おまたせしました。土曜日に赤羽フロンティアビル2Fシューティングレンジにて開催されました「ひたすらシルエット」&「ひたすらブルズアイ」の結果です。
雨降りの土曜日ということもあったのでしょうか、参加人数はちょっと少なめではあるものの、5名のご参加をいただき、なんとかマッチっぽくなりました。ありがとうございます。
「シルエットの10mは不確定要素が強すぎるため、APSカップを射撃技術を競うスポーツではなく、当たればラッキー、外したら残念というお遊び(くじ引き)要素の強い射的にしてしまっているのではないか」という、某匿名掲示板で巻き起こった議論を傍から見ていて、「だったら、そもそもその前提条件はどうなのか実際にマッチをやって確かめてみればいいじゃん」ってのが開催動機だった「ひたすらシルエット」ですが、やってみると得るものがとても多く、ならばいっそと定期開催することになったという経緯があります。
まず、「同じ距離、同じ姿勢、同じ的」を撃ち続けることでの技術の確認です。当たったらすぐに次の的のことを考え始めなければならない通常のAPSカップ・シルエット競技と異なり、ずっと同じ的を撃ち続けるので、外した時には「なぜ外したのか、どこがミスだったのか」を自分で考える、当たったら当たったで「なぜ当たったのか、どう撃てば同じように撃てるのか」を考える機会が生じます。
その繰り返しにより、今まで当てるためと思ってずっと行っていた方法が実は外す原因になっていたことに気づき、それを止めたとたんに命中率が格段に上がったりする……なんてこともあります。いろんなことをやらされる複雑なシューティングマッチであるAPSカップですが、できるだけその要素を細かく分割して、その一つ一つをじっくり繰り返して問題点を洗い出し確実に得点を取る方法を編み出していく、ってのが結局のところ最も大事なことなんじゃないか、なんて私は思うのですがどうでしょうか。
さて、今回の「ひたすらシルエット」。距離は6mです。APSカップだと、「10m、9m、8m、7m、6m」と5つ並ぶシルエット・ターゲットのうち最も近い距離になりますので、シルエットのステージを組んだ状態で射座に立って見ると、「すごい近い、簡単に当たりそう」って気持ちになるのですが、今回みたいに6mだけをずらっと並べて見ると、「これに百発百中で当てるって、けっこう難易度高くね?」って気持ちになります。
競技スタート、タマイさんがいきなりアンラッキーなトラブルです。ちゃんとターゲットに当たって倒したのですが、その時の跳弾が横のターゲットに当たり、よりにもよって跳弾が当たったターゲットが真横を向いた状態になってしまったのです。シルエット・ターゲットはL字アングルを長さ3cmに切ったものが材料になっていますから、正面を向いている時と比べ横を向いている時は、極端に前面投影面積が小さい、言い換えると「当てるのが難しい小さいターゲット」になってしまうのです。
さて、どういう扱いにするべきか……? 「ひたすらシルエット」は、基本的にAPSカップのシルエット・スタンディングのルールを準用しています。シルエット競技で、手前のターゲットに当たって跳ね返った弾が他のターゲットに当たって横を向いてしまった場合の扱いというのは決まっていたかどうか……? たしかそんな状況を想定したルールは無かったはず。けれど、跳弾に当たることで(まだ撃ってない)他のターゲットが倒れたり落ちたりした場合は、それは有効になるというルールはあったと思う。跳弾で落ちた時に得点が有効になる(元には戻さない)のなら、跳弾で横を向いた時も元には戻さないというのが筋になるのではないか?
というような、数秒間にわたる脳内会議の結果、「その、横になったターゲットはそのままで。救済措置はなし」という裁定を下しました。タマイさんはその後、(正面を向いてるターゲットに対して)1発を外し、第1シリーズは2発外しという結果になりました。
タマイさんならすぐに挽回できるだろう……と思ってのことでもあったのですが、「距離6mともなれば、パーフェクトを撃てるかどうかで勝敗が決まる」という状況だったことに気づいたのはその後です。序盤で2発外しとなってしまってはほぼ絶望、他の人にパーフェクトペースで撃ち続けられたら、自分がいくら頑張っても挽回は不可能ということになります。2シリーズ、3シリーズと重ねていくと、その「パーフェクトペースで撃ち続けている他人」がよりにもよって私だけという、外道な展開になってしまいました。
最終となる第4シリーズ、なんか余計なことが頭ン中でぐるぐると回り続けてた私は案の定というか2発を外して脱落、最初に1発を外したあとはパーフェクトを続けていたシオジャケさんが優勝となりました。
ただ、決して「責められるのが怖いからワザと外した」わけじゃありません。というか私はそんな器用なことはできません。邪念が渦巻いてたのが原因というのなら、本戦なんか今回なんか及びも付かない多種多様の邪念が渦巻いて離れないのが常です。「絶対外すハズなんかない」と思ってた6mシルエットも、いざそれだけをひたすら撃ってみると外してしまうものなんだ、ってことが今回の収穫でしょうか。
優勝したシオジャケさん以外の皆さんも、2回以上はシリーズパーフェクト、つまり「5つ並んでるターゲット全てを5発で倒す、一発も外さない」というのをやっています。5発必中ができるのですから、実力的には20発必中だってできる人が揃ってたんだと思います。なのに結果はこうなった。
これまでの10~7mでの「ひたすらシルエット」の結果のことを思い返してみるにつけ、「シルエットは、どうやら自分が思ってるよりも実際には当たらないものなんだ」ってことを思い知らされました。今年のAPS本戦では、10mから撃ち始めるなんて思い上がったことはせず、最も近い距離から撃ち始めることにします。
「同じ距離、同じターゲットをひたすら撃ち続ける」といったら、ひたすらブルズアイです。実銃のライフル射撃&ピストル射撃は基本的にそういう競技ですが、エアガンのマッチで同じことをやっても皆さんには受け入れてもらえないんじゃないか、と以前は思っていました。
それもあって最初はいろんなステージを組み合わせた複合競技である「ピンポイントシューティング」をスタートしました。バリエーション豊かなステージを次々に撃っていくスピード系のシューティングマッチを見ていると、実銃射撃みたいな「ブルズアイターゲットだけを延々と撃つ」なんていう地味極まりないマッチを始める勇気は無かったのです。
そんな中、みなさんのお話や要望をもとに「本当に大丈夫なんだろうか……」と不安に思いながらもスタートした「ひたすらブルズアイ」が予想外の好評を得まして、認識を新たにしたという経緯があります。「実銃での射撃競技やってる人も、エアガンでシューティングやってる人も、そんなに変わらないんだな。ただ、撃ってる銃のパワーがちょっと違うだけで」という認識に至ることになったきっかけでもあります。
そんな「ひたすらブルズアイ」の第1回、あの時は今のような60発ではなく50発競技でしたが、その記念すべき初代チャンピオンがタマイさんでした。あのあと、途中から数がわからなくなってしまって今では通し番号にはなっていませんがけっこう長い間「ひたすらブルズアイ」を続けてきていましたが、今回のタマイさんの優勝は、なんとその第1回以来なのだそうです。
参加人数は(私を入れて)6名でしたが、560点台が2人、私も559と決して悪いスコアってわけでもなかったのですが、そんな中で飛び抜けて高得点を記録しての堂々の優勝です。おめでとうございます。
さて、今週は赤羽フロンティア2Fシューティングレンジは、週末の「JSC・APSカップ同時開催」に向けた追い込み練習回モードに入ります。そして週末の日曜日はいよいよAPSカップ本大会ですね。皆さん、悔いのない結果を残せるよう、楽しんで練習し楽しんで本番に臨みましょう!
次の「ひたすらシリーズ」は、来月の最初の日曜日になる「8月7日」に開催です。久々の日曜開催ですね! APS本大会も終わったあとということで、しばらくやっていなかった「ガスブロ限定・ひたすらブルズアイ」も一緒に開催したいと思います(もちろん、APS銃ありの通常のひたすらブルズアイも行います)。ご参加お待ちしております。