静岡ホビーショーのリポート、最後にエアガン以外で興味を惹かれた新製品をいくつか紹介しよう。
トミーテックから出ている「リトルアーモリー」シリーズ。1/12のフィギュアに持たせることを前提に作られたミニチュアサイズの銃だ。「銃の形をしている」というだけじゃなく、マガジンを外せたりスコープやバーチカルフォアグリップの着脱、バイポッドの展開や収納など、けっこう細かい所までちゃんと動くため、様々なシチュエーションを再現することが可能なのが大きな特徴。
新製品として展示されていたのは銃が3機種、アクセサリー類が2つ。一つ目はSCAR-Hのブラックタイプ(SCAR-Hはリトルアーモリーシリーズの初期に既にモデルアップされているが、そちらはFDEカラーのバージョンだった)。長短バレルの付け替え、サイレンサーや光学サイトの着脱、ストックの伸縮を付け替えで再現など盛りだくさん。価格は1,500円で5月発売予定。
リボルビンググレネード、M32MGL。1/12サイズながら、スイングアウトや各種グレネードの装填などが行える。8月発売予定で価格は1,200円。
現用装備ばかりかとおもいきや、ベトナム戦争時代の単発グレネードランチャー「M79」も新製品として登場。なんか最近、米軍特殊部隊が使っているところが報道で写ったとかなんとか。通常タイプと、ストックを切り詰めてピストルサイズにしたソウドオフの2挺がセットで1,200円、8月発売予定。
アクセサリー類も充実している。これは「ミリタリーハードケースA」という製品名だが、見ての通りペリカンケースを再現したものだ。この他にも武器庫だとか64式小銃(これは現物サンプルはなくポスターのみ)なんかも展示されていた。
「女子高生が戦車に乗って撃ち合いをする、明るく楽しいスポーツ物」という、どう考えても企画を考えた人の頭がどうかしてるとしか思えないコンセプトのTVアニメ、「ガールズ&パンツァー」の思いもよらぬ大ヒットのお陰で、これまでにない好景気とそれを受けた新製品ラッシュに恵まれている戦車模型業界。TVアニメは終了してだいぶ経つが、OVAの発売や劇場版の公開なども控えており、まだまだコンテンツとしては長生きしそうな雰囲気を見せている。
今回もいくつかの模型メーカーから、ガルパンがらみの新製品が発表されていた。
「超硬派で素人お断りの本格的ミリタリー模型」というイメージが強かったファインモールドだが、いまじゃすっかりガルパン製品メーカーとして知られるメーカーとなってしまった。新製品として展示されていたのは、主人公チームの戦車の中では間違いなく最弱スペックながら、要所要所で勝敗を決する重要な活躍をした八九式中戦車のリニューアルモデル。「より作中のモデルに近づけた」ということだが、つまりは作中モデルの参考とされた土浦武器学校に展示されている八九式の特徴を再現するためのいくつかのパーツ(それとアニメ仕様にするためのデカール類)が付属するモデルということだ。
その「違い」というのが排気管のカバー。実際に二次戦で使われていたものは菱型に組み合わされた網状のカバーで、従来のプラモデルもそれを再現したものになっていたのだが、土浦武器学校にある八九式には鉄板に丸穴が開けられたタイプの排気管カバーになっており、アニメに登場したものもそちらを再現したものになっているとのこと。「アニメ仕様を再現」にこだわる人はこの排気管カバーの自作に苦労することになっていたようだが、それが最初から付属するのが売りということらしい。
とても作りやすいとはいえない海外製のプラモの輸入販売がメインというイメージが強かったplatz。こちらも「素人お断りの本格派」というイメージから、今じゃすっかりガルパン戦車メーカーの仲間入りである。主役戦車であるIV号D型戦車が、新金型にディフォルメフィギュア付きで新発売となる。
中国の模型メーカーであるDRAGON製の模型がベースとなっている。説明書がわかりにくかったり矛盾していたり存在していないパーツが描かれていたり、「ドラゴソ語」なんて揶揄されることもある誤植の嵐など、なかなかに難易度が高いメーカーというイメージがあるが、この製品については90%以上が新設計・新金型のパーツで、「作りやすさを追求し各部のパーツを一体化、精密なディテールを手軽に再現可能!」というのが売りになっている。実際に展示されているランナーのパーツ一つ一つを見てもそれはもう見事な出来で、「まるでバンダイのプラモみたいだ」というのが第一の感想。
驚いたのは、ラジコン関係でもガルパン物があったこと。基本的に高そうなプロポだとか高性能っぽいサーボだとかが並んでいる「ハイテック」のブースに、けっこう大きなスペースを取って対戦型のラジコン戦車が展示されていた。赤外線を使うものと、実際にBB弾を発射するタイプのものの2通りがあるのだとか。
スイッチを入れるとエンジンがかかる音、そしてアイドリングの音、動かすとエンジンの音が高くなる。赤外線タイプのものは被弾すると砲塔が赤く光ったりするギミックがあるそうだが、BB弾発射タイプのものは単に発射するだけで被弾判定などは特にないらしい。既にタイガーI、レオパルド2A5、M4A3シャーマンが発売済で、続いてキングタイガー、10式戦車が発売予定になっているとのこと。
プロポにあるトリガーボタンを押すと、装填音がしばらく鳴った後に、轟音とともにBB弾が発射され、車体が大きく後退する。
BB弾の威力もけっこう強く、おそらく「10歳以上用エアガン」の範囲は軽く凌駕しているだろう。下手に至近距離で身体に当たったら悶絶してしまいそうなくらいのパワーはあるように見えた。
バンダイのブースだが、前々回はあんなに大きなスペースを取って展示していたヤマト2199が申し訳程度の小さいスペースになり、そのかわりにスターウォーズ関連に力を入れていた。主力製品であるガンプラもあちこちに新製品はあることはあったのだが、目新しいものというと、Zガンダムに出てきた「百式」のリニューアルバージョンだろう。兵器としてあるまじき金色に輝く機体の見た目的なインパクト、装甲がスカスカで内部メカがあちらこちらから覗けるところなど、「ガンダム作品に出てくる機械」っぽくない異色のデザインが特徴。
「なんで兵器なのに目立つ金色をしているんだ」という疑問については、
Wikipediaにこの機体専用のコーナーまであって長々と解説されているが、要約すると「耐ビーム性能に寄与すると思って金色にしたんだけれど、実際はそれほど効果ありませんでした。ごめん!」ってことになるらしい。いいのかそれで。プラモで再現しようとすると、塗装かメッキかということになるわけだが、塗装だと金属感の再現が難しく、メッキだとゲート部分の処理が難しいという一長一短になる。この製品はメッキで金色を再現しているが、ゲート部分は目立たない位置に配置するなどして塗装無しで組み上げてもちゃんと見栄え良く仕上がるようになっているとのこと。
単にハデなだけのキンキラキンじゃなく、アニメの描写に近いちょっと赤みがかった渋い金色になっていて、けっこう格好良い。
もちろん、他にもいろいろと展示はあったのだけれど、当ブログにて紹介するのはとりあえずここまで。
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