APSカップ会場では、デジタルカメラシューティングシステム以外にもAPS関連での発売予定のパーツ類が展示されていたので紹介。ガラス越しなので写真がちょっと不鮮明なのは勘弁。
ノーマルのAPS-3では、トリガーの調整は前後位置の調整しかできなかった。この「フルアジャスタブルトリガー」は、それにくわえて上下位置の調整、左右の首振り、さらに傾きの調整までできるというのがウリになっている。
ただ、当ブログで連載している初心者向けの射撃講座「はじみつ」でも何度も書いているとおり、トリガーを左右に回転させたり傾けたりというのは、基本的には「やってはいけないこと」に相当する。トリガープルが数十gというレベルで極端に軽くしてあるならともかく、ノーマルでは約500g、軽くカスタムしても100gを切ることはまずないトリガープルを持つAPS-3でこんなことをやったら、トリガーを引く動作が、そのまま銃に対して左右に首振りをさせる力を加え続けることになる。シアが切れた瞬間、銃口はトリガーによって力が加えられていた向きの反対方向に動き、着弾位置を大きく狂わせてしまう結果になる。
「トリガーに指が楽に届くようになって快適」という気分にいったんはひたれるかもしれないが、確実にスコアには悪影響を及ぼすことになる。これは、言っちゃ悪いが「余計な機能」だとしか思えない。「フルアジャスタブル」をうたうのなら、1stステージの重さ、2ndステージの重さ、シアのかかり具合の微調整などを外部からレンチなどを使って手軽に行えるようになっていて欲しかった……というのが正直なところ。
毎年発売になっているリミテッドエディション(LE)モデル。今年はシアをスチールに、グリップを木製にしたものがLEモデルとして8月に発売される。
グリップとシア以外の変更点は以下のとおり。
★トリガーフルチューン
★内径6.12mmテフロンインナーバレル
★レッドアルマイトシリンダー
★クリアーマガジン
★チタンカラーアウターバレル
★ガンメタリックペイント・トリガー
★ポリッシュ仕上げアルミダイキャストパーツ3点
この最後の「ポリッシュ仕上げアルミパーツ」というのは、おそらくコンプレストレバーとトリガーガードとコッキングレバーの3点のことだと思う。蓄気式のピストルという構造上、銃の大きな部分を締めるコンプレストレバー、初期型のAPS-3ではもともと実に手間をかけて丁寧にポリッシュされていたのだが、最近になってAPS-3(OR)を新品で買ったら、普通のサンドブラスト仕上げになってしまっていた。撃つたびに力を入れて操作するコンプレストレバーが、角張ってザラザラした仕上げになっているわけで、操作感が大幅にスポイルされている印象があり、ガックリきたものだった。
見るからに手間のかかる加工だったし、今では値段が通常モデルよりも高くなる年度モデルだけの特別仕様ということになっているのだろうか。まあ、それはそれで合理的な住み分けかもしれない。