Ｑ：両手/片手・立射/委託で着弾点が変わるのはなぜ？
Ａ：姿勢のせいではなく、トリガーの引き方のせいかもしれません。
本来なら、同じ場所から同じ距離にある同じターゲットを同じ銃で撃っているのだから、弾が当たるのも同じ場所にならなければおかしいですね。でも実際には撃ち方を変えると当たる場所が変わる。なぜでしょうか？
撃つ場所の「高さ」が変わっている場合、例えば立って手で持って撃ってる時と、座って台の上に乗せて撃ってる時とでは、後者の方が銃の位置が低くなる、言い換えると高い位置にあるターゲットに向かって撃ち上げる形になるわけです。それだと着弾点が変わるのはわかります。エアガンの場合はけっこう顕著に影響が出まして、特に背が高い人（立射と委託との高低差が激しい人）だと、座って撃つと明らかに弾が当たる場所が低くなったりします。これは、「立射とプローンでは狙う位置を変えなきゃならない」ってことにもつながってきますのでけっこう重要です。
そうじゃない場合、つまり高さが変わってるわけじゃないのに、両手で持って撃つのと片手で持って撃つのとでは着弾位置が上下、あるいは左右に変化してしまうのはなぜか？ 目から銃まで（リアサイトまで）の距離が変わるからというのが理由じゃないかという説がAPSラジオでは提唱されていました。それはそれで理由の一つかもしれませんが、多分最も大きな原因は、「トリガーを引いてから弾が出るまで」の銃の動き方、言い換えると「固定され具合」に変化が生じているからではないかと思います。
考えられる具体例を出して説明します（質問者さんがそうなのかどうかとは別です）。狙ってトリガーを引いて、シアが切れる瞬間に銃が左に動くクセがある人がいたとします。なら弾は左に当たるのかというとそうじゃなく、「いつも弾が左に飛ぶから」という理由でリアサイトを右におもいっきり動かすことで、「撃つ瞬間に銃が左に動くと、弾が真ん中らへんに飛んで行く」ように調節してあります。
そういう人が、片手ではなく銃を両手で支えたり、あるいは台の上にしっかり置いて撃ったりするとどうなるでしょうか？ トリガーを引いた瞬間の銃の動きが抑制されて、いつもより弾が「真っ直ぐ前の方に」飛んで行くことになります……が、サイトが動かしてあるので弾はターゲットの中心ではなく右にズレて当たってしまいます。
これは「左右にズレる例」ですが、同じことは上下でも起こりえます。トリガーを引く時に銃を上にしゃくりあげるクセがある人が、両手で銃をしっかり抑えこんで撃つとそれが起こらないので、いつもより弾が下に当たる……なんてのは起こりがちな例です。エアピストルでは銃を両手で持って撃ったりはしないので、これはAPS特有の「悩み」と言えるかもしれません。
どうやって対処すれば良いか？ 両手持ちと片手持ちで狙う位置（あるいはサイトの調整）を変える、なんてのはとりあえずスコアを上げるためには有効な手段ではあります。けれど、それは根本的な解決にはなりません。なぜなら、そもそもの問題として、「トリガーを引く瞬間に銃が動く」のは良くないことだからです。サイトの調整によってなんとか真ん中らへんに飛んで行くようにすることはできますが、毎回毎回、完璧に同じように銃を動かしながらトリガーを引くなんてことは、人類には不可能です。正確に撃ちたいのならば、トリガーを引く瞬間には銃を動かさないように練習する、それが王道の方法です。
両手撃ちと片手撃ちとで、弾が当たる場所が極端にズレる。それは、「トリガーをちゃんと引けていない（引く時に銃が動いてしまっている）」証拠である可能性があります。確認するには、まず自分で撃つ時にサイトをしっかり見て撃って、トリガーを引いた時にサイトが動いていないかどうか確認すること。他には誰か他の人に撃つ所をしっかり見てもらって、トリガー引いた瞬間に銃が動いてないかどうか調べてみたり、三脚に固定したカメラを使って、自分が撃つ瞬間の銃のどアップを動画で撮影して後から見返してみたりするのも良い方法です。
その上で、銃を動かさずにピタリと静止させたままトリガーを引けるように練習する。これが王道にして、高得点を目指すための最も手っ取り早い近道だと思います。