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ワインツーリズムやまなし2015~ルミエール

今回、初めて訪れるワイナリーです。「世界に打って出れるワイン作り」をしているところ、身も蓋もない言い方をすると「値段がちょっと高め」のワイナリーってことになります。高いには高いだけのことはあって、他ではちょっと見られない手の込んだ醸造方法をしていたりとか、普通は山梨どころか日本では育てるのは難しい、というか無理に近いような品種にトライしていたりとか……。

時間があればゆっくり留まっていろいろと話を聞いてみたいところですが、残念ながら次に行きたい場所もありますし、なによりこちら側に「詳しい話を引き出せる質問ができるほどの知識」が不足しているので、どうしても半可通な質問くらいしかできないのが悔しいところ。そんな質問でも、鼻で笑ったりバカにしたりすることなく、丁寧に真摯に応えて説明してくれるのは嬉しいですね。
 

縮尺がアテにならない地図を見ながら歩いて行くと、真っ先に見えてくるのがこの建物。大きな「Lumiere」の看板があるのでここが目的地かと思いますが、違います。さらに左奥の方に入っていったところに、試飲などができるワイナリーがあります。
あれ、ここがそうなのか? いや、違うよね? 広大なワイン畑を見渡せるテラスカフェは、確かにルミエールワイナリーの施設なのですが試飲会場とは別です。ここは、以前は一日一組だけのお客を完全予約制で受け付けるカフェだったのですが、今は閉鎖していてツーリズムの時だけ一日限定でオープンしているものだとのこと。
道を曲がる方向が逆でした。正しい方向に歩いて行くと、ルミエールワイナリーのレストラン&テイスティングルームにたどり着きます。古い日本家屋の門や庭の中にモダンな欧風レストランが建っている様子は、「日本のワイナリーの、伝統と革新」を象徴しているようです。
中は、数多くのワインが並べられ、なんか大理石で作られてるっぽい水場まで用意されていたりする、やたらとオシャレな空間になっています。左奥の方にいくとレストランです。
無料試飲は、よくある「ずらーっと並んでいて勝手に小さいコップに入れて飲め」みたいなのじゃなく、ちゃんと専門のスタッフが付いて丁寧に説明しながら注いでくれるものです。ただラインナップ自体は、いかにもお土産ワインっぽい「軽くて甘い」ものばかり。一通り飲んで「あ、これは求めてるものとは違うな」と見切りを付けてすぐに有料試飲の方に向かいます。
「光」とか「プレステージクラス」という名前が付いたシリーズが、いわゆるこのワイナリーの「本気ワイン」ってことになるようです。1本あたりの値段は、そうそう気軽に手を出せない高額なものになりますが、試飲だったらワンコインかそこらでOK。
今回試飲したのは、テンプラリーニョ2012。「プレステージクラス」って名前が付いていて値段が高めです。
色も香りも素晴らしい。テンプラリーニョの華やかな感じが存分に出ています……が、値段のことを考えるとちょっとボトルで購入するのには躊躇しますね。

テンプラリーニョのワインはスペインワインで良く見ますが、日本ワインではあまり聞かない品種です。「本来はもっと暑くて雨が少ない地域に適した品種であり、日本で育てるのは正直いって難しい。試験的に育ててみたもので、2012がファーストヴィンテージになる」とのこと。

文句無しに美味しいのですが、スペイン産などを狙えば、これと同等のワインがおそらく1800~2500円くらいで手に入るんじゃないかと思います。そう考えると4000円という値段はちょっと手を出すのに勇気が要りますね。コストパフォーマンスばかりを気にするのではなく、「この日本という高温多湿の国において、テンプラリーニョを頑張って育ててレベルの高いワインを作り上げた、その心意気と技術と将来性に投資する」みたいな気持ちで購入するワインってことになるんじゃないかと思います。

ルミエールワイナリー
〒405-0052 山梨県笛吹市一宮町南野呂624

池上ヒロシ

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