東京マルイを筆頭に、電動ガンを製造販売している多くのエアガンメーカーが「純正」として採用しているのがニッケル水素バッテリー。そこそこ容量が多い(小さくてもたくさん撃てる)ことと、バッテリー管理にあまり気を使わなくてもよいこと、安全性が高いことなどが利点だ。
一方、ユーザーの間で使用率が徐々に増えつつあるのがリチウムポリマーバッテリーだ。ニッケル水素よりもはるかに容量が多く、さらに形状に自由度が高いので細長かったり平べったかったりと様々な形をしたバッテリーが作れることが大きな利点だ。
過去にはニッカドバッテリーが電動ガン用の「純正」として販売されていた。容量が少ないことや「メモリー効果(後述)」という欠点はあるが、短時間での急速充電が可能なことや、保管にそれほど気を使わなくて良いことなど、使い勝手の良いバッテリーだ。
東京マルイの電動ガンが登場したのはもう10年以上も昔。それからずいぶんと長い間、電動ガン用のバッテリーといえば「ニッカドバッテリーが純正」という時代が続いた。
充電することで何度も使える、いわゆる二次電池である。使い終わったら純正の充電器に繋いで、充電し終わったらまた銃に繋げばバリバリと撃てる。難点としては、使い終わる前に充電してしまうと充電できる容量が減ってしまう「メモリー効果」があることで、そのため充電前に専用の放電器に繋いで放電を行う必要があるところがちょっとだけ面倒といえば面倒だ。
数年前、東京マルイはニッカドバッテリーの販売を終了し、全ての電動ガンの「純正バッテリー」をニッケル水素に切り替えた。それにともない、ラージバッテリー仕様の電動ガンは変換ケーブルを使うことでミニバッテリーに対応、電圧やサイクルの関係でニッケル水素に対応できない製品は廃盤となった。
ニッカドバッテリーよりも容量が多いという利点があるが、少し「繊細」な部分があるバッテリーだ。自然放電する性質がある上に過放電に弱いことや、あまり無茶な急速充電ができないことなどは、ニッカドに比べた時の欠点と言える。
東京マルイの「純正バッテリー」としては、電動ガンに使うためものものは発売されていないが、最近急速にシェアを伸ばしているのがリチウムポリマーバッテリー、通称「リポバッテリー」だ。圧倒的な容量の多さ(同じ容量ならサイズの小ささ)と、形状の自由さが大きな利点。しかし充電や放電、保管などについては他のバッテリーとは少々レベルが違う慎重な取り扱いが必要となる。
容量が多いということは、小さなスペースに多くのエネルギーが詰まっているという意味でもあり、そのエネルギーが通常ではない方法で一気に放出されることによる発火や爆発といった事故が起こりうると言われている。まだ日本国内で電動ガン用リポバッテリーが原因となった事故は起こっていないそうだが、海外から入ってくる情報ではラジコンや携帯電話、ノートパソコンなどの分野で事故の事例があるとのことなので油断は禁物である。
駆け足で、広く使われている3種類のバッテリーを紹介したが、次回以降はもうちょっと掘り下げて詳しい内容について解説していく。
【ガンマメ】電動ガン用バッテリーの選び方 (2) [2015年9月21日公開予定]