ああっステージの横に、ステージの横に! おぞましき姿をした何かが!
先々週の週末、11月15日の日曜日に大洗で開催された「あんこう祭」。TVアニメ「ガールズ&パンツァー」の大ヒットで、すっかり「戦車とあんこうの街」になってしまった大洗だけに、このあんこう祭も通常の地方イベントとはひと味もふた味も違う、かなり独特のイベントとして定着しつつあります。沿道には戦車のレプリカが列をなし、特設テント村では当日限定のアニメグッズ目当てに長蛇の列が発生し、街中には痛車が溢れ投票が行われ、メインステージでは声優さんが登場するイベントが行われます。……TVアニメの放送から4年経つので、この「あんこう祭」がこんなんなってからもう4回目ってことになるんですね。
駐車場とイベント会場の間にある通路が展示スペースになっていて、いろんな戦車等のレプリカがずらりと並んでいます。アニメに登場したのと同じ仕様を目指していろいろと細かい所に趣向が凝らされていたりします。作っている団体・組織はさまざまで、アニメ会社がイベントを開く時の展示用に作ったものから、ほぼ個人ベースで作られたもの、硬派なミリタリー模型を作っている模型メーカーによる1/1模型と、おそらくかかってる費用も大幅に違うんじゃないかと思いますが、クオリティ的にどれかがショボくてどれかがやたらと立派、みたいなことはなく、どれもかなりレベルが高いのがミリタリー分野の趣味人の凄さですね。
普通のクレープ屋さんの建物もこんなんなってますが。
限定の物販スペースで販売されていた「水」。ペットボトルのパッケージがキャラクター画像になっているというのが限定版ってことですが、別に描きおろし絵ってわけでもなく、それに500mlペットボトルとはいえ6本セット(バラ売りは無し)ともなると、かなり重くなってしまうので、物販スペースに並ぶ歴戦の猛者たちからも流石にちょっと敬遠されていたっぽいです。
LEDキーホルダーの先行販売。これも全9種セットでの販売のみとなっていたため、値段的に少し勇気がいるようで売れ行きは「飛ぶように売れる」ってほどではないのが実情でした。「あんこうのだけ欲しいーっ」って人がちらほら。
物販スペースとは別に、常設の「大洗とアニメ展示場」みたいのがショッピングモールの2Fの空きテナントに設置されていまして、そこではRC戦車を使った対戦ゲームなんてものが開催されていました。アニメ4話に登場した、雪に閉ざされた町並みが再現されていて、それをステージにして、同話に登場した戦車のRCタンクを使っての対戦ということのようです。
これも、テント村とは別の物販スペースの写真です。最初に発売予定と発表されたときは、誰もが(おそらくは売ろうとしている人自身も含めて)「気は確かか」と心配されたという「砲弾抱きまくら」が、全ラインナップ揃って販売されています。いつの間にかこんなに増えていたんですね。この抱きまくら、大洗の街では本当にあちこちで見かけます。本屋、文房具屋、酒屋、花屋、惣菜屋に鮮魚店、みんな店頭やショーケースにこの砲弾が当然のような顔をして鎮座ましましております。
エンディングバージョンのディフォルメ戦車+人形。既に発売になってるあんこうチームに加えてカメさんチームも発売予定とのことで、監修中サンプルが展示されていました。やたらと出来が良い……。
コトブキヤの「キューポッシュ」というシリーズから出るガルパンフィギュアの試作モデルが先行展示されていました。ヒトコトで言うと「関節が稼働するねんどろいど」って感じでしょうか。自由にポーズを付け替えられる他、布製の服を使って着せ替えが出来たりするというのも特徴の一つになるそうです。西住殿が来年の1月、秋山殿が「2016年ワンフェス[冬]」の発売とのこと。発売前フィギュアの展示だというのに、「ご自由に手にとってポーズを付けて遊んでみて下さい」という対応がちょっと驚きでした。
恐ろしくデキが良いってことで、発売まで半年以上あるというのに各所で話題になってるコトブキヤの秋山優花里フィギュアも展示。こちらは流石に「お手を触れないで下さい」扱いでした。
献血車も来てるんですが、ある程度より多く献血すると特製キーホルダーが貰えるなんて特典もあったり。「さすがに血と引き換えにキーホルダーゲットしようなんて人はそれほど多くないだろう……」と思いきや、けっこうな行列ができていました。
ガルパンの最終回にも登場した、県立大洗高校のマーチングバンド、ブルーホークスの演奏。高校マーチングバンドとしては全国大会常連で、優勝もしている超実力派なのだそうです。ガルパンのテーマソングなどの他、山本リンダなどの歌謡曲をいくつか演奏していました。
アニメイベントってわけじゃなく、あくまで基本は地元のお祭りですから、出展ブースは地元の商店や提携市区町村の物販や宣伝スペースなんかが主です。海沿いの街ということで海産物をネタにした屋台が多いですね。マグロ串かつ、イカからあげ、さおりんほしいも……。え?さおりん?
「あんこう祭」ってだけあって、あんこう汁を売ってる屋台はいくつもあるんですが、そのどれもが「長蛇の列」どころの騒ぎじゃない物凄い行列になっていて、そこに並んで食べようと思うのならば、他の屋台やステージ等は全部諦める覚悟が必要なレベルでした。連れと二人でかなり悩んだのですが、今回は涙をのんであんこう汁は諦めることに決定……。ちなみに、お祭りのメインとして「1杯100円のあんこう汁」なんてものもあったりするんですが、こっちはもう「それを食べるためだけにこのお祭りに来ました」ってくらいの覚悟がなければとても無理な勢いでした。
あんこう汁以外にも、しらす丼とか海鮮焼きなんかの屋台も出てまして、それも決して不味いわけじゃない……どころか、凄く安いくせに凄い美味しいんでオススメなんですが、そっちに目もくれずに大挙して行列に並ぶほどのあんこう汁っていったいどれほどのものなのでしょうか……。