってから。それ以降のシリーズは自分で言うのもなんですがなかなかの高得点で、もしこの得点が第1シリーズから続いていれば、オリンピック選手と並んでファイナルに出場できていたのにと悔しい思いをしました。
従来のカラーフィルターは2枚重ねには対応していません。上の大会で私がやった2枚重ねは、メガネに挟み込むクリップ部分に強引にもう1枚を挟むやり方だったので、安定はしませんしちょっとしたことでフィルターが落ちるしメガネにキズが付きそうで怖いしと、あまり他の方にお薦めできる方法ではありませんでした。
そこで、そういうムチャをしなくても簡単にフィルターを2枚重ねできるように、通常よりも長めのネジを発注しました。そのネジが昨日到着しましたので、どんな具合になるかを写真で紹介したいと思います。
なお、本日以降の「カラーフィルターセット」のご注文には、予備として付属するネジ2本がこのロングタイプのものに変更となります。
フィルター2枚重ね(無理すれば3枚重ねも可能)に対応した、バージョンアップ版の「カラーフィルター5枚セット」は、「あきゅらぼ通販」にて販売中です。