十何年越しで4段ゲットに成功し、50mピストル(フリーピストル)所持に向けて推薦手続きに入っている私ですが、その一方で50mピストルがオリンピック競技から外されるんじゃないかという噂も耳にして戦々恐々としてたりします……いや、自分がオリンピック出れる可能性なんてゼロに等しいんですが。
海外の射撃競技系掲示板でも、そのことが話題になっています。自信満々に真反対のことを断言する人が複数いたりするあたりは日本のネット掲示板とたいして変わりませんが、世界各国から入ってくる情報ということで日本だけであーだこーだ言ってるよりは有意義な情報になるのではないかと、簡単に抜粋してみました。
読む前に基礎知識……それぞれの競技の正式な呼び方というのが、ここ数年で変わっているので、文中の表記も揺れています。統一してもいいんですがニュアンスを残したいのでできるだけ元の文にある表記そのままで翻訳しています。簡単に言うと下記のようになります。
●男子競技
フリーピストル=FP=50mピストル(60発)
エアピストル=AP=10mピストル(60発)
ラピッドファイアピストル=RFP=25mRFP
●女子競技
スポーツピストル=SP=25mピストル
エアピストル=AP=10mピストル(40発)
引用元:TargetTalk
→>50mピストル用の射撃場は、他のスポーツには一切利用できない専用のもの
そんなことはないでしょう。50mピストルは、50mライフルと基本的に同じ射場を使います。もしそれも一緒にオリンピック競技から外そうなんて話になったら、私はマジで驚きますが。(イギリス)
※訳者注:ピストル男子は、「①50mピストル」「②25mラピッドファイアピストル」「③10mエアピストル」の3競技ありますが、ピストル女子は「①25mスポーツピストル」「②10mエアピストル」の2競技しかありません。男女平等を目指すなら女子競技を一つ増やすか、男子競技を一つ減らすかしないとなりません。ですが夏季オリンピックは競技数が増えすぎて飽和状態なので、増えるということはありえません。なので男子ピストル競技が一つ減るのは確定事項だ、というのがこの人の主張です。
まだ決定ではありませんが、オリンピック公式競技から削除されるのは下記の3競技になる予定です。
男子50mライフル伏射60発競技
理由:テクノロジーに依存しすぎて、アクションが欠如している
男子50mピストル
理由:10mピストルと技術が重複している
男子ダブルトラップ
理由:参加人数が少ない
これらの競技は、ISSF競技としては存続します。15種類の射撃競技をオリンピック公式に残すため(中には、男女混合競技も含まれる可能性があります)に最大限の努力を払っていきます。
すでに上でも書かれてますが、女子スポーツピストルで25m射場を使用するので、同じ射場を使用する唯一の他競技であるラピッドファイアピストルは残し、その代わりにフリーピストルをなくすということらしいですね。ラピッドファイアピストルは、「TV映えのする」競技だということも理由の一つでしょう。男女混合競技ってのが具体的に何のことなのかは、現時点では全くわかりませんが。
1896年(近代オリンピック最初の年)から続いている射撃競技の元祖が、こんな形で終わってしまうことを非常に残念に思います。
いずれにせよ、単に参加枠を調整するためだけに歴史ある競技を排除することが正しいことだとは、私には思えません。そんなのはすでにオリンピックスポーツとは呼べません。
元記事はこちらから:The Future of Olympic Shooting(USA Shooting News)※購読にはメールアドレスの入力が必要
(国籍不明・アメリカ英語が混じってるんで多分アメリカ)
→>フリーピストルは、全てのオリンピックで行われているただひとつの射撃競技
いや、それは違うはずです。1924年と1932年は? 多分、ラピッドファイアピストルのほうが多くのオリンピックで正式競技だったんじゃないかと思います――違うかもしれませんけど。(イギリス)
→調べたんですが、確かにラピッドファイアピストルも全てのオリンピックで開催されていました。とはいえラピッドファイアピストルは、銃の口径や形やトリガープルや、さらにはターゲットの形に至るまで劇的といっていいルール変更があり、昔と今とではスコアを比較することも困難です。フリーピストルはそんなことはありません。(ベルギー)
→水泳と射撃の違いは、TVで何百万人もの人が「ちょっとだけ違う別のレースを泳ぐマイケル・フェルプス」を視聴するのに対し、フリーピストルは誰も見ないって点だよ。(ニュージーランド)
→いやいやいや。トンデモは止めようや。パルディニーだってワルサーだってヘンメリーだって「競技に使えるフリーピストル」を作ってるよ。私は実際にそれら全てを撃ったことがあるし、パルディニーとFP60はモリーニ同様に高い評価に相当する優れた銃だ。(北アメリカ北西部)
→マッチガンズMG5を忘れてもらっちゃ困る。(オーストラリア)
→LED表示ってのは良いね、間違いなく人気が出るよ! すぐにISSFに申請しなきゃ! LEDは絶対ターゲットの上ね! ワオ! 凄いぜ!(国籍不明、多分オーストラリア)
「射撃競技は、他のスポーツに比べてマイナーで、TV中継も冷淡」ってのは、日本に限らず世界中どこでも似たような事情みたいですね。もっとも国によって温度差(熱さの違いというよりは冷たさの違い?)はあるようですが。