あまり自分には縁がないのですが、この季節は上記みたいな悩みを持ったお嬢さんや奥様方ってそれなりに多いんじゃないでしょうか? 昔は、銃好き人間なんて「ガンマニア」とか半ば蔑称じみた呼び名をされ、被差別者として社会の暗がりで生きるしかなかったものですが、そんなのはもう過去のものとなりつつあるようです。銃趣味やサバイバルゲームが、女性から見てもそれほど「ドン引き」されたりしない趣味としての地位を築きつつあります。いやそれどころか「サバゲ女子」なんて無理やりな名前で女性自らサバゲを楽しむムーブメントなんてもんを大手メディアが躍起になって創りだそうとしてる様子をみるにつけ、「時代は変わったなあ……」と感慨もひとしおです。
それはさておき、エアガンにも銃にもサバゲにもそれほど詳しくない、「サバゲ好きの彼氏を持った女性」が選ぶプレゼントとしては、どんなものがふさわしいんでしょうか? 生粋のガンマニアとの観点で、「自分だったら、こんなもんを貰ったら嬉しいかもなあ」と思えるものをいろいろ選んでみました。
プレゼントを選ぶときにやってはいけないこと、というのは何でしょうか? その人が「欲しそうなもの」を選ぶのは、やってしまいがちですが実はコレ、失敗のもとです。どんなジャンルの趣味でも、それにのめり込んでいるのなら、「欲しい」と思ったものはプレゼントされるまでもなく、とっくに自分の財布からお金を出して購入しているに違いありません。マニアってのはそういう生き物ですから。逆に言えば、まだ持ってないってことは別にそれほど欲しくないってことです。
サバゲ好きの彼氏にプレゼントしたいという場合で考えてみましょう。例えばエアガン本体はプレゼントとしてどうでしょうか? それが普通に買える値段のものでプレゼントされる側が欲しいと思ってるのならば、とっくに自分で買っているでしょう。スコープだとかサイレンサーといったエアガンに直接取り付ける実用的なアクセサリーも、欲しいのならすぐに買ってしまうでしょう。持っていないということは、そのエアガンやアクセサリー類はそもそもその人にとっては「それほど欲しくはない」ものだったということです。だから、エアガン本体やそのアクセサリー類というのは、真っ先に候補からは外すべきものです。
自分の財布ではとても買えないような高価なものだったら? そりゃ、確かに欲しいと思うし、貰ったら嬉しいものではあるでしょうけれど……。一般論ですが、「あまりに高価過ぎるもの」ってのはプレゼントされたら嬉しいより先に戸惑いのほうが先に来てしまうという話をよく聞きます。まあ、人と人との関係っていろいろですが。
なら、いったいどうしたら良いのでしょうか? 「欲しいなと思うことは良くあるが、自分で買うことはまずないもの」を選べばいいのです。この、「自分ではまず買わないもの」という条件、ここに注意して選ぶのがプレゼント選びの鉄則です。
今の時代、ネジといったらプラスネジ以外を見かけることは日常生活ではほとんどありませんが、銃の世界では逆にプラスネジはほとんど見かけず、多いのはマイナスネジ、それと六角ボルトばかりです。他には、電動ガンのメカBOXの分解なんかに使われている「トルクスネジ」という特殊ネジも、サバゲ好き人間にとっては身近なネジです。
そういった様々な種類のネジに対応する特殊ドライバーのセットなんかはどうでしょうか。中には300円とか500円くらいの激安セットもありますが、そういうのはちょっとオススメしません。激安のドライバーセットというのは、「無いよりマシ」なレベルの工具で、中にはセットの中身が重複していたり抜けていたり、ドライバーの軸と取っ手がしっかりはまっていなかったりと致命的な欠陥があることも珍しくないからです。
プレゼントとして贈るなら、最低限として1000円以上のものがいいでしょう。そのくらいの価格帯なら、なんとか使い物になるレベルじゃないかと思います。プレゼントなのに、使ったときにネジを舐めたりして苛ついてしまったりしたら逆効果ですものね。
ガスガンのバルブ部分を締めたり緩めたりするための専用工具です。エアガンの分解・整備をする人でなければまず欲しいとは思わないでしょう。実際にエアガン趣味にしている人でも、「わざわざそれだけのために1000~2000円とか出して買うほどでもないよなあ……」と妥協して、身の回りにある工具を組み合わせて、ちょっと不便な思いをしながらなんとかしてる人がほとんどだと思います。
「一見すると何に使うのかわからない金属製の工具」というのは、それ単体で見てもけっこう美しさを感じるものです。女性にとってのアクセサリーとかジュエリーに近い感情を、男はこういった「専用工具」に感じるものです。プレゼントにはうってつけじゃないでしょうか。
あなたの彼氏は、部屋の中でエアガンを撃つときに、ダンボールだとかティッシュペーパーの箱だとかを流用して自作したターゲットを撃ってませんか? もしそうなら、「自分では買わないが、プレゼントされたら嬉しいもの」の筆頭は、エアガン専用のターゲットに違いありません。
特にオススメなのが、当たった弾がしばらくのあいだペタッとくっつく「粘着タイプ」のターゲットです。それも1個だけでなく2個とか3個とか、できれば5個とか6個とかまとめて購入して、複数の場所に設置したりすると、部屋のなかが簡易的なスピードシューティングレンジになります。自分じゃなかなか「いくつも同じターゲットを買う」なんてことはしませんから、「自分じゃ買わないが、欲しいとは思うもの」としてなかなか的を射ているプレゼントになるんじゃないかと思います。
なぜか女性にはなかなか理解してもらえないことが多いのですが、「高価で高級な工具」に対する男の思い入れってのはなかなかに深いものがあります。たかがレンチ1個に数千円とか数万円とか、場合によっちゃさらにゼロを1つ2つ足したお金をつぎ込んだりする「工具マニア」ってのはごろごろいます。
まあそこまで高い工具じゃなくても構いません。確かに高いのは高いだけのことはあるといえばあるんでしょうが、数万円の工具なんてのはほとんど趣味の領域です。よほど特殊なものじゃなければ、数千円程度を覚悟すれば、「最高級品と比べても極端な差はない」製品が手に入ります。
また、工具にも「ブランド」があります。ブランドネームは、それだけで所有している満足感みたいなものを呼び起こします。「KTC」とか「スナップオン」なんてのは、機械いじりを趣味としている人にとって「憧れのツール」としての確固たる地位を築いているブランドですね。「彼女がスナップオンの工具セットをプレゼントしてくれたんだ」なんてのは、男性にとっちゃもう世界中に自慢したくなるくらいに嬉しい出来事になります。確実に。
サバゲ好きにプレゼントするカバンというと、銃を収納するためのガンケースを真っ先に思い浮かべがちです。けれどガンケース、特にライフルを入れる長めのケースというのは、プレゼントとしては地雷になりそうな要素がいっぱいあり、少々危険です。メインとして使っているエアガンと長さが微妙に合わなかったりするとやたらと使いづらいこと。サバゲフィールドまでどうやって行くか、自分の車か、他人の車に便乗させてもらうのか、それとも電車やバスといった公共交通機関を使うのか、それによって適切なガンケースの形や機能というのもずいぶんと変わってきます。そういった事情を知らずに適当に選んで買ったものが、ちょうど彼氏の欲しいと思っていたケースと合致するかどうか? かなりのギャンブルです。
けれど、ライフルじゃないものを入れるカバンとなると、そういったギャンブル要素がずいぶんと減ります。特に、工具とか細々としたグッズ類を入れる「ツールバッグ」とか「レンジバッグ」と呼ばれている四角いバッグはオススメです。普段使う一般的なバッグ、ボストンバッグとかデイバッグと違って、ウレタンフォームで四角い形がある程度しっかり付いていて内部に入れたものを保護してくれる上に、細々としたものがごちゃごちゃにならずに整理整頓して取り出しやすい形で収納できるスグレモノです。小さい拳銃を入れるスペースが設けられているものもあります。ちょっと値段が高めになることもあって、なかなか自分では買おうとは思わないけれど1個持ってるととても便利という、極めてプレゼント向きの製品といえるでしょう。
「十徳ナイフ」がすごく進化したのがマルチツールです。いろんな形のナイフや工具がひとまとまりになってる十徳ナイフは、ひとつひとつの工具は使いづらかったりするのが普通ですが、「レザーマンツール」に代表されるマルチツールはそんなことはなく、どの工具も十分に実用になる使いやすさを持っているのが最大の特徴です。
メインとなっているのはプライヤー(まあ、ペンチのことだと思ってもらって構いません)で、そのハンドル部分にナイフやヤスリ、ドライバーや栓抜きなんかが仕込まれているというのが基本パターンです。プライヤー自体も折りたたんで小さい箱型にすることができて、極めて気軽に持ち運びができる便利さがあります。
……まあ、最近はマルチツールといえども簡単に取り出せる形で持ち歩いていたりしたら、「ナイフを携帯していた!」とかで面倒なことになったりするので、なかなかその利便性は享受できないのですが。サバゲにでかけるときのバッグの中とか、普段手に届くところの机や引き出しの中だとかに1個入れておくと、「あ、鍋の取っ手が緩んでるから締めておこう」とか、「服の端っこがほつれてきたから広がらないうちに切っておこう」とか、「100均で買った金属製品の端が少し尖ってて危ないから削っておこう」とか、そういった日常の細々したことを、わざわざ工具箱を引っ張りだして大げさな工具を用意しなくても、「ささっ」と対処できます。この便利さは、一度体験してみるともう抜けだせませんよ~!