かつては、東京マルイによる「電動ガン用純正バッテリー」として広く使われていたニッカド。しかし現在では「純正」の地位を追われ、新規では販売されていない。ショップなどで流通している在庫や中古電動ガンに入っているものくらいでしか手に入れる方法は無い。過去の物になってしまった理由は、有害物質が含まれているため製造や販売に規制がかかったのだとか、大手メーカーであるSANYOが無くなったせいだとかいろいろ言われているが、最も大きな理由は、容量が他のバッテリーとくらべて極端に少ないからだろう。
「容量」とは、バッテリーにどれだけの電気エネルギーを蓄えることができるかを数値で表したもの。簡単に言えば、「フル充電から、どれだけ多くの弾が撃てるか」を判断するための指標だと考えればいい。スタンダード電動ガンなら、容量(単位はmAh)の数字を3倍くらいしたものが、フル充電から撃てる弾数の目安になる。
使い切ってしまったバッテリーを再び充電する時も、他のバッテリーに比べてかなり無茶な急速充電に耐えてくれるのもニッカドバッテリーの利点の一つ。もちろん使用する充電器が細かい設定に対応していることが前提条件だが、ミニバッテリーならば、だいたい30分もあれば、使い切った状態からフル充電することが可能だ。
基本的には取り扱いは簡単な部類に入るニッカドバッテリーだが、数少ない取り扱い上の注意点が「メモリー効果」だ。ちょっとだけバッテリーを使い、まだまだ使える状態で再充電するという行為を繰り返すと、その「ちょっとだけ使った」状態がバッテリーの初期状態(使い切った状態)であると「記憶(メモリー)」されてしまい、結果として容量が大きく減ってしまうという現象だ。
ところで、「バッテリーを使い切る」と簡単に言うが、実のところ文字通りの意味で充電されているエネルギーを全て使い切ってしまうと、そのバッテリーはもう充電しても使えない「終わったバッテリー」になってしまう。なので、実際にはある程度エネルギーを残した状態で使うのをやめて充電する必要がある。「これ以上は、も う使っちゃダメ」というラインというものがあり、そこが実用上の「バッテリーを使い切ったライン」となるわけだ。
ニッカドバッテリーの場合、バッテリーの残り容量が僅かになってくると電動ガンの動きがだんだんとゆっくりになり、最後には動かなくなる。だがそれはニッカドバッテリーにとってはまだ「使い切ったライン」には届いていない。メモリー効果を防ぐために、そこからさらに放電器を使って放電を行い、それからようやく充電を行う。「エアガンで使う」→「動かなくなったら外して放電器につなぐ」→「放電が終わったら外して充電器に繋いで充電」というのがニッカドバッテリーを取り扱ううえでの「お約束」だ。
なんか悪い点ばかりのようだが、ニッカドにはニッカドの良いところがある。なんといっても、タフな点は大きな利点だ。使い終わった状態/充電した状態のどちらの状態でも少々ほったらかしにしたくらいではダメになったりしない。また、かなり無茶な急速充電にも耐えるため短時間でのフル充電が可能なことや、暑さや寒さに強いことなども見逃せない。
良い点
悪い点
【ガンマメ】電動ガン用バッテリーの選び方 (1)
【ガンマメ】電動ガン用バッテリーの選び方 (3) [2015年9月24日公開予定]