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ワインツーリズムやまなし2015~石和健康ランド

「ああ、今年は最後に凄い美味しいワインが飲めた」と満足して帰り道に付くところですが、最後の最後にもう一つ、全く予想していなかったサプライズの追加オプションがありました。

石和温泉駅にて預けてあった荷物を受け取った後、直接帰るのももったいないので、駅近くにある巨大健康ランドで一休みすることにします。昨夜泊まったホテルにて、石和健康ランドの当日限り有効な無料券を一枚もらえたのです。駅前から無料送迎バスが出ているのですが、それがちょうど付いた所。全く待たずにバスに乗ることができました。

痛みに悲鳴を上げそうになるくらいに強烈な勢いのジェットバスや、25mプールもかくやという巨大浴槽など、いろんな意味でビッグスケールの健康ランドでしたが、ひとっ風呂浴びた後にお腹がすいたので食事スペースに移動している途中、なんとワインの無料試飲をやっているスペースがあるじゃないですか!
 

石和健康ランドでやっていた試飲会にて提供されていたワイン一覧。写真を撮りたいといったら、わざわざ全てのワインを机の上に並べてくれました。

ワイナリー主催というわけではなく、この石和健康ランドの人がスタッフとして提供してくれるのですが、その方の知識がハンパない! ワインに使われているブドウの品種とか、辛口か甘口かということだけじゃなく、それぞれのワイナリーの特徴や作り手の傾向、そのワインならではの特徴やコンセプトなど、直接ワイナリーに行っても聞けないんじゃないかと思えるくらいに詳しい説明をしてくれます。

置いてあるワインの製造元は、今回はワインツーリズムに不参加だったスズラン酒造と、参加はしていたのだけれど時間的制約から訪れることができなかった蒼龍の2箇所です。スズラン酒造は2012年に一度訪れたことがあるのですが、それっきりになっていて「ぜひもう一度行きたい」と思いばかりをつのらせているワイナリーだったりします。今年は無理なのかと諦めていたところが、まさかお風呂に入りにきたら試飲できた、なんてことになるなんて思ってもみませんでした。

スズラン酒造のピノ・ノワール2015。育てるのが難しい品種代表格のピノ・ノワールですが、スズラン酒造の社長さんは豪快なもんで、「ブドウなんてもんはな、植えてほっとけば育つもんなんだ。みんな難しく考えすぎだ」なんて言ってたりします。いやいやいや。けれどこれは「日本製のピノ」としては破格の1900円。
左は蒼龍のあじろん初しぼり。これも「甘い・軽い」のお土産ワインじゃなく、しっかり発酵させた辛口ワインです。大丈夫なのか、こんなラインナップじゃ一般のお客さんはドン引きしちゃうんじゃないかと心配です。左はスズランのソーヴィニヨン・ブラン。
スズランのシェンブルガー2013年。国内では珍しい、少なくても今日飲んだ中には一つもなかったドイツの品種ですね。「甘口」とも「辛口」とも断定できない、ちょっと他では味わえない独特の香りがする軽快で濃厚な白ワインです。なお、健康ランド内で一眼レフ持ち歩くわけにもいかないので、このエントリの写真は全部スマホで撮ったものです。画質とかピントとか甘いのは勘弁してください。
蒼龍の生ワイン。まだ発酵してる最中のワインをまるごと密封しちゃったものです。流通に関係する法律とかそこらへんがあって、普通のルートじゃ販売はできないんだって聞いたことがあります。直接ワイナリーまで行くか、ここみたいに特別なルートで仕入れているところでもなければ手に入らないし飲むこともできないワインのはずです。
蒼龍のナイヤガラと巨峰。「ワイン好き相手じゃなく、ほとんどのお客さんが普通の人なんだから、こういう甘くて軽いお土産ワインもあるのね」なんて思ったら大間違いで、けっこう辛口の本格派ワインだったりします。
売店には、「石和健康ランドオリジナルワイン」なんてものが販売されてて驚きました。作っているのはもちろんこの健康ランドではなく、蒼龍葡萄酒。この健康ランド(ホテルグループ)が蒼龍の樽を一つ所有する形でオリジナルワインとして作って販売しているものなのだそうです。

この石和健康ランドでの山梨ワイン試飲会は、毎年11月の最初の土日に開催しているそうです。ちょうどワインツーリズムやまなしが開催されている日にぶつけてきてるわけですね。ならばワインツーリズムにくるお客さん相手に、「宿泊はどうぞ当健康ランド&ホテルへ!」ってアピールしても良さそうなものですが、ツーリズムのチラシや冊子を見ても何もありませんね……。

それどころか、健康ランドのWebサイトにある「イベントカレンダー」を見ても、この試飲会については一言も触れられていません。まるで「秘密のゲリライベント」のようです。

お店で売ってるワインの中には、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの赤ワイン品種も多いのですが、そこらへんは今回の試飲には出ていません。「健康ランドに来る普通のお客さん相手だと、ああいうのは『まずい』って一刀両断で飲んでもくれないからねえ」と試飲担当の方はおっしゃっていましたが、いやいや現時点で並んでいるワインもなかなかに素人さんお断り度が高いように思えますよ? というか、このラインナップを見たらツーリズム参加者は「とりあえずツーリズム終了後には健康ランドに殺到」ってことになりかねないんじゃないでしょうか。

石和健康ランド
〒406-0021 山梨県笛吹市石和町松本868

池上ヒロシ

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