迷彩服を着るのが好きだからサバゲをやっている、という人も中にはいるかもしれない。……いや、けっこう多いかも。ただ、基本的には「迷彩服を着ている方が着ていないよりも有利になるから」という、ごく単純な理由で着ているという人がほとんどだと思う。サバゲがスポーツかそうでないかって話は別としても、とりあえずルールがあって勝敗があるのだから、わざわざ不利な格好をするよりは有利な格好をするのは当たり前の話だ。
「なぜサバイバルゲームをする人って、迷彩服を着るのですか?」という質問は、たとえるならば、水泳競技をしている人に、「なんで普段着ではなく水着で泳ぐのか?」と聞くようなものだ。
サバゲにもミリタリーにも縁がない生活をしている「普通の人」でも、迷彩柄のグッズはファッションアイテムの一つとしてそれなりに馴染みがあるんじゃないかと思う。「ちょっと目を引くミリタリー柄」って感じだろうか。街中で身に着けるとあんなに浮いて目立つ迷彩服なのに、自然の野山の中に入ってみると、植生に合っているものなら驚くほどに効果がある。「そこにいる」ってことを教えてもらってから、目を凝らしてよく見て初めて気がつく、といった具合だ。
インドアフィールドや、草木が少ないフィールドも最近は多いので、必ずしも迷彩柄が際立って有利になるとは限らない。だが森や林の中といった自然が多いフィールドであれば、迷彩服を着ているか着ていないかは、前ページで使ったたとえを使うならば、プールで泳いでタイムを取るときに、水着で泳ぐかTシャツ短パンで泳ぐかの違いくらいに大きなハンデになる。
サバイバルゲームが、なかなか一般的な趣味にならない理由の一つに、「迷彩服の集団」という見た目的にどうしようもなく言い訳できないイメージがあるのではないか、迷彩服使用禁止のサバイバルゲーム会を開いてみたらどうか?
たしかにそういう発想も有りかもしれない。ただそれは「水着着用禁止の水泳大会」と同じように、実際にサバゲをやってる人からすれば「そんなことしてなんの意味が?」としか思えない滑稽なものに感じるものだ。