Categories: 実銃射撃

全国冬季ピストルin朝霞

平成20年度最後の大会となる全国冬季ピストル。ちょうど全く同じ日程で、宮城県石巻にて全日本選手権が開催されているため、トップ選手の大半はそちらに参加しており、「上位を狙うなら今しかない」状態となった。

正直言うと全日本の方に参加したい気持ちは凄くあったのだけれど、日程的に仕事が厳しい時期だったので近場のほうを優先した次第。ああ、石ノ森萬画館とか海鮮いちばとか、行きたかった。観光情報を集めてワクワクしてたのだけれど、まあ仕方ない。いつかまた機会もあるだろう。

人数も競技も多いので全部で3日間、エアピストルは土・日の2日間かけて行われる。土曜日は快晴で気温も高く、そのかわりちょっと風が強めの天候。そして私が参加した今日の日曜日は今にも雨が降り出しそうなどんよりした曇りで気温は死ぬほど寒く、そのかわり風はほとんど無い。暖かさか無風コンディションか。申し込み時に土日のどちらを選んだかで運命が分かれることとなった。

自腹で一万ン千円払って参加したピストル指導者講習会で聞いた内容を、自分の射撃に取り込んでいろいろ試すようになってからもう1年ちょっと。ようやく効果が見え始めたらしく、ここのところ少しずつ点数が安定して高めを撃てるようになったので、そろそろ4段を賭けてみるかと朝に出発したときは思っていたのだけれど、朝霞に到着したころにはその気持ちはすっかり凍えていた。寒い。土曜日に暖かかったから舐めていてバイク用のオーバーパンツを履いてこなかったのが敗因だ。

しかし撃ち始めてみるとそれなりに安定している。指がこごえてトリガーミスをすることも数回はあったが全般的には「10点モード」を維持できて、撃ち終わってみれば561。成績表を見ると560点台は私を入れて3人、やったぜメダルゲットだぜなんて思ってたら、他に570が2人いたのを見落としていたことを指摘されて気づく。というわけで結果は5位という事に。全国季節ピストルでは初の入賞となった。今にも降ってきそうな空模様は続いていたので撃ち終わったらさっさと引き上げるつもりだったのだけれど表彰があるとなるとそうも行かない。

久々の良い点ではあるけれど、この点数自体はエアピストルを始めた年に一度試合で撃ったことがある。高知国体の時の東京都代表選考試合だ。撃ち方自体は今日のとは全く違う、グリップを力任せに握りこんで無理矢理銃を止めてトリガーをガク引きするという、とても再現できない「良くない」撃ち方だった。その後のブロックでは惨敗したわけで言ってしまえば「まぐれ」だったわけだけれど、それでもその点を撃つだけの意識の高さはあったということだ。念願のエアピストルを持てて、ワクワクして練習を重ねて、その成果が出て点数がどんどん上がっていく楽しさ、それがあったからこその「まぐれ」だったと言える。

やっぱり射撃は楽しんで撃つのが一番いい。試合が始まるときは「今日もいっぱい弾が撃てるぞ」、最初のシリーズが終わったときは「あと50発も撃てるぞ」、半分撃ったときは「あと30発も撃てるぞ」てな具合に、ワクワクしながら「まだまだ撃てるぞ、楽しいな、楽しいな」と、そういう気持ちで撃ち続ける。それが結果的には試合でも良い点数に繋がるんじゃないかと思う。

池上ヒロシ

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