実はこれ、弾を撃つためのものじゃなくて、10mを狙うためのサイトです。筒を通してターゲットを見ることで、筒の内部に反射した同心円状のリングとターゲットを合わせて狙うという仕組みのものです。
こういった金属筒を使った照準器というのは、レンズを使った望遠鏡を応用したスコープサイトが一般的ではなかった頃には、精密照準用のサイトとして使われることもあったとか。APS本大会ルールでの「ドットサイト」にも「スコープ」にも相当しないため、オープンサイト部門に参加しても大丈夫です。
APSカップのシルエットも、「ピンポイントシューティング10m」でのターゲットも、以前はハッキリクッキリ見えていたんですが、加齢のせいなのか上手く照準が付けられなくなりまして、道具を使ってなんとかできないかと試行錯誤しているものの一つです。
このサイト、単なる筒だけで良いかと最初は思ったのですが、ハンドガン用のサイトとして使う場合、筒の先に「ちょっとだけ穴の径が小さいもの」を追加しないとうまい具合に同心円になってくれないことがわかりました。ワッシャを接着剤で貼り付けることでなんとかなったのですが、これがまたすぐに外れる! 外れなくても、なんかの拍子にすぐに中心からズレる! 筒の先に「ちょっと触っただけで位置がズレてしまう微妙なもの」があるせいで、サイト調整がしづらい! とまあ、いろいろと問題が山積みでした。
ワッシャをはりつけるのじゃなく、インナーバレルの中にちょうど収まる大きさで、中心に穴があいたチクワ状の物体を作れば全て解決するんじゃないだろうか? と思いついたのが今年の本大会直後。そこらへんの加工機械が自由に使えるハロくんが、「そういうのがあるなら言ってください、作りますよ」って言ってくれたその言葉に甘えまして、穴の径を小さいのから大きいのまで何種類か取り揃える形で、外径がインナーバレル内側より少し小さめのパイプを作ってもらいました。
穴の大きさが何種類かあるのは、ターゲットまでの距離やターゲットの大きさ、射場の明るさなどに対応するためです。穴が小さすぎるとターゲットが隠れてしまって上手く狙えない、かといって大きすぎてはターゲット外側と穴の内壁の隙間が開きすぎてしまい、これまたあまり嬉しくない。
実際に、サイトチューブの先端に取り付けてみたのがトップ画像です。さすが金属削り出しだけあってサイズピッタリです。
上にはみ出してるのはOリングです……。サイトチューブ(インナーバレル)は、「コの字」型のアングル材に固定する形で搭載しているのですが、ガッチリと接着してるわけじゃなく上下などに調節しやすいようOリングを使って挟んでいます。Oリングの径がちょっと大きいんで、こんなことになってるわけですね。
……けれど他の皆さんに意見を聞くと、大不評なんですよね……。