カラーフィルターで照準しやすく【海外の反応】

うぉぉおおお! ターゲットが眩しいっ! サイトがかすむ! 助けてくれ!
そうだ、フィルターだ、カラーフィルターを使えばなんとかなるかもしれない!

……といった具合で、先日の東日本(藤枝)以来、眩しく光る新型電子ターゲットに年老いつつある眼で対応するべく、カラーフィルターの選別に躍起になっているピストル撃ちの一人です。ターゲットが、直射日光が当たったり当たらなかったりする場所に設置してある朝霞射場ならともかく、完全屋内の管理された照明が当たり前という時代になって、再びカラーフィルターの出番があるとは思いもよりませんでした。

カラーフィルターといっても、直射日光とかが眩しいから、光を低減するための単純なグレー色もあれば、ターゲットやその背景、屋内の照明の色合いなどに合わせて色合いを調整するカラフルなものもあったりします。何色はどういう効果がある、みたいな話は色んな人から良く聞きますが、実際のところどうなのかは「試してみないとわからない」ってのが現実です。

射撃用品として販売されているものは、一枚あたり5000~8000円くらいします。射撃眼鏡のレンズ枠にパチンとハメることができるとか便利な点もありますが、「とりあえず試してみる」だけで購入するにはちょっと勇気がいる値段……ということで先日、アクリル屋で買ってきた透明板を丸く切り抜いて「お試し用フィルター5枚セット」なんてものを自作したりしました。
 
直径25mmのカラーフィルターお試し5枚セット。1,000円で販売中です。ご希望の方は、「あきゅらぼ通販」よりご注文ください。

海外射撃掲示板でも、射撃眼鏡のオプションとなるフィルターやアイリスシャッターについては、しばしば話題になるようです。ピストル射撃では、銃のサイトにレンズやフィルターを取り付けることはルールで禁止されていますが、それが許されているライフル射撃の世界では、射場の環境にあわせた適切なフィルターの選択というのはスコアに直結する重要な射撃スキルの一環といった位置付けにあるようで、さらに専門的な会話が交わされていたりシました。

そこで今回は、ピストル射撃板にあった「フィルターの選び方」と、ライフル射撃板にあった「アイリスシャッターとカラーフィルターの選び方」について、二本立てで抜粋と意訳をお届けします。

フィルターの選択

引用元:Filter selection (TargetTalk)


  • インドアでの10mエアピストル射撃において、グレア(※)を低減するために使うフィルターについて質問です。①カラーの選び方、②適切な濃さの選び方、この2つはどうやって決めたら良いのでしょうか?
    とりあえず今はグレーのものを使っています。クラブにはカラーフィルターを使っている人がいないので、「借りて試してみる」ってことができません。通販でいくつかフィルターを購入してみたいと思っているのですが、自分に合ったフィルターを選ぶために、とりあえずお試しで何種類かのフィルターを試してみるいい方法はないでしょうか? 例えば、安いサングラスを何個か買ってみて試してみるとか。(アイルランド)
    ※グレア:眩しい光によって、モノの形がハッキリ見えなくなること。参考:Wikipedia

    →偏光フィルターはグレアを低減します。カラーフィルターは光のバランスをとるために使用されます。
    どんな色のフィルターを使うか、色の鮮やかさや濃さのレベルはどのくらいが適切かといったことは、射場の照明がどんな具合かよります。白熱灯かアーク灯か蛍光灯か、明るさはどの程度かといったことです。昔ながらの外光を取り入れたタイプの射場の場合も、一日のうちどの時間なのかとか、季節や天候によって光の具合は大きく変わってきます――例えば夏の正午の太陽は青く、弱い冬の太陽は黄色いといった具合です。
    写真趣味のWebサイトはけっこう参考になります。HOYAのWebサイトには光学フィルターの使用によってどのように写真が変化するのかが、とても詳しく記されています。(オーストラリア・メルボルン)
     
    →試行錯誤は大きな経験になります。私は最終的にはかかりつけの眼科医に「非常に明るいグレー」のレンズをオーダーし、その結果に満足しています。光透過率が90~95%、フィルターを通して白い紙を見た時に「ほんのりと色づいている」のが分かる程度のフィルターが良いと思います。一般的に販売されているフィルターはアウトドアユースを前提としたものなので、インドアで使用するとまず確実に透過率が低すぎる(色が濃すぎる)結果になります。
    クノブロッホは、37mmレンズにクリップで取り付け可能はイエローフィルターを作っています。アメリカで購入するとだいたい23ドルといったところです。(アメリカ・デラウェア州)
     
    →屋内で使用する際の私のお気に入りは、チャンピオンのACE(アメジスト・コントラスト・エンハンサー)という名前のアメジスト(紫色)のフィルターです。ちょどいい感じに光が低減してコントラストがハッキリします。次に好きなフィルターはオレンジ色のものです。(カナダ・オンタリオ州グエルフ)



ここまではピストル射撃板に立てられていたスレッドでのやりとりです。以下は、ライフル射撃板のスレッドです。「銃のサイトに直接フィルターを取り付けることが許されている」という点で、ピストル射撃とは使えるツールの自由度に大きな差があります。

アイリスシャッターとカラーフィルターの選び方について質問

引用元:Two questions. Adjustable iris choice and color filters.(TargetTalk)


  • 私はゲーマンのアイリスシャッターを使用しています。その品質には満足しているのですが、セントラやアンシュッツのような「ずっと高価な」製品について、その値段の差がどこにあるのかが気になっています。上記の3つのメーカーの製品は、機能としては同じように見えます。みなさんはどれを選びましたか? そしてそれはなぜですか?
    もうひとつ、質問があります。カラーフィルターについてです。グレアを軽減するために、自分が使っているクノブロッホの射撃眼鏡にクリップオン式のレンズを取り付けようかと思っています。実際、射撃眼鏡にフィルターを追加するというのはどんな感じなのですか? どういった効果があるのでしょう?(国籍不明)

    →私もゲーマンのアイリスシャッターを使っています。私が知るかぎりでは、高級品とくらべても品質の点では「ほぼ同じ」です。実は購入前にクラブの皆に相談したところ、「安いので十分」って意見が大多数だったのです。
    ただし例外があります――もし、「セントラのスパイ」やそれに類似した小さいリアサイトを使っているのなら、サイトに合わせるためにより小さいアイリスシャッターを選ぶ必要があるかもしれません(訳者注:このスレッドはピストル射撃板ではなく、ライフル射撃板に立てられたものです)。
    射撃眼鏡に取り付けるカラーフィルターについては、私はいままで使ったことがありません。私はフィルターはリアサイトに取り付けるのが好みです。なぜなら明るさのコンディションに合わせてすぐに取り外したり変更したりできるからです。私は、「赤みがかった茶色」や「何種類かの濃さが異なるグレー」のフィルターを好んで使います。偏光フィルターについては、アイリスシャッターを上手く使えば同じ効果があることがわかったので、今は使っていません。(アメリカ・カリフォルニア州)

    →すでに書かれてますが、私もゲーマンのアイリスが特に品質に劣ると感じたことはありません。私はスペアのリアサイトとして「セントラのスタート・ライン」を持っていますが、正直、違いが分かる人がいるとは思えないレベルです。私の知る限りでは、アンシュッツブランドのアイピースはセントラが作っています。
    私個人は、クリップオン式のフィルターを使うことはありません。クラブの仲間にそれを使ってる人がいますが、しょっちゅう落っことしてます――その製品特有の問題なのかもしれませんが、アレを見てると使う気にはなれません。あまりフィルターを使用しないのならば、アイピース内蔵型のフィルターが便利です。欠点はフィルターが汚れやすく手入れに手間が掛かることくらいです。フィルターの色ですが、私は黄色を使っています。(イギリス・サマセット)

    →「値段の差は品質の差ではない」って点に同意です。私は自分のライフルにセントラとAHGのアイリス絞りを使っていますが、両方とも作ってるメーカーは同じで、違いといったらラベルとか刻印だけです。
    利点は、分解して掃除できることです。
    私の意見ですが、複数のフィルターの組み合わせを簡単に試せることは競技において重要です。(ドイツ・フランクフルト)

    →眼の見え方は人によって異なりますが、私はカラーフィルターを使うのはやめました。自作の「フロントサイトグレアフィルター」を使うことで、私はゲーマンのアイリスシャッターの絞りを調整するだけで済むようになりました。これは、競技中に気を使う必要がある要素を一つ減らすことにも繋がります。(国籍不明)


「これが正解」といえるようなものはなく、射場の環境などに合わせて適切なフィルターの選択は変わってくるというのが実際のところのようです。色としては、「薄いグレー」「黄色」「オレンジ」「パープル」といったところが、だいたいの定番って感じになるのでしょうか。

今回翻訳したスレッドとは別に、フロントサイトがぼやけるのに対応するためのフィルターの選び方についての質問から、そもそもフィルターは必要なのか、適切なレンズを選ぶ方を優先するべきじゃないのかとか、偏光フィルターが適しているというアドバイスと、いや偏光フィルターは射撃には何の役にも立たないと反論する意見だとか、実に興味深いやりとりが交わされているスレッドもありました。現在翻訳中ですが、かなりボリュームがあるのでちょっと時間がかかっています。数日中にはUPできると思いますのでお楽しみに。

池上ヒロシ

Share
Published by
池上ヒロシ

Recent Posts

採点ゲージの使い方

「ひたすらブルズアイ・オンライ…

2週間 ago

2024秋のひたすらブルズアイ・オンライン 結果発表

協賛(順不同): エイテック様…

2週間 ago

10月27日(日) 亀有ピストル練習会

秋のひたすらブルズアイ・オンラ…

4週間 ago

2024秋のひたすらブルズアイ・エントリーページ

エントリー受付期間 10月13…

1か月 ago

2024秋のひたすらブルズアイ・オンラインを開催します

協賛:蔵前工房舎様、エイテック…

2か月 ago

モリーニ vs ステイヤー

競技用のエアピストルのシェアは…

2か月 ago