最強サバゲ銃を作る(第1回)

<前の記事:最強サバゲ銃を作る・第0回>

ベースとするのは電動ハンドガン「USP」

東京マルイ
電動ハンドガン H&K USP
メーカー希望小売価格:¥14,800円(税別)
全長:194mm
重量:702g(バッテリー含む)
装弾数:30発(ノーマルマガジン)/100発(多弾数マガジン)

東京マルイの電動ハンドガンは現在5機種(色違いを含めると8機種)発売されているが、発売順としてはまずG18C、M93R、USPの3つが発売されて、それからだいぶ立ってからM9A1、そしてしばらくしてから最新機種であるハイキャパEが発売されるという形になっている。

最初に発売された3機種のうち最後発となったのがUSPで、前2機種が持っていた難点を解消した良モデルなのだが、何故か狭間に入ってしまったような立ち位置になってしまっているのか、極端な安売りをされているところをちょくちょく見る機種でもある。今回のカスタム素材も、そういった安売りをゲットしたものだ。

USPのリポバッテリー化

ブローバックこそしないものの、ハンドガンサイズでフルサイズとほとんど変わらない連射速度と安定性を実現した東京マルイ製の電動ハンドガンだが、弱点もある。スライド内に収納できる超小型バッテリーの容量が、500mAhとあまり大きくないのだ。

撃てる弾数はだいたい2000発程度と言われている。そこそこ十分なレベルではあるのだが、スプリングを交換して負荷が大きくなると極端に減ってしまう。またバッテリーのパンチ力(放電力)があまり高くないらしく、スプリング交換による連射スピードの低下はかなり深刻なものになる。

そこで、リポバッテリーに換装することにする。ノーマルバッテリーと同じようにスライド内に収納できるサイズながら、容量は若干アップの560mAh。そしてなにより放電特性が良いためスプリング交換してもサイクルが落ちにくいという利点がある。

電動ハンドガンにおいて他社製のバッテリーを使うのは、そこそこやっかいな手順が必要になる。フルサイズ電動ガンでは、過去にラジコンの世界で使われていた汎用のコネクターが使われていたのに対し、電動ハンドガンでは東京マルイ独自のコネクターとなっているからだ。分解して加工し、新たにコネクターを新設してやる必要がある。

OPTION No.1
GB-0021 HIGH POWER Li-Po 7.4V 560mAh
ハンドガン用バッテリー(コネクター付き)
メーカー希望小売価格:2300円
コネクターが付属する。といってもバッテリーに接続する方のコネクターがあるだけで、その反対側は電線が剥き出しだ。この電線を、電動ハンドガンの適切な場所に接続して使用するわけだが、説明書には「どこに、どうやって接続するか」なんてことは全く書かれていない。

電動ハンドガン「H&K USP」の分解

最終的にはスプリング交換のため全分解することになるが、リポバッテリーへの換装だけなら通常分解+アルファで足りる。まずはマガジンキャッチを押してマガジンを抜く。
スライドの外し方はちょっと独特で、まずハンマーを起こす。
するとロックが外れ、写真のように上方向に外れるようになる。実銃やガスブローバックとは全然違うのでちょっと戸惑う。

ブリーチカバーを外す

ブリーチ部分のカバーを外す。左側面にある2本のネジ(赤矢印で示したもの)を外す。
小さいネジなので、一般的なプラスドライバーでは空回りしてしまう。精密ドライバーを使用する必要がある。
反対側(右側面)は、後方にあるこのネジを1つだけ外せばOKだ。

バレルを外す

カバーを上方向に引っ張って外す。
カバーを外して、後方から見たところ。バレル&チャンバーブロックを後方から止めているネジを2本外す。
少し奥まったややこしい場所にあるので慎重に。
これでバレルが外せるようになるわけだが、その前にノズルを後退させておく。ノズルが前進している状態だとちょっと外すのに苦労するのだ。矢印で示した突起が写真の位置にあるときにはノズルが前進している。
ドライバーの先などを使って、突起を後方に引っぱる。けっこう強いバネの力で前方に押し付けられているので、それなりに大きな力が必要だ。
ノズルを後方に引っ張りながら、バレル後部(チャンバーブロック部分)を上方向に引っ張るとバレル一式が外れる。

バッテリー脱着レバーを外す

ノーマルバッテリーを使う場合に、装着したバッテリーを外すためのレバーがあるのだが、これがリポバッテリー化したときの配線の邪魔になるのでここで外しておく。まずは(実銃でいうところの)スライドストップを外す。とくにネジ留めされているわけでもないので引っ張れば簡単に外れる。
スライドストップの前方、矢印で示した部分にあるピンを抜く。
かなり細いピンなので、千枚通しの先端などを使うと良いだろう。なお、分解してみて判明したのだが写真のように前方から後方に抜くより、後方から前方に抜くほうが良い(すべり止めのローレットが前方にだけついているため)。
千枚通しで押し出したピンの先端をペンチで持って引っぱる。なお繰り返しになるが、写真の形ではなく逆方向に抜いたほうがやりやすい。
スライドストップから、バッテリーの脱着に使うレバーを外したところ。

配線が通る穴を開ける

配線が通るための穴を作る。赤(プラス側)の配線とバッテリースペースとの間は、赤矢印で示した壁によって分断されているため、この壁に何らかの形で配線が通る穴を開けなければならない。
小型のニッパーなどを使ってちぎり取る。この部分は柔らかいABS製なので特別な工具は必要ない。簡単な加工だ。
加工を終えて配線を接続し、最終的にカバーを戻した状態はこうなる。けっこう深いところまで切れ込みを入れなければならないことに注意。
反対側(黒色のマイナス側の配線)は、ホップ調整ダイヤルの前方にちょうど配線が通るくらいの隙間があるので、なにも加工する必要はない。

配線をハンダ付けする

組み立て前に戻って、配線のハンダ付けだ。付属するコネクターの線は少し長すぎる。このままハンダ付けしても問題なく使えるのだが、余った配線がスライド内で邪魔になってしまう。そのためあらかじめ適切な長さに切っておく。コネクター先端がスライドの中間あたりにある状態で、接続したい場所で配線を切断する。
黒色(マイナス側)のほうが少し遠回りする形になるので、ちょっとだけ黒の方を長くしておく。
先端を少しだけ剥いて、ハンダを染み込ませておく。
赤色(プラス側)はこんな感じ。ちょっと奥まった場所にあるとはいえ周囲にある部品はほとんど金属製なので、組み立てた状態のままでもそれほど苦労することなくハンダ付けが可能だ。
反対側の黒色(マイナス側)はもっと簡単。
バレルとカバーを元通りに装着して、コネクターにリポバッテリーを接続し、スライド内に収納してみた。スペースの余裕も十分だ。

<続き:最強サバゲ銃を作る・第2回>

池上ヒロシ

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池上ヒロシ

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