レンタル用のAPS-3(多分、最新ロットのもの)をトリガーチューンするために分解したのだけれど、ついでに分解手順を一つ一つ写真を撮ってみた。APS-3のカスタムやメンテナンスをする人のお役に立つかなと思って掲載します。
※注:かなりの大作になってますのでお時間のあるときにでもどうぞ。
使用する工具一覧。太字は、ちょっと特殊だけれど必ず用意しておきたいもの。
(1)ドライバー(太)、(2)ドライバー(中)、(3)ピンポンチ、(4)精密マイナスドライバー、
(5)六角レンチ(1.27mm)、(6)六角レンチ(1.5mm)、
(7)先端がボール状になっている六角レンチ(2.5mm)、(8)プラスチックハンマー。
分解のお約束として、まずは安全確認。マガジンを抜き、銃口を安全な方向へ向けてトリガーを引き、弾が発射されないことを確認する。
グリップ底部にある大きな穴の奥のほうにプラスのネジの頭がある。
グリップスクリューと、スプリングワッシャー、普通の平らなワッシャーの3つの部品が転げ落ちてくる。
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グリップを外すと、ヒゲバネとコイルスプリングの2つのスプリングが現れる。左写真で赤矢印で示したのが、アッパーカバー(コッキングするときに操作するレバー)を閉じる方向にテンションをかけている「コッキングレバースプリング」。
うっかり触ると外れて吹っ飛んでいくので注意。根本部分を飛ばないように抑えながら、アッパーカバーに引っかかっている部分を外す。
ピンを外しただけでは、アッパーカバーは本体とつながったままで外せない。このままの状態で作業を続ける。
ピンポンチセット (Amazonリンク)
サイドプレートの取り外し
APS-3は、金属製のシャーシを樹脂製のプレートが挟み込んだ構造になっている。まずはその左右のプレートを外す。
トリガーの前方にあるトリガーガード(フロントトリガーガード)を外す。斜め下にあるプラスのネジ1本を外すだけでOK。
フロントトリガーガードを外したところ。まずこのパーツを外さないと次のプロセスに移れないので注意。
左側のサイドプレートを外す。左写真で赤矢印で示した3本のネジ(1つはプラス、2つはマイナス)を外す。
プラスのネジは中サイズのプラスドライバーで外せる。
2本あるマイナスのネジは、かなり小さめなので精密ドライバーが必要だ。
次は右側のサイドプレートだ。赤矢印で示したプラスネジを1本外すだけでOK。
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チャンバーブロック(上)とレシーバー(下)の分割
ストライカー部分を境にして、全体を上下に分割できる構造になっている。上が「チャンバーブロック」、下が「レシーバー」という名前だ。
サイドプレートを外すと、ストライカーやシアの一部が剥き出しになる。
ストライカースプリングを外す。写真のようにマイナスドライバーなどを入れてスプリングを縮めて、側方に曲げてスプリング後端部にあるプレートを横方向に外す。
全体を上下に分割する。赤矢印で示した4つのピンを抜く。
チャンバーブロックとレシーバーを分割できる。ストライカーとマニュアルセフティが転げ落ちてくるのでなくさないように注意。
レシーバーからリアサイトを外す。写真の位置にある六角ボルトを外せばOKなのだが、反対側でボルトの受けになっているナットがあるので、転げ落ちないように指で押さえながら外す。
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シリンダーの取り外し
レシーバーからシリンダーを取り外す。外したシリンダーアセンブリの分解は後ほど。
レシーバーからシリンダーを外すためには、こういうふうに先が丸くなっているタイプの六角レンチが必要になる。
レシーバー側面、斜め後ろから差し込むようにしてシリンダーを止めているネジを左右2本外す。
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トリガー&シアの分解
「コッキングして、引き金を引いて、シアが外れてストライカーが前進する」といった一連の動きを司っている幾つかの部品がレシーバー内には配置されている。基本的な作業は「ピンを抜いてパーツを外す」というただそれだけだが、順番を間違えるとうまくいかない。
まずはシアAから。赤矢印で示したピンをピンポンチを使って抜く。
シアCスプリングを、細いマイナスドライバーや千枚通しなどを使って引っ掛けて外す。外したら、赤矢印で示したところにあるピンをピンポンチを使って抜く。
赤矢印で示したところのピンを抜くと、トリガーが外れる。
APS-3トリガーカスタム 特設ページ
シリンダーアセンブリーの分解
シリンダー周りは、パーツ表ではアセンブリ(全体がひとまとまりの状態)になっていて細かい部品名が不明なので、「あきゅらぼ」独自のネーミングで進めます。
まずコンプレストレバーの軸になっているピンをピンポンチで叩いて外す。かなり硬いけれども、ちゃんとした工具を使って丁寧に作業すれば大丈夫。
シリンダー前方のフタ(シリンダーキャップ)を外す。けっこう固いが、反対側(内側)からピンポンチを差し込んで叩き出すようにすれば外せる(この場所はエアシールなどには関係ない部分なのであまり気を使わなくても大丈夫)。
コンプレストレバーとピストンをつなぐロッドを外す。赤矢印で示したところにあるイモネジを外す。
このイモネジを外すには、「1.27mm」というちょっと特殊なサイズの六角レンチが必要になる。普通の六角レンチセットに付いてくる1.5mmだと大きくて入らず、ガスブローバックなんかに付いてくる0.9mmだと細すぎて役に立たない。大きめのホームセンターに行けば、1本バラ売りで100円たらずで販売しているので、妙な工具の流用とかしようとせずに素直に買ってこよう。
1.27mmの六角レンチ (Amazonリンク)
イモネジを外せば、コンプレストレバーとロッドを繋いでいるピンは簡単に抜ける。
ロッドをつまんで、ピストンを前方(写真だと左下方向)に引っ張る。
ピストンが顔を出したら、ロッドを倒してシリンダーの中に入れて、ピストンを指先で前方(同じく写真だと左下方向)に押す。
基本的にはここまで分解すればほとんどの用は足りると思うけれど、いちおうピストンの分解方法を。真ん中あたりにあるOリングを外すと(赤矢印)、ミゾの中にあるピンが外れる。
ピンを外すと、ピストンを前後に分割できるようになる。
これがシリンダー、コンプレストレバー、ピストン関連の部品一覧。
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チャンバーブロック&バレル周りの分解
まずアッパーカバー、コッキングレバーロッド、ノズルをまとめてチャンバーブロック後方から抜き取る。
チャンバーブロックとアウターバレルを両手でわしづかみにして、赤矢印の方向に回す。
フロントサイトブロックを外す。図の位置にあるイモネジ(左右の同じ位置に1本ずつ、合計2本ある)を緩める(外す必要はない)。
アウターバレルからフロントサイトブロックがスポンと抜き取れる。
アウターバレル先端には、バレルのブレ止め用のパーツとOリングが取り付けられている。
インナーバレルの根本にあるバレルホルダーを外す。写真では指でつまんで軽々と回しているように見えるが、場合によっては固くてとても回せないかもしれない。あて布などをした上で万力やペンチで挟さまないととても回せない場合もある。
チャンバーブロックの中には、パッキンが二つと真鍮のリングが入っている。その向きと順番は写真の通り。
次回は、APS-3のトリガーフィーリングを抜群に良くするカスタム方法について。
あきゅらぼ APS-3トリガーカスタム特設ページ