全国各地の射撃場で少しずつ普及が進んでいる電子標的。ターゲットを通過した瞬間の弾の軌道を、音波や光を使って測定することで、これまでの「穴の開いた標的紙を審判が見て点数を決定」というやりかたに比べて集計や結果発表に要する時間を大幅に短縮することに成功しました。
とはいえ、実際に撃った場所の証拠が、紙に開いた穴としてこれ以上ないほどに明確に残る紙的に比べると「なんとなく信用ならない」と感じる人は少なくないようです。先日アップした「海外の反応」シリーズの、フリーピストルが無くなるかどうかって話がされていたスレッドの中にも、電子標的についてちょっとした議論が巻き起こっていましたので、簡単に抜粋して紹介したいと思います。
引用元:TargetTalk
それが今じゃ、撃ってるのは黒いトイレットペーパーときたもんだ。電子標的は、ありとあらゆることを、昔よりずっとずっとずっとずっと悪くしている。(国籍不明・多分オーストラリア)
→ベルギーの人の意見に完全同意します。
私はスコットランドで行われている全ての10m/50m射撃競技にて電子標的の運営をしているチームの一員です。私が知る限り、競技者や観客の中に「紙的の方が電子標的より良かった」なんて言ってる人は一人もいません。(スコットランド)
→それは、聞く相手を間違えてるだけだろ。自分たちが参加したり見たりするイベントに使用するターゲットとして、電子標的か紙的か、正しい選択ができなかった人間なんだからさ。
俺がイベントを主催するなら、全ての電子標的を破壊して紙的に戻すね。観客は全てのショットが紙に穴を開けるのをしっかり見ることができる。何の費用も必要ない、観客がいったん家に戻って双眼鏡を持ってくれば済むだけの話だ。
電子標的じゃあ、安っぽい3色の画面に表示されるクソみたいなドットで描かれた十字線しか見えない。それとも黒トイレットペーパーに開く穴でも見てろってのか?(国籍不明・多分オーストラリア)
→ファイナルを紙的でやってごらんなさい。20発撃つのに予選の60発より時間がかかりますよ。これが、私が電子標的のほうが良いと考える理由です。(国籍不明)
→はい、「そこらへんのことについての専門家」です……が、すみません、何も言うことができません。ただ言えることは、SIUSは2020までのジュニアカップ、ワールドカップ、ファールドカップファイナル、世界選手権での契約を結んでいるということだけです。(イギリス)
なんか、やけに電子標的に対するヘイトが溜まってる人が一人いますね……。「弾が的に当たって穴が開くのが見えないからダメ」ってのはちょっとどうなんでしょうねえ。「飛んで行く途中の弾が見える」ってのにヤケにこだわってますけれどそれってそんなに大事?
「ファイナルを紙的でやると大変」ってのは確かにその通りです。今はやらなくなりましたが数年前までは東京都選手権でソレやってましたし、石巻で開催されてる全日本選手権でも紙的を回収しては発表、回収しては発表という形でファイナルやってました。宮城ライフル射撃場には今年から電子標的が入るので、あの人海戦術で乗り切った紙的ファイナルも今年が最後になるとのことですが。